ビールをテーマに新たな魅力を発見! 北東バイエルンの旅
夏のビール祭り「アナフェスト」
1516年、フォルヒハイムの近くの町に聖母マリアの母、聖アンナに礼拝堂が奉献された。以来、その礼拝堂を訪れた巡礼者たちは、帰りにケラーヴァルトに立ち寄り、食事を持って待っていた家族と落ちあい、程よく冷えたケラーのビールを飲み、旅の疲れを癒やしていた。
狩猟が盛んな「森の国ドイツ」では中世、町の防衛のために市民自警団が組織され、6月から夏にかけてその腕を競う射撃祭が伝統的に行われている。その規模では、ハノーファーの射撃祭が有名だが、フォルヒハイムでも聖アンナに捧げる射撃祭が行われており、町で最古の王立射撃協会は1840年に、その射撃の場をケラーヴァルトへと移した。
これらが相まって誕生したのが、毎年7月下旬にケラーヴァルトで開催されているビール祭り「アナフェスト」だ。
50万人を動員する「アナフェスト」には、23の歴史的ビアケラーに加え、フランケン地方にある14の醸造所も参加。60を超えるアトラクションが登場し、6つの音楽ステージも楽しめる。
もちろん、フランケン地方の名物料理や各国の料理も味わえるというので、ぜひ旅の計画に加えてみたい。このお祭りのために造られる「アナフェストビール」も、爽やかな木陰で味わえば、その味わいは格別だ。
1840年から続く「アナフェスト」は、毎年7月26日(聖アンナの祭日)をはさむ11日間にわたり開催(2025年は7月25日~8月4日の開催予定)されている。
長めに滞在して心ゆくまで旅を楽しむ
今回のセミナーには、ハブ空港のイスタンブールとドイツ11都市を結ぶ、ターキッシュ エアラインズもパートナーとして参加した。
日本支社・旅客営業本部長の堀直美氏は、ウクライナ問題の影響を受けない飛行ルートが取れるイスタンブールは、「日本から最も飛行時間の短いヨーロッパの拠点」であると、利便性の高さをアピールした。同社は、フランケン地方の玄関口であるニュルンベルクとイスタンブールを1日3往復、2時間55分で結んでいる。
世界的なパンデミックが終息し、世界各地でオーバーツーリズムが問題視されるようになった。そうした中、特に被害が多い国や地域では、外国人観光局を主たるターゲットにした観光税を導入したりしているが、ドイツ観光局 日本支局 広報マネージャーの大畑氏によると、ドイツではそうした動きは見られないという。
この夏、現地でバイエルン州内のオーバーツーリズムに関する報道があったが、そのエリアはかなり限定的で、発生が見られるのは超繁忙期。もともと国際的な見本市やイベントの経験が豊富なドイツは、効率の良い交通インフラが整備され、都市間の移動、観光地へのアクセスはスムーズに行える。ホテルを含む観光インフラも整っているので、ほんの少しピークを外すだけで、快適に旅が楽しめる。今回ご紹介したエリアでは、移動手段にリバークルーズも選べる。
観光客が減る閑散期は、そこに暮らす人々の素顔が見られる季節でもある。
状況が許すようであれば時期をずらし、浮いた予算分で旅行期間を長めに設定。時間と気持ちにゆとりをもって、北東バイエルンの伝統や文化を、心ゆくまで楽しんでみてはいかがだろうか。
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