ハイ・ティーについて
アフタヌーン・ティーはリフレッシュメントで
ハイ・ティーはミール(食事)です。
英国では、産業革命の影響でイングランド北部の地方、
ランカシャ-やヨークシャー州はどんどん工業化され、
カトラリーで有名なシェフィールドや大きな港を持つリバプール、
マンチェスターやリーズなどが大な工場を持つようになり、
多様な生産が盛んになり多くの労働者を抱える様な地域へと変わって行きました。
このような地方は気候が寒く、ランカシャーやヨークシャーは気温が10%くらい低いので
暖かい紅茶をたっぷりと頂くのが習慣となって行きました。
特にイングランドの北部、ランカシャー州などは「ホットポット」
(子羊の肉、ジャガイモ、にんじん、小蕪などの野菜をタイム、塩、
胡椒で味付けした煮込んだ温かい食べ物)などの食べ物が有名な位、
身体を暖めるディッシュが一般的なレシピーです。
その他、スコットランドの西側の寒い地方で働く労働者や農民は
夕方18時頃ハイ・ティーを頂いて、寝る前にクッキーと紅茶程度を頂く人が多いです。
ハイ・ティーの食べ物
一般的には夕食が20時から20時30分頃ですので、
彼らにとっては遅すぎる夕食になりますので18時頃ハイ・ティーをとります。
それは、薄くスライスしたコンポスト・ブレッド(ブラウン・ブレッド)に
パターをつけたものと、冷たい魚や、肉類、例えばハムやチキンに
野菜(ハム・サラダ、チキン・サラダ)と甘いお菓子、そして沢山の紅茶を頂きます。
これがハイ・ティーです。
英国人でもこの地方に住んでいらっしゃる方々は、
アフタヌーン・ティーとハイ・ティーとの区別がつかない方もいらっしゃいます。
ハイ・ティーのカトラリー
正式のアフタヌーン・ティーはティー用のナイフのみを使います。
これは一般の食事用のナイフよりやや小ぶりのものです。
「キング」、「クイーン」などの気品のある模様のシルバー製品が基本です。
よほどぬれたお菓子などが出ない限りフォークは使いません。
但し、ハイ・ティーの時は立派な食事ですから
正式のディナーと同じようなサイズのナイフとフォークが使われます。
つまりアフタヌーン・ティーの場合の様な小さなナイフ、フォークを使うのは間違いです。
ハイ・ティーのクロス類
あくまでも食事ですから、ディナー用のナフキンと同じサイズの50cm四方が基本です。
略式の食事ですから、テーブル・マットを使ってもかまいません。
その他
アフタヌーン・ティーはコミュニケーションの場であり、
おしゃれをする場であり、礼儀作法を学ぶ場でもあります。
しかし、英国人にとってアフタヌーン・ティーは「食」の生活の中での大切な習慣であり、
ヴィクトリア朝時代からの伝統あるライフスタイルです。
この優雅なアフタヌーンティーは昼間の正式な服装が礼儀として要求されますが、
ハイ・ティーはそのような事はありません。
作:長谷川洋子
英国センター
http://www.britain-centre.co.jp