熟年組も満喫できる理想的な旅先 2
前回、カナダは個人旅行に最適と書いたが、これで読者の皆さんとカナダの距離がグーンと縮まったに違いない。
個人旅行の良さは思い立ったら、スグに出かけられることがあげられる。
それではその楽しいプラン作りから、はじめよう。カナダを訪れた旅行者が異口同音に言うのは、とにかく広い国だということだ。ついつい日本の感覚で組んでしまうと、とんでもないことになる。まずは地図を眺めて、その広さをつかむようにしたい。日本の27倍の広さということを頭に入れていただきたい。鉄道の距離でバンクーバーからジャスパーまで852km、ジャスパーからトロントまでが3.615km、東京から大阪までが560kmだから、いかにカナダが広大だかお分かりいただけると思う。
次に自分の行きたいところをプランニングしてみることである。この距離感を頭に入れてプランニングしないと、とんでもないスケジュールを作ってしまうことになる。
先日、海外旅行は東南アジアのみという知人が組んだプランは、こんなものだった。
初日に太平洋岸のバンクーバーに着いて、午前中はバンクーバーを、午後はビクトリア観光を、その晩の夜行列車に乗ってカナディアン・ロッキーのジャスパーへ。1泊して次の日は氷河道路をバスで観光しながら、バンフへ。翌朝カルガリーへ出て、市内観光の後、午後の飛行機でトロントへ。そのまま空港バスで深夜のナイアガラ着。翌朝は午前中ナイアガラ観光をして、午後トロントに戻って、観光。夜の飛行機でケベック・シティーへ。翌日はケベック観光を楽しみ、さらに夕方便でトロントに戻り1泊。翌朝の便で帰国という、なんともすさまじい日程だった。
これで8日間だが、このくらいの日程ならツアーにもあるし、スケジュール的にもなんとかなりそうなので、組んだとのこと。確かに理論的には組むことができるが、このプランをそのまま実行したのでは、最悪の場合は途中でダウンである。
結論からいえば、1週間程度の日程ならば、西側だけとか、東側だけ、それも2~3都市(リゾート)をまわる位にしておいた方がよい。東西を合わせて回るならば、10日間は必要。理想的にはリゾート1カ所、都市1カ所というところだろう。とくに天候によって楽しみ方が大きく左右される山のリゾートでは、できるだけ日程を多くとるようにしたい。
せっかく個人旅行を選んだのだから、ゆったりまわりたい。旅行全体の印象もその方が強くなる。旅行ガイドブックや一般ツアーのパンフレットを見ながら、おおまかなプランが頭に浮かんできたに違いないが、この時点ではまだ十分なプランとは言えない。実際に実行可能なプランかどうか、チェックしてみる必要がある。