イタリア政府観光局、マルケージ財団とイタリアの食文化をアピール ~ 『第3回イタリア料理週間』で
イタリア政府観光局(ENIT)は、2018年を『イタリア食の年』と位置づけ、セミナーやSNSなどを通じて様々な活動を展開しているが、さらなる「食を通じた旅」の促進を図るため、2018年11月19日から25日まで行われた『日本におけるイタリア料理週間』に関連し、翌26日にイタリア文化会館にて「新イタリア料理」の父と呼ばれるグアルティエロ・マルケージ氏の料理哲学や人物像を描いたドキュメンタリー映画を上映した。
その後、農林食糧政策および観光省、ロンバルディア州などの後援を受け、都内の高級レストラン「ブルガリレストラン・ルカファンティン」でグアルティエロ・マルケージ財団と共催したレセプションでは、同氏を代表する「黄金のリゾット」をはじめとする料理の数々を振る舞い、各方面から集められた120名の心をイタリアへと誘った。
イベントの冒頭でジョルジョ・スタラーチェ駐日イタリア大使は、マルケージ氏の料理を「アートから素材までイタリアのすべてが凝縮されている」と紹介。また、イタリア政府観光局の三浦真樹子氏も「ツーリズムにおいて『食』は重要なテーマ。旅を通じてイタリアの味覚をたくさん楽しんで欲しい」と呼びかけた。また、テレビでおなじみの服部幸應氏も来賓として挨拶し、マルケージ氏との想い出を語った。
グアルティエロ・マルケージ・グレート・イタリアン
グアルティエロ・マルケージ氏は、圧倒的な感性と味覚で伝統的なイタリア料理に変革をもたらし、「新イタリア料理(=Nuova Cucina Italiana)」の礎を築いたイタリア料理界の巨匠である。1970年代にミラノにレストランをオープンし、1985年にイタリアで初めてミシュラン3ッ星を獲得するなど、伝統的なイタリア料理を世界レベルへと押し上げた。世界各国から客を迎える名店のイタリアンシェフには、同氏を師と仰ぐ人物も少なくない。
『グアルティエロ・マルケージ・グレート・イタリアン ワールドツアー 2018-2019』は、グアルティエロ・マルケージ財団が2017年12月に永眠(享年87歳)したマルケージ氏思想芸術を祝すワールドツアーイベントで、シカゴを皮切りに、ニューヨーク、香港、北京を経て東京で開催。この後、パリ、ロンドン、ベルリン、モスクワを巡り、2019年3月にミラノでフィナーレを迎える。
日本における『世界イタリア料理週間』
2018年に第3回を迎えた『世界イタリア料理週間』は、イタリア外務・国際協力省、農業・食糧・林業政策・観光省、教育・大学・研究省、経済開発省が、イタリアの食文化のさらなる普及を目的に共同で進めているプロジェクト。期間中は40を越える企画で構成され、ワインとガストロノミーを合わせたイタリアでの美食体験「エノガストロノミー」を多角的に紹介する。
日本でも在日イタリア大使館を中心に、在大阪イタリア総領事館、イタリア文化会館(東京・大阪)、イタリア大使館貿易促進部、イタリア観光促進部(イタリア政府観光局)、在日イタリア商工会議所、イタリア料理協会、日本イタリア料理協会、そしてイタリアの企業が一体となって精力的に展開している。
2018年の会期は、11月19日から25日を中心とする前後数週間。この『第3回イタリア料理週間』に際し、イタリア政府観光局でも、渋谷駅と東急線内で「イタリア食の旅」ビデオ広告キャンペーンを放映したほか、世界料理週間に向け在日イタリア商工会議所と協力して9月から「インスタキャンペーン」を展開した。
さらに旅行業界向けには、イタリアから来日したワイナリーやアグリツーリズム業者5社によるテイスティングや工場見学、および宿泊施設などの旅行素材を紹介する「イタリア―旅と美食セミナー」を、一般消費者向けに同局のスタッフがイタリアの豊かな食をアピールする「カフェ・アペリティーボ」を実施、「沖縄旅フェスタ2018」にブース出展し『世界イタリア料理週間』や「食の旅」をPRした。
同局ではまた、イタリア旅行で味わいたい地方料理や特産品、食イベントを20州毎に紹介するパンフレット『美味しいイタリア食の旅』を増刷。このパンフレットは無料で配布されているので、ぜひ入手して次ぎのイタリア旅行の計画に役立ててみたい。ボナペティート!
巨匠グアルティエロ・マルケージが描いた「新イタリア料理」の世界