シュタイヤーのクリストキンドル郵便局

2017年12月22日 掲載

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - シュタイヤーのクリストキンドル郵便局
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed


クリスマス前に臨時開設される特別郵便局は世界に数あるが、オーストリアにも美しいクリスマス切手を発行している「クリスマス郵便局」がある。シュタイヤーの「クリストキンドル」という町にあるこの郵便局では、毎年この時期になると世界各国から送られてくる大量のクリスマスカードの処理で大わらわ。その数は近年、200万通を超えている。

1950年に開設された「クリストキンドル・クリスマス特別郵便局」。その由来をたどれば、なぜこの町がドイツ語で「クリストキント=幼いキリスト」を意味するクリストキンドルと名付けられたのかがわかる。


Steyrer_Christkindl_im_Postamt__c__Leutner

(c) Leutner



今よりも人々がずっと信心深かった17世紀頃、シュタイヤーの町に指揮者で消防士のフェルディナンド・セントルという人物が住んでいた。彼は持病のてんかんの発作に苦しみながら、人里離れた小さな森の中で暮らしていた。

セントルはとても信仰深く、トウヒの木の幹に聖家族の絵を飾り、いつもその前で礼拝をし、健康の回復を願っていた。そして、1695年頃にシュタイヤー修道院のシスターから、鑞でできた幼いキリストの像を買ったセントルは、それをトウヒの木の中に納めた。


Wachsjesukind_Christkindl__c_TVB_Steyr

(c) Tourismusverband Steyr



その後、セントルは毎週その木の元で礼拝を行ない、自分が行けない時には妻をかわりに行かせ。すると不思議なことに発作の回数が次第に減り、ついにはまったく起らなくなった。この出来事は周辺のあらゆる人々に知られることとなり、多くの人々がこの聖像を拝みにくるようになった。そして、このトウヒの木の回りに1699年、木造の礼拝堂が建てられた。

ますます多くの人がこの場所で拝みに訪れるのを見たガルステンの大修道院長は、パッサウの司教にそこに教会を建てる必要があることを申し出た。その結果、1708年の4月16日に建築許可が下り、翌月の5月31日に教会の礎が築かれた。建築には、カルロ・アントニオ・カルロネ、あるいは彼の弟であるジョヴァンニ・バティスタ・カルロネが着手したと言われている。


Wallfahrtskirche_Christkindl__c_TVB_Steyr_Meidl

(c) Tourismusverband Steyr / Meidl



そして、メルクの修道院で有名なオーストリアのバロック建築家として名高いヤコブ・プランタウアーが教会を完成させ、司祭館を建てた。今日では、祭壇のまん中にかつてのトウヒの木が置かれ、後ろに雲の合間を飛び回る美しい天使が描かれた。祭壇の聖櫃は地球をかたどり、それぞれの大陸が浮き彫りになっている。

多くの人々が礼拝に訪れるこの地に、クリスマス特別郵便局「ゾンダーポストアムト・クリストキンドル」が開設されたのは1950年のことである。


Postamt_Christkindl__c_TVB_Steyr_

(c) Tourismusverband Steyr



特別郵便局のスタンプを希望する場合は、受取人の住所と氏名を書いたカードや手紙に、郵便局で販売されている「国際返信切手券」を2枚(1枚150円)用意し、それを同封して下記へ送付。すると、特別スタンプが押され郵送されてくる。

Sonderpostamt Christkindl

開局期間

2017年11月29日~2018年1月6日

住所

A-4411 Steyr, Austria

ウェブサイト

http://www.christkindl.at

情報提供:オーストリア政府観光局


(写真はイメージです)

関連記事

    None Found

新着記事


このページの先頭へ