ガーデン・ウェディングの例
レセプション
若い人達が中心となるレセプションは、夕日の美しいハワイならではの演出をと、サンセット・クルーズの船内で行った。
パラダイス・クルーズ社の232 フィート・4 デッキの豪華な「スター・オブ・ホノルル号」には、小型のプライベイト・パーティのための部屋がある。前方に位置するガラス張の50人収容可能の部屋を借切りにした、ブッフェのディナー・レセプションである。 参列者は、ホテルからパラダイス・クルーズ社の出迎えのバスで、タイミングをずらせて、花嫁と花婿がセダンでピアーに乗り付けるという手順である。
船内のパーティー会場には、見晴らしのよい窓沿いに花を飾ったテーブルと椅子が用意され、部屋のほぼ中央には料理が並び、その前に美しく飾られたウェディング・ケーキが輝く。部屋の片隅には各種の飲み物を揃えたバーがあり、壁側中央近くに置かれたエレクトーンからは、ムードたっぷりの音楽が流れる。
参列者が部屋に入ると、先ず、飲み物のサービスが始まり、ややあって、エレクトーンの結婚行進曲を合図に新郎新婦の入場といった具合でパーティが始まる。
新郎新婦が窓側中央の席につくと、タキジートを着たウエイターがシャンペンのサービスを始め、新郎友人の司会で先ずは「乾杯!」、口々に「おめでとう!」の歓声と、新郎新婦に「腕を組んで」とか「グラスをあけろ」とかポーズづくりの注文が次々と飛ぶ。
というのも今回は、シャッター・チャンスを逃がさないようにとの考えから、テーブルごとに使い捨てのカメラを用意して、誰もがシャッターチャンスを活かせるように仕掛けをしてみたからだ。
続いてウェディング・ケーキへの入刃。新婦新郎が互いにケーキを相手の口に運び、口の周りがクリームだらけになると、すかさず歓声が飛んで、キスでクリームをとってあげろとけしかける。見ているだけで、ケーキの甘さがこちらにも伝わってくる。
船のキャプテンも「二人の幸せを祈念して」と、お祝い駆けつけて来てくれた。
やがてブッフェがオープンされて、各自料理を楽しみながら、しばしオシャベリに花が咲くという寸法である。
ちなみに、ブッフェのメニューは、シュリンプ・バー、サラダ、フレッシュ・フルーツ各種、照焼チキン、グリル・フィッシュ、パスタ、温野菜、その場で切わけるローストビーフ、ロールパン、デザートと豪華でボリュームもたっぷりしている。
飲み物は飲み放題。種類はマイタイ、チチ、ブルーハワイなどのトロピカル・ドリンクにはじまり、ビール、ワイン、スコッチ、バーボン、ウォッカ、ラム、ジン、コニャックなどひと通りのもには何でも揃っている。ソフト・ドリンクはソーダ類にフルーツ・ジュース、デザートにはウェディング・ケーキが配られる。
新郎新婦は特にこの日のために用意されたドンペリのボトルを持って、一人一人のお客様に挨拶、あちこちで賑やかな歓声があがる。
やがて、ダンスタイム。新婦のご両親も軽快なステップをご披露。次第に、若い人達のノリで祝宴は最高潮に達する。船外にはハワイ名物の真っ赤な夕日が空を焦がす。その折角の美しい夕日を見ることも忘れてしまうくらい、披露パーティは華々しく楽しく賑やかに続いた。
船を下り、新郎新婦を出迎えのセダンに送り込む頃は、すでに夜の帳が降り、ワイキキはキラキラと美しい夜景に変わっていた。