ブルノの世界遺産「トゥーゲントハット邸」
ブルノのチェルナー・ポレ地区にある世界遺産「トゥーゲントハット邸」は、現代住宅建築の原点とみなされている近代建築の傑作だ。偉大なるドイツ人の建築家ミース・ファン・デル・ローエが手がけた邸宅で、世界4大邸宅建築の一つに数えられている。
この邸宅の依頼主は、ブルノの繊維業で財をなした裕福なグレーテとフリッツのトゥーゲントハット夫妻。傾斜地に建設された3層構造の邸宅からは、ブルノ旧市街の極上の景観が望める。
時代を超越したデザインで、竣工当初より世間に大きな衝撃を与えた邸宅であったが、ここに夫妻が居住したのはわずかに8年。夫妻がユダヤ系であったことから、ナチス・ドイツの迫害から逃れるため外国へ逃亡し、その後は戻ってくることがなかった。第二次世界大戦中はゲシュタポが邸宅を接収。戦後は、チェコスロヴァキアの国有となった。
そうした邸宅とその所有者をめぐる激動の物語に触発された一人が、作家のサイモン・モウアーだ。彼が執筆した『ガラスの家』は、高く評価された。
この邸宅のあるブルノは、チェコのモラヴィア地方の中心都市。旧刑務所の個性的な地下見学ツアーのある「シュピルベルク城」や、中欧の宗教建築を代表する傑作「聖ペトル/聖パヴェル大聖堂」の2つの文化遺産も必見である。
Vila Tugendhat
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(動画はイメージです)
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