ハロウィーン発祥の地、アイルランド
世界に広まる古代アイルランドの伝統
古代アイルランドでは、現世と来世を分ける境界が弱まる時を「サウィン」と捉え、墓場から甦った死者の魂は、地方をさまよって生家に帰ると信じられていた。死者の魂は、幽霊や妖精、ゴブリン、悪魔などの姿をしており、彼らが家に戻ってきた時に機嫌を損ねないよう、人々は食べ物や飲み物を出し、自らも不気味な仮装をして身を隠した。
後にアイルランドにキリスト教が伝わり、それが何らかの形で数々の超自然的思想と共存する形で後世へと受け継がれた。そして、過去2世紀にわたるアイルランド系移民の広がりとともに、このハロウィーンの風習がアメリカに伝わり、世界的なお祭りへと発展。近年は日本でも、ハロウィーンはあらゆる年齢層に受入れられている。
現代アイルランドのハロウィーン
ハロウィーンは、現代もアイルランドの各地でお祝いされている。子どもたちは何週間も前からハロウィーンの仮装やゲームの準備し、当日は夕食でフルーツケーキのような伝統的なパン「バーンブラック」を切り分けて食し、出てきたアイテムでその人の運勢を占う。また、家族揃って伝統的なゲームや読み聞かせを楽しみ、多くのコミュニティでは冬の暗い夜に大規模な焚き火を行っている。
伝統的なハロウィーンゲーム
水に浮かべたりんごを口だけで取り出す「アップル・ボビング」や、糸でつるしたりんごを口だけで取る「スナップ・アップル」など、りんごを使ったゲームが人気。
アイルランドの妖精・幽霊
長きにわたり、異世界の生き物たちと関連づけられてきたハロウィーン。夜、外に出ると妖精に連れ去られてしまう… アイルランドでは、そんな話が昔から語り継がれてきた。
アイルランド大使館の公式XとInstagramでは、数ある話の中から「ウォーター・ホース」「首なし馬車」「シー」「バンシー」「プーカ」をアニメーション動画で紹介している。
伝統的なハロウィーン料理「バーンブラック」
バーンブラックは、指輪、硬貨、布切れなど様々なものを中に仕込んで焼き上げた、ハロウィーンに欠かせないアイルランドの伝統的なお菓子(フルーツケーキ)。切り分けて食べた時に出てきたアイテムで、その人の運勢を占う。
アイルランド国内の主なハロウィーンイベント
ハロウィーン発祥の地、アイルランドでは、古代ケルトの伝統、人の死を察して悲嘆の声を上げるバンシー、幽霊による怪奇現象、いたずら、お菓子、フェスティバルの数々など、ゾクゾクするような楽しいイベントが目白押し。2024年の開催日程は、以下の通り。
ブラム・ストーカー・フェスティバル
Bram Stoker Festival, Dublin Castle
開催日 | 2024年10月25~28日 |
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開催地 | ダブリン |
ウェブサイト |
デリー・ハロウィーン
Derry Halloween
開催日 | 2024年10月28~31日 |
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開催地 | 北アイルランド・デリー |
ウェブサイト |
プーカ・フェスティバル
Púca Festival
開催日 | 2024年10月31日~11月3日 |
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開催地 | ミーズ県 |
ウェブサイト |
『アイルランド島は、ハロウィーンシーズンに訪れたい魅力的な場所』と、デミアン・コール駐日アイルランド大使も手招きをしている。「ハロウィーン発祥の地」アイルランドからハッピー・ハロウィーン!