バラ薫るトルコ西地中海地方への旅

2015年05月25日 掲載

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トルコ西地中海地方のプレゼンテーションを行う
トルコ共和国大使館・文化広報参事官室の大森氏


都内有数のバラの名所として知られる鳩山会館(東京都文京区)で先日、トルコの西地中海地方を紹介する観光セミナーが開催されましたので、今回はその内容を一部ご紹介しましょう。

世界屈指のリゾート地、アンタルヤ


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(C)West Mediterranean Development Agency


「アンタルヤ」「ウスパルタ」「ブルドゥル」からなるトルコ西地中海地方は、世界屈指の観光地。中でも同地方最大のアンタルヤは、なんと世界の訪問都市ランキング3位! 年間1,100万人もの外国人が訪れる一大リゾートです。

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(C)West Mediterranean Development Agency


アンタルヤは、暮らしやすさランキング2位(CNBC-e Business)に選ばれている他、TUI調査による「世界トップ100ホテル」では、このアンタルヤにある21のホテルがランキングされています。

そうしたこともあってか、世界各地のプロのスポーツチームが、合宿地に選んだりする土地としても知られています。

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(C)West Mediterranean Development Agency


さらに42におよぶ古代都市遺跡、トルコに計40あるうち5つの国立公園を有し、ピアノやジャズ、アートなど国際的な文化イベントやスポーツイベントも、年間を通じて多数開催。2016年の花博「アンタルヤ国際園芸博覧会」の開催地でもあります。


最高級のバラの産地、ウスパルタ


そんなアンタルヤの北110キロに位置するウスパルタは、最高級のバラ「ダマスクローズ」の産地としてよく知られています。

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(C)West Mediterranean Development Agency


キリスト教の国々では、バラは「ビーナスの象徴」としてお馴染みですが、イスラム圏では「予言者ムハンマドの象徴」として、ずっと大切にされてきました。トルコではまた、聖母マリアを「棘の無いバラ」と呼び、幼い子どもを愛情を込めて「一株のバラ」と例えることもあるそうです。

オスマン朝時代には、バラは頭痛緩和や胃腸障害の改善といった医療にも用いられていました。

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(C)West Mediterranean Development Agency


暮らしやすさランキングで3位に位置づけているこのウスパルタでは、世界のローズオイル生産量の60%が製造されているのをご存じでしょうか。

この町には4,600エーカーの農場に6,900の生産者がおり、ローズプロダクトが7,000トン、ローズオイルが1,000キロ、そして158トンのローズウォーターを市場に送り出しています。

バラのコスメ

ローズウォーターを販売する「ローゼンセ」は、トルコやヨーロッパのセレブ御用達の人気ブランド。日本でも薬事法に基づいた品質チェックを定期的に行われているブランドで、イスタンブールのバザールや街中でも手軽に購入できることから、お土産にもお勧めです。

バラをモチーフにした小物

ウスパルタ周辺では、こうしたバラのコスメ以外にも、バラをモチーフにした伝統的な置物やアクセサリー、小物などもたくさん作られています。上の写真の瓢箪のような形をした水色の置物は、ズッキーニ(かぼちゃ)を用いて作られています。

バラは「愛」と「平和」を意味しますが、こういう花言葉が生まれのも17世紀のトルコでした。
とにかくトルコの人はバラの花が大好きで、愛する人にバラを贈るという習慣はかなり昔からあったそうです。

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(C)West Mediterranean Development Agency


ウスパルタはまた、バラだけでなくその豊かな自然でも良く知られています。
「エーイディル湖」は、アンタルヤから186キロの海抜917メートルに場所にあるトルコで4番目に大きい湖で、その面積は482平方キロメートルに及びます。

ビシディアのアンティオキア(アンタキヤ)は、初期キリスト教の理論家でもあり、新約聖書の著者でもある聖パウロが、布教活動を行った都市で、聖パウロがビシディアからアンティオキアへの伝道旅行で通過した「エビグラフィック渓谷」は、クリスチャンにとっての聖なる場所の一つとなっています。

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(C)West Mediterranean Development Agency


世界で最もフレッシュな呼吸ができる、と言われているのが「クズルダー国立公園」。一方「コワダ国立公園」は、多様な樹木からなる自然の植物相で、赤松からエッセンシャルオイル、野生のオリーブからテレビン油などが採取されています。

その他にも、このウスパルタにはダヴラズ山やデデギョル山、プーリーオークウッドの森、ダンジョン洞窟、プナルギョス洞窟などの見どころも多く集まっています。


トルコ湖水地方の町、ブルドゥル


ウスパルタの西25キロに位置するブルドゥルは、絨毯やキリムで有名な町ですが、美しい湖が集まるトルコの湖水地方の町でもあります。「サルダ湖」は、世界屈指の透明度を誇ります。

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(C)West Mediterranean Development Agency


ブルドゥルはまた、太陽光発電にとって最良の立地と言われ、ここで採掘される「ブルドゥルベージュ」は、大理石セクターでは世界的に有名なブランドでもあります。

年間の生乳生産量が30万トン。自然・歴史の美しさを活かしたエコツーリズムや、カルチャーツーリズムが楽しめる町で、20のツーリズムライセンス施設を有します。

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(C)West Mediterranean Development Agency


このブルドゥルには、トルコ最長の洞窟「インスユ」があります。長さは597メートル(測定距離8,350メートル)で、洞窟内の水は糖尿病にも効果が確認されています。

9,000年の歴史を持つブルドゥルは、牧畜や農業を通じて人類の定住が始まったとされるピシディア地方でもあります。
エイルディル湖の南西、アーラスン山(西トロス山脈)の南麓、標高1,450~1,700メートルにある「サガラッソス」は、現在も発掘が続けられている大遺跡。ヒッタイト文書にも登場するなど、ヘレニズム時代よりもさらに古くから栄えた古代都市でした。

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(C)West Mediterranean Development Agency


アレキサンダー大王の征服後、紀元前1世紀後半にローマ領となり、帝政ローマ時代。五賢帝時代に最盛期を迎えました。この遺跡には、保存状態の良いヘレニズム時代、ローマ時代の建築物が残り、ユネスコ世界遺産の暫定リストに登録されています。

また近年は、ニンフェウムを造らせたマルクス・アウレリウス帝の大理石像の発見でも、世界的に話題となりました。その他にもブルドゥルには、標高1,000メートルを超える場所にある「キビラ」など、遺跡マニアにはたまらない見どころも充実しています。

山あり、ビーチあり、湖あり、バラあり、洞窟あり、遺跡あり…
トルコの魅力がびっしりと凝縮された西地中海地方を、皆さんも旅してみませんか?


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