プラハ城の近くの小さな彫刻館

2011年12月12日 掲載

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ビーレク邸



プラハ城へと向かう道の手前角に、19世紀末から20世紀にかけて活躍した彫刻家、フランチシェク・ビーレク(1872~1941)のアトリエ兼住宅があるのをご存知だろうか。現在、この建物は改修・復元され、ビーレクの作品が展示された彫刻館となっている。

ビーレクは幼少期から芸術の才能を認められ、造形美術だけではなく音楽教育も受けた。当初は油絵を志したものの、色覚異常のためその道を断念。彫刻に活路を見出した。
プラハの美術工芸学校で学び、後にパリの美術学校へと留学。ちょうどこの時期、同じようにチェコからパリに来ていいたアルフォンス・ムハといった同郷の芸術家たちと交流を持った。その後、チェコに戻ったビーレクは、ユリウス・ゼイエルなどの名高い文学者たちと交流を深め、文学論を展開した。

1898年、南ボヘミア地方ターボル近郊の町ヒーノフに生まれたビーレクは、故郷に自身のアトリエを持ち活動。
プラハのルドルフィヌムでの展覧会で専門家に認められた。そして、1908年にロダンの弟子であるブールデルがプラハに滞在した際、ビーレクの作品を高く評価したことで、その名は一気に広まった。

ビーレクは、1911年にプラハ城近くの土地を購入し、ここに自らデザインしたアトリエ兼住宅を建て、創作活動に没頭した。これが現在のビーレク邸である。
邸内のアトリエ部分にはビーレクの作品を展示。天井は高いが、こぢんまりとした空間に大きな作品が展示され、静かな空気と雰囲気が作品のテーマを象徴しているかのような印象だ。また、住居部分に配置された家具からは、当時の生活ぶりが見て取れる。

ビーレク没後の1963年、この邸宅はプラハ市に寄贈されたが、記念館としてオープンしたのは1999年になってからのことだった。その後改修が行われ、2010年9月に再オープンした。
故郷ヒーノフのアトリエにもビーレクの作品が展示されビーレクの家として一般に公開されている。

キリスト教を基にした、神秘主義的な色合いが濃いビーレクの作品。時代の空気にそぐわないと敬遠されることもあったが、人と神との関係を深く探求することによりビーレクの彫刻作品は昇華され、今なお人々を深く感銘させている。

Bílkova Vila

開館時間

火~日 10:00~18:00

住所

Praha 6 - Hradčany, Mickiewiczova 1

ウェブサイト

http://www.praguewelcome.cz

情報提供:チェコセンター観光部

画像・動画:(C) Kateřina Severová , Právo


(写真はイメージです)

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