ザルツブルクで1世紀以上の歴史を誇る伝統のマリオネット劇を楽しむ
1913年に彫刻家のアントン・アイヒャーが設立したザルツブルク・マリオネット劇場。その後、子供たちが継承し、100年以上続く伝統的な演劇が生まれた。
この劇場にある人形の原型は、1700年頃に旅回りの人形遣いがザルツブルク州のカスパールで舞台に登場させた、ルンガウ地方出身の農民で、滑稽なキャラクターであるザウシュナイダーとされている。
1913年、ザルツブルクにマリオネット劇場が設立された際に上演されたのが、モーツァルトの《バスティアンとバスティエンヌ》だった。
ザルツブルク・マリオネット劇場は、1971年に現在の場所(モーツァルテウムと州立劇場の間)に移転。350席を擁する、壮麗なバロック様式の人形劇の専用劇場となった。
2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されたザルツブルク・マリオネット劇場は、オペラの演目を専門とする世界で唯一の人形劇場。人形劇は、人形遣いが舞台から2メートル上に立ち、長さ1.5メートルもある付属の糸で人形を動かし、人形の性格を表現する。本物のオペラ(歌劇)のようにダンス、歌、演技、一流の音楽で構成される、人形による小さなオペラハウスとなっている。
<人形劇のオペラ座>と呼ばれるザルツブルク・マリオネット劇場の演目は、モーツァルトの《魔笛》からベートーヴェンの《フィデリオ》、メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》、チャイコフスキーの《くるみ割り人形》まで実に多彩で、ザルツブルクが舞台の映画『サウンド・オブ・ニュージック』のミュージカルも人気を博している。
マリオネット劇は毎年、およそ160回の公演を行っているが、曜日によっては午後に子供向けのおとぎ話、《魔笛》や『サウンド・オブ・ニュージック』のハイライトなどを演目とする、時間が限られたツーリストにも適した1時間の短いプログラムが上演されている。
Salzburger Marionettentheater
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