ウィーンのグレッツェルに恋する ~ ウィーン市観光局が2024年のテーマを発表

2023年11月30日 掲載

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複数の通りから構成される市街地の小さな単位をウィーンでは「グレッツェル(Grätzel)」と呼びぶ。「周辺」を意味する古語「ゲライツ(Gereiz)」に由来する呼び名で、そのグレッツェルの多くは現在のウィーン1区、旧市街周辺に形成された集落から発展した。ウィーンのグレッツェルは、他と比べてそのほとんどが正式な境界線がなく、始まりも終わりも存在しない。


graetzel kutschkermarkt

© WienTourismus/Paul Bauer



ウィーンのグレッツェルは、人との出会いの場。こうした繋がりは住民だけのものではなく、人々の生活を垣間見ながら、生粋のウィーンっ子気分でウィーン滞在が楽しめる。



個性豊かなウィーンのグレッツェル11
(アルファベット順)


フライハウスフィアテル/Freihausviertel(4区)– クリエイティブで都会的な街


落ち着いた店やレストランが軒を連ねるフライハウスフィアテル。ナッシュマルクトに隣接するこのエリアは、クリエイティブな人々が集まるグレッツェルで、モダンなギャラリーや流行の最先端を行くショップが並ぶシュライフミュールガッセ通りは、特に多くの人で賑わう。


freihausviertel

© WienTourismus/ Mafalda Rakoš



中でも名店と言われる「カフェ・アンツェングルーバー」や、生粋のウィーンっ子であるシュテファニー・ヘルクナーが腕を振るう「ツァ・ヘルクナーリン」も必訪だ。また、地区内にある『第三の男』のミュージアムでは、映画の世界が堪能できる。毎年6月末に「フライハウスフィアテル・フェスト」と呼ばれる有名なお祭りが開催されている。



グスハウスフィアテル/Gußhausviertel&カールスプラッツ広場/Karlsplatz(4区)– グリュンダーツァイト(創設者の時代)とウィーンの歴史


2023年12月6日に装いも新たにオープンする「ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ本館」と、カール教会を中心とするグスハウスフィアテルは、グリュンダーツァイト建築が数多く残る地区。その名は、1750年に建設された大砲鋳造所(グスハウス)に由来し、その跡地にはウィーン工科大学のキャンパスがある。


Gusshausviertel

© WienTourismus/Daniel Gebhart de Koekkoek



国際色豊かな料理を提供する「Z’SOM」や、伝統的なウィーン料理が堪能できるガストハウス「ブフエッカー&ゾーン」など、食の魅力も満載のグレッツェル。



カルメリーターフィアテル/Karmeliterviertel(2区)– 粋とコーシャ料理


今も多くのユダヤ人が暮らし、街のあちこちに彼らの歴史が息づく活気溢れる地区。その中心にある「カルメリーター市場」には、さまざまな食材が並んでいる。


karmeliterviertel

© WienTourismus/Erli Grünzweil



周辺には、オーガニックなオリエンタル地中海料理を提供する「テワ」、カクテルに合う冷菜に、ウィーンでも指折りのシュニッツェルが楽しめる「スコピック&ローン」などが軒を連ねている。異色の「犯罪博物館」、ゆったりとした時間が流れるバロック庭園「アウガルテン」もおすすめだ。



クッチュカーマルクト/Kutschkermarkt(18区)– 高級食材とオーガニック志向


ウィーンに残る数少ない路上市場のひとつ。土曜日には常設露店に加え、フルーツや魚など、オーガニック食材を中心に地元の特産物を集めたファーマーズマーケットも開かれる。市場の先には環境に優しい歩行者専用の緑道があり、家族連れにも人気がある。


kutschkermarkt

© WienTourismus/Paul Bauer



レストランを併設した露店「アトランティスフィッシュ」や、通りの賑わいが眺められる「カフェ・ヒンメルブラウ」は外せない。2023年9月初旬にオープンした新たなレストラン「クッチュカーマルクト」も要チェック。



マイドリンガーマルクト/Meidlinger Markt(12区)– 素朴な魅力


クッチュカーマルクトとは対極にあるマルクト。本当のウィーンの姿が垣間見られるこの市場には、伝統的なマーケットに加え、街の雰囲気からインスピレーションを受けたオリエンタルなウィーン料理を提供する「ヴィルトシャフト・アム・マルクト」などのレストランが軒を連ねている。
「シェーンブルン宮殿」への道中にあるため、観光の合間の休憩にもおすすめだ。


meidlinger-markt

© WienTourismus/Mafia Mashi




ゼーシュタット/Seestadt(22区)– 湖畔のユートピア


整備が進む、ドナウ川沿いのグレッツェル。イベントホールのアリアナに隣接し、木造建築としては世界第2位の高さを誇る84メートルの高層ビル「ホーホーウィーン」の存在でも知られている。

また「カフェ・レオ」や「ゼー22」といったグルメスポットも充実。本の配達も自転車で行う、環境に優しい本屋「ゼーザイテン」では、店主から様々なアドバイスもしてもらえる。



セルヴィーテンフィアテル/Servitenviertel(9区)– リトル・パリ


「ジークムント・フロイト博物館」に程近い、フランスの雰囲気漂う美しい地区。その中心を走るセルヴィーテンガッセ通りは現在、歩行者専用の緑道としての整備が進められている。

保存状態の良い歴史的集合住宅の1階にはビアガーデンや、フレンチスタイルの居酒屋があり、ボン・ヴィヴァン(美食家)たちをうならせている。


servitengasse

© WienTourismus/Paul Bauer




ゾンヴェントフィアテル/Sonnwendviertel & クアルティア・ベルヴェデーレ/Quartier Belvedere(10区)– 都市開発エリア


都市開発が急ピッチで進む、ウィーン中央駅にほど近い、現代の都市生活に必要なものがすべて揃う住宅街。広さ70,000平米の緑豊かな「ヘルムート・ツィルク公園」を中心に、ベジタリアン料理を提供する「ミミ・イム・シュタットエレファント」や、地元の食材を販売する「ビオ・ミオ」など、食にまつわるスポットが点在する。


sonnwendviertel

© WienTourismus/Evelyn Dragan



駅の反対側に建つ近代建築「クアルティア・ベルヴェデーレ」は圧巻。パリの「ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター」などを建築した著名なイタリアの建築家レンゾ・ピアノの「ベルヴェデーレ・パークアパートメント」も見どころとなっている。世界的に有名な美術館「ベルヴェデーレ宮殿」から派生した現代美術館「ベルヴェデーレ21」へも、足を延ばしてみたい。



シュピッテルベルク/Spittelberg(7区)– ビーダーマイヤー様式のサンクチュアリ


車両進入禁止のビーダーマイヤー地区と、ウィーンで最も有名なクリスマスマーケットで有名な地区。
「ミュージアムクォーター」や「フォルクス劇場」のすぐ裏手にあり、ロマンティックな通りに可愛らしい家や飲食店が軒を連ねている。


spittelberg

© WienTourismus/Gregor Hofbauer



ミシュランスターシェフのパウル・イヴィッチが腕を振るうレストラン「ティアン」の姉妹店となる「ティアン・ビストロ」や、華々しい受賞歴を誇るシェフ、パルヴィン・ラザヴィのレストラン「&フローラ」といった名店もある。

マリアヒルファー通りは、ウィーン最大のショッピングストリートには、2025年春のオープンを目指し、オーストリア出身のハリウッド女優兼発明家であるヘディ・ラマーの名を冠した高級デパート「ラマー」の建設も進行中だ。



シュトゥヴァーフィアテル/Stuwerviertel & プラーター/Prater(2区)
– 素顔のウィーン


かつての売春地区は現在、「フォアガルテンマルクト」をはじめ、「モチ・アム・マルクト」「ブレーズル」といったレストランが軒を連ねる、モダンな地区へと変貌。メッセウィーンの近く、アウスシュテルングス通りの向かいには、かの有名な「プラーター公園」もある。

2024年3月には「プラーター博物館」がリニューアルオープンを予定。「緑のプラーター」の愛称で親しまれる公園には、ゆったりとした時間が流れている。


AT2311 Stuwerviertel

© WienTourismus/Paul Bauer




イッペンフィアテル/Yppenviertel(16区)– 東と西が合う場所


ウィーンで最もカラフルな、飲食店が軒を連ねるエリア。ブルンネンパサージュでは、年間400を超えるアートイベントが開催され、ウィーン最大級の路上市場には、170以上の露店が並ぶ。

トルコ系の屋台や店が多いオリエント色の濃いこの地区には、シリアの軽食バーやアフリカの肉屋、ウィーンのデリなどがあり、国際都市の息吹が感じられるグレッツェルと言える。


AT2311 yppenviertel

© WienTourismus/Paul Bauer


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