ザルツブルク市がユネスコ世界文化遺産から25年
自身の4つの司教区で、ローマ法王のように自ら司教を任命することが許され、1806年まで世界で2番目に大きな教会国家を支配していたザルツブルクの大司教。 「北のローマ」と謳われ、古くから職人や芸術家を惹きつけてきたザルツブルクの街中には、大聖堂をはじめとするバロック建築が多数点在しているが、その多くはイタリアの建築家、ヴィンチェンツォ・スカモッツィとサンティーニ・ソラーリが設計した。美しい教会、中世の市井の家屋、イタリア風の広々とした広場など、どこを見ても圧倒される。
そうしたザルツブルクの町がユネスコの世界遺産に登録されたのは、1997年1月1日のこと。異なる世紀に建てられた教会建築や世俗建築の保存状態が非常に良いこと加え、「音楽の都」として、とりわけ「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生誕地」としての重要性が高く評価されたことを受け、ユネスコの世界遺産リストにその名を連ねた。
2016年9月にはまた、ザルツブルクにある「マリオネット劇場」が、あらたにユネスコ世界遺産の無形文化財に加わった。ユネスコは、1913年から続くこの世界で唯一オペラの上演に特化した人形劇場を、「芸術的な技術に加え、人形を彫る、描く、衣装をつける、動かすといった職人技を伝承する必要がある」と評価している。
ザルツブルクが世界遺産に登録されてから25年の月日を経た今日、旧市街にある「ゲトライデガッセ」は花崗岩の石畳に、店舗へのアクセスもバリアフリー化されるなど、都市開発の推進によりグレードアップ。また、「リンツァーガッセ」のリデザインや、「ミラベル庭園」にある小人の庭園も歴史に基づいてリニューアルされている。
なお、ザルツブルクの観光情報は、日本語にも対応したザルツブルク市観光局の公式ウェブサイトでも入手できるので活用したい。
Salzburg Tourismus
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