ビールをテーマに新たな魅力を発見! 北東バイエルンの旅
北バイエルンの真珠「フランケン地方」
フランケン地方は、南ドイツにあるバイエルン州の北端、ライン川の本流から東へW字型を描くように流れるマイン川に沿いに広がる丘陵地帯にある。その歴史は、東フランク王国が支配した中世前期(9世紀)にまで遡り、中世の町並み、ルネサンスを体現した壮大な城や城塞、司教領主の遺産、侯爵たちの華やかな足跡を今に伝える、歴史と文化に溢れる地域である。
このフランケン地方は、「ボックステイル」という緑色をした楕円形のボトルに入ったワインの産地として、日本でもよく知られているが、今回は「ビール」と「川」がテーマ。プレゼンテーションと並行する形で、和食ともペアリングが楽しめるフランケン地方のビールを紹介し、これまでと違った切り口で同地域の魅力を訴求した。
「ビール」をテーマに楽しむフランケン地方
フランケン地方の中心都市はニュルンベルク。ドイツ・ルネサンス期の画家アルブレヒト・デューラーが生まれたこの町は《世界で最も有名なクリスマスマーケット》の開催地として、またビールとの相性も抜群!の、マジョラムが香る人差し指大の名物ソーセージ《ニュルンベルガー》でも、よく知られる町。
そのニュルンベルクの北東に位置するバイロイトは、世界遺産にも登録されている壮麗な「辺境伯歌劇場」や、ワーグナーの「祝祭音楽祭」の開催地として世界的に有名で、音楽祭の会期中には世界各地からワーグナー愛好家の「ワグネリアン」が、津波のようにこの小さな町に押し寄せる。
そうしたプロイセン王家の辺境伯が建設した歴史的な町バイロイトも、フランケン観光局のヨルク・ヘンチェル氏によると、知る人ぞ知る「ビールの町」なのだという。
同氏がお勧めするのが「ビール博物館」。ここは1887年に創業した「マイゼル醸造所」の建物を利用した、ギネスにも認定された《世界最大のビール博物館》で、ビールの歴史や醸造工程が学べるだけでなく、100種類以上のビールが飲めるレストランも併設されている。
フランクフルト、ニュルンベルク、ミュンヘンの3空港からアクセスできるフランケン地方は、南北およそ400キロを結ぶ人気の「ロマンチック街道」や、70もの城や宮殿が集まる「古城街道」の通り道になっている。
フランクフルト空港からのアクセスが最も良いヴュルツブルクは、「ロマンチック街道」の北側の起点となる町。世界遺産に登録された「ヴュルツブルク司教館」、通称「レジデンツ」の存在であまりにも有名な町だが、ヘンチェル氏はこの町の近くにあるアシャッフェンブルクと、ミルテンベルクにも、ぜひ足を延ばしてみて欲しいと提案する。
アシャッフェンブルクは、絵画のような美しさを持つ「塔の町」。町のシンボルでもある「ヨハニスベルク城」からは、ライン川とぶどう畑の牧歌的な風景が眼下に広がっている。
一方、ミルテンベルクは水辺に開けた木組みの家並みが美しい、《マイン川の真珠》と讃えられる町。「クアフランケン」と呼ばれる自然豊かな地域の中心にあり、その歴史地区にはライン・マイン地域で最も古い醸造所「ファウスト・ビール醸造所」がある。
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