EURO2024でエンジン全開! 「世界で最もエキサイティングな都市」ベルリンの熱い夏
今年、東京とドイツの首都ベルリンの友好都市締結から30周年を迎える。これを受け、両都市のさらなる関係強化を図るため、ベルリンから使節団が来日。ブルクハート・キーカー代表率いるベルリン観光局が、都内で「ベルリンの夏」を切り口とするプレス発表会を実施した。
世界が注目するエキサイティングな都市 ベルリン
グローバルメディア『TimeOut』誌が選ぶ「世界のベストシティランキング2024」において、あのロンドンを抜き、TOP3にランクインしたベルリンは、今、世界中が注目するエキサイティングな都市だ。
ドイツの観光マーケティング会社『ProjectM』がドイツとオーストリア、スイスの都市で旅行者6,000人を対象に実施した「ヨーロッパ都市旅行調査2023/2024」ではトップに躍り出るなど、ベルリンはすべてのランキング、とりわけ文化的シーンで高いスコアを獲得している、とベルリン観光局代表のブルクハート・キーカー氏は胸を張る。
2023年のベルリン全体のベット稼働率は、平均で前年比の6.9%増となる57.8%(出典:Statista)と、緩やかながらも順調に回復。2023年の春には出足が悪かった日本からの旅行者も50%以上も増加し、ベルリン観光局ではこの結果をリベンジ・トラベル、さらにヨーロッパ旅行のトレンドが、これまでの典型的なヨーロッパの街から中欧へと関心が高まっていると分析している。
ドイツ初!AIを導入したベルリン・ブランデンブルク空港
ベルリン観光のポテンシャルの高さもさることながら、その後押しをしているのが2022年にドイツ第3の空港として開港した「ベルリン・ブランデンブルク空港」だ。2024年5月現在、同空港には68航空会社が就航し、首都ベルリンと世界148都市と結んでいる。
ベルリン・ブランデンブルク空港ネットワーク部シニアマネージャーのヨハネス・モールマン氏によると、2023年の渡航者数は231万人。日本からの直行便の就航はまだないが、2023年の日本からの渡航者数は2019年比で72%にまで回復しているという。
2023年はイスタンブールとドーハ経由便のシェアが拡大しているものの、フィンエアーとルフトハンザのハブ空港は高水準を維持。先12ヶ月における検索数は前年比で35%増に達し、今後もさらなる渡航需要を見込んでいる。
「エアポート・イノベーション・アワード2023」を受賞したベルリン・ブランデンブルク空港は、北米以外では初となる「保安検査の時間指定・予約」が可能で、さらに「バイオメトリクス認証デジタルサービス」など、ドイツでは初めてとなる自己学習型のAIを導入。各種手続きの、さらなる最適化を目指している。
空港から市内までは、エクスプレス(鉄道)の利用で25分弱。さらにハンブルク、ドレスデン、ハノーファー、ライプツィヒといった主要都市まで2時間以内でアクセスできる。
「自由な都市ベルリン」への歩み
かつての「壁の街」と呼ばれたベルリンが、「自由な都市」に向けて歩き出してから早35年。ベルリンは今、多様性に富む、新たなカルチャーの発信地へと生まれ変わった。
だが、そうした中でもベルリンが大切にしているのが、壁の歴史を通じて自由の大切さを未来につなぐこと。ベルリンの街中には東西分裂時代を今に伝える記念碑やシュタージ(旧東独の秘密警察・諜報機関)博物館などが、観光スポットとして点在している。
「ベルリンの壁崩壊35周年」を迎える2024年11月9日、ベルリンでは世界各国から著名人を招いた記念行事の開催が予定されているが、一部の特別イベントは2024年を通じて行われている。そうしたイベントの詳細は、ベルリン観光局のウェブサイトで入手できる。
移りゆくベルリンのカルチャーシーン
今年200周年を迎える「博物館島」は、複数の博物館が集まるドイツの世界遺産。この前の広場は、ベルリンっ子たちの憩いの場にもなっている。そのすぐ横に2022年、新しく生まれたのが「フンボルトフォーラム」。旧プロイセン王宮の中にある文化、芸術、学術のための複合施設で、ダーレム地区にあったアジア美術館と民族学博物館のコレクションなどが、ここに移されている。
最近では、防空壕跡を改装した「フォイエルレ コレクション」がオープン。ここでは第二次世界大戦の通信施設跡の散策や、現代と古典アジアアートに特化したデジレ・フォイエルレのプライベートコレクションが鑑賞できる。さらに2026年には「20世紀博物館」のオープンが予定されているという。
分断した東西ベルリンを統合した「テクノカルチャー」
移りゆくベルリンのカルチャーシーンの中で、とりわけ現代のベルリンを特徴づけているのが、世界のどことも違うナイトライフ。そこに欠かせない「テクノ」は今、世界中の若者の心を鷲掴みにしている。
ベルリンのテクノは90年代、壁の崩壊後に放置された東ベルリンの建物や土地の若者らによる不法占拠と、当時すでに西ベルリンに流れ込んで来ていたデトロイトテクノとの出会いから生まれたカルチャーで、若者にとっての東西統一の象徴。そして、ベルリンの「鼓動」でもある。
この春、ベルリンのテクノが「テクノカルチャー」として新たなユネスコ無形文化遺産に登録。ベルリンの世界遺産は、これで3つになった。
ベルリン観光局のルッツ・ヘンケ文化事業推進部長は、そうした常に新しいカルチャーが生まれる「自由都市ベルリン」こそのライフスタイルも体験して欲しいという。
注目イベントが目白押し! この夏のハイライトは「EURO 2024」
湿度も低く過ごしやすい夏のベルリンでは、屋外イベントが目白押し。爽やかな風に吹かれながら、人気のチョコレートショップに立ち寄ったり、食のマーケットや、リユース&アップサイクル(廃棄物に付加価値を持たせて再利用)のお店をのぞいてみたり、砂上のメトロポールでくつろいだり、人々の暮らしを体験してみるのも楽しい、と話すのは、広報部長のスザンネ・シュライバー氏だ。
もちろん、グルメも外せない。ヨーロッパ随一の経済大国ドイツの首都ベルリンでは、名物の「カリーヴルスト」のようなB級グルメから、ミシュランの星付きの本格グルメまで、様々な食体験ができる。
さらに秋以降も今年20周年を迎える「光の祭典」や「ベルリンテレビ塔55周年」といった文化や芸術関連の記念行事が多く、ベルリンを訪れる観光客を飽きさせることはない。
中でもベルリンが積極的に招致しているのがスポーツイベント。世界6大マラソンの一つに数えられている「ベルリンマラソン」は、今年で大きな節目となる第50回を数える。
そのベルリンマラソンを前に、ベルリンっ子を熱狂の渦に巻き込むのが、2024年6月14日から7月14日までドイツ12都市で開催されるUEFA欧州選手権「EURO 2024」。ホストシティーの一つであるベルリンでは、オリンピアシュタディオンでグループリーグ3試合、ラウンド16、準々決勝各1試合、そして決勝戦が行われる。
ベルリン観光局国際マーケティング部長のラルフ・オステンドルフ氏によると、本大会のスローガンは「サッカーでひとつに、ヨーロッパの中心でひとつに」。ベルリンでは、2006年にドイツで開催されたFIFAワールドカップ以降、「サッカーは観戦だけでなく、皆で祝い楽しむもの」という認識が共有されているという。
EURO2024の会期中、普段は交通量が多い6月17日通りの一角を本物の芝生で敷き詰め、ベルリンのシンボルであるブランデンブルク門の前には<世界最大のゴールポスト>が登場。この場所は、この夏限定のプレミアムな、映えるフォトスポットとして話題になりそうだ。
その周辺に設置されたファンゾーンでは、夜はパブリックビューイングが、試合がない時はコンサートやファンフェスティバルが行われ、これらはすべて無料で楽しめるという。ベルリン観光局では、20万人の来場を見込んでいる。
リベンジから価値ある体験を求める旅へ
新型コロナの「5類」移行に伴い、私たちが平常を取り戻してから迎える2度目の夏。急激な物価高騰に、円安に歯止めがかからず、なかなか海外旅行がしづらい状況ではあるが、ベルリンはロンドンやパリに比べると、同じヨーロッパにある国の首都でも物価が15%ほど安く、宿泊料金の安さも圧倒的。特に今年は五輪の開催も重なり、パリの宿泊料金は大幅に跳ね上がり、同等クラスのホテルでもベルリンと倍近い金額差になっていると、キーカー代表は言う。
夏のベルリンは無料で楽しめる野外イベントも多く、無料で入館できるミュージアムや、ベルリンカードの提示で割引が受けられる施設などもある。また、3つのオペラ座、7つのオーケストラがあるベルリンは、コンサートなどのチケットも入手しやすいという特徴もある。
欧州域内で経由し、空路でブランデンブルク空港に入れば、日数が限られた夏休みも有意義に過ごせる。また、中央アジアルートを通るイスタンブールやドーハ経由便を利用すれば、航空運賃も比較的安く抑えられる。
今、私たちに必要なのは発想の転換、従来からのスタイルにこだわらない、付加価値を考慮した新しい時代の旅探しではないだろうか?
「五輪開催で人気のパリは、高額で手が届かない…」 と、次の旅先選びでお悩みの方、
であれば、この夏はベルリンでお得に、エキサイティングな休暇はいかがだろう?
Visit Berlin
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