シーズンを迎えた南ポーランドの幻のチーズ「オスツィペク」を食す
「オスツィペク」は、2008年にEUの原産地呼称保護(PDO)商品として登録された、ポーランド南部のポトハレ地⽅に伝わる秘伝のチーズ。⾼塩分の⽔「ソランカ」に浸した後、スモークをして仕上げられることから長期保存が可能なチーズである。
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スモークされた「オスツィペク」は長期保存が可能
当編集部撮影
このチーズの原材料は羊のミルク。似たようなチーズを街中で目にすることがあるが、正真正銘の「オスツィペク」の製造期間は羊から豊富に乳が絞れる5⽉から9⽉に限られ、それ以外のシーズンに作られたものは「オスツィペク」を名乗ることができないという。このシーズンにグバウフカ山を歩いていると、羊たちがのんびりと草を食む長閑な風景が広がっている。
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グバウフカ山で放牧されている羊たち
当編集部撮影
現在、本物の「オスツィペク」を生産できるバツーフカ(夏の間、⽺を放牧しながらチーズ作りをする羊飼いの家)は、52軒を数えるのみ。そのいくつかを結んだ「オスツィペク・チーズの街道」という観光ルートもできている。
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食事の時はスライスしてナッツやドライフルーツとともに
当編集部撮影
スモークされた「オスツィペク」は、両面を軽く焼いてクランベリーソースや蜂蜜と一緒に食すのが主流だが、塩味が効いていて、特に食事と合わせる時はそのままスライスをして、ナッツやドライフルーツと合わせても美味しくいただける。夏にポーランドを旅するなら、ぜひとも味わっておきたい味覚である。
(写真はイメージです)
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