熟年組も満喫できる理想的な旅先 ３
実はこの連載記事をスタートする２カ月ほど前に、知人Ａ氏夫妻が個人旅行でカナダへ行きたいと私の所へ相談にやってきた。Ａ氏は５０代後半、ここ１０年ほどは毎年、海外のどこかへ出かけている旅行好きで、東南アジア、ハワイ、アメリカ、ヨーロッパなど主なところは回ったという。カナダも一度訪れており、主要観光地は周遊したとのことであった。
海外旅行も１０回を越えると、一応主な旅行先は訪ねてしまったし、ツアーはスケジュールに追いまくられる感じで、どうも性に合わない。自分たちの好みの所を、自分たちのペースで訪れてみたい。そんなわけで今回の旅行は、再訪してみたいという印象が最も強かったカナダを、今はやりの個人旅行という形で訪れてみたいという結論になったそうである。
ケベック
漠然とカナダへ行ってみたいという気持ちは以前からあったらしいが、奥さんと具体的に９月の連休を利用した１１日間という日程でカナダを訪れてみよう、と決まったのは７月下旬のことだったという。日程表をまず見せて貰うと、９月１４日（土）に出発し、９月２３日（月・祝日）に帰国という、連休を２回利用し年休はたった４日間だけで済むという、理想的なものだった。
しかし気になることが一つあった。予約が取れているかということである。最初から否定的な言葉を並べてしまうと本人もイヤ気がさしてしまうだろうから、最初は「カナダへ個人旅行ですか。いいですねえ。この時期は一番いい時期なんですよ。」といってはみたものの、日程表を見せて貰うとどうも気になる。それが表情に出たのか、Ａ氏は「この日程で何か問題ありますか？」と聞いてきた。
私は仕事柄、カナダへ渡航する機会が多く、カナダ専門の旅行会社にいる友人から色々な情報が入ってくるから、普通の旅行者のツメの甘い（失礼！）日程などを見るとつい口出ししたくなってしまうのである。問題は色々ありそうだが、一般の旅行者ならすぐに陥りやすい点なので、アドバイスも交えながら日程をチェックすることにした。幸いなことに、まだ予約は何も入れていないという。最もピーク時などは、これが幸いでないこともあるのだが….。