平和を祈るクリスマス聖歌『きよしこの夜』

2016年12月25日 掲載

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オーストリアのザルツブルク郊外にあるオーベルンドルフという小さな村で生まれたクリスマス聖歌『きよしこの夜』。この曲が村の小さな礼拝堂で披露されたのは、ナポレオン戦争でヨーロッパが疲弊していた1818年のことです。
今からちょうど200年前の1816年、クリスマスイブに村人たちへ歌をプレゼントしたいと考えたヨーゼフ・モールという若い神父が作詞し、友人でオルガン奏者であったグルーバーが作曲しました。

ですが、伴奏はオルガンではなくギター。それは、この年のイブの少し前に起きた洪水により、教会のオルガンが流されてしまい、ギター伴奏の曲へと書き換えざるを得なくなったからだそうです。
そうして生まれた『きよしこの夜』は、日本では3番までが歌われていますが、実は6番まであります。その4番目には「人類はみな兄弟」という言葉があります。

第一次世界大戦が始まり最初のクリスマスを迎えた1914年、ドイツ軍との戦いでベルギーとフランスの国境戦線にいた英仏軍が、ドイツ側の塹壕から流れてきたこの曲を耳にしたドイツ軍兵士らがクリスマス・キャンドルを灯したことに感銘を受け、英仏軍が停戦命令を出して戦地にわずからながらの「クリスマス休戦」がもたらされたことから、「平和を訴えかけるメッセージ」としても知られています。

国内に数々の問題を抱えつつも、まだまだ平和な日本。でも、多くの人が「歴史の中の出来事」と思っている戦争は、テロの脅威という形にも姿を変え、再び私たちの身近に迫ってきています。皆さまもその旋律に耳を傾けながら、平和を祈りつつ、心穏やかなクリスマスをお過ごしください。

(取材協力:ザルツブルク市観光局/フィンエアー/レイルヨーロッパジャパン)

画像・動画:: 当編集部 撮影


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