「007スカイフォール」のロケ地を訪れる
ロンドンやスコットランドを初め、トルコや中国でも撮影されたボンドシリーズ最新作「007スカイフォール」。同作品の公開により、そのロケ地に注目が集まっている。そこで、英国でリアルな「007スカイフォール」の世界が体験できる場所や方法を紹介しよう。
Mは考える
「英国王のスピーチ」や「フォー・ウェディング」など、映画やドラマのロケ地として多く利用されているオールド・ロイヤル・ネイバルカレッジ。「007スカイフォール」では、英国国旗を捧げられた6つの棺を調べるMのシーンに登場している。ケーブルカー(Emirates Air Line)で、このボンドのロケ地にアクセスできる。
「まさにその通り、あなたはここにはいない」
高級地ベルグレービアの雨に濡れる通り、黒タクシー、そして家。Mは寒い外から入って強いお酒を一杯飲み、予期しない客がいることに気づく…
小説「ジェームズ・ボンド」の作者であるイアン・フレミング氏は、1934年から1945年までイーブリー・ストリート22番地に住んでおり、建物の壁面には青い飾り版(ブループラック)が掲げられている。
「新居」
作品の中で最もドラマチックな最初のシーンが終わると、諜報機関は地下に移動する。彼らが占領する洞穴のような場所は首都の真下にあり、使われていない鉄道トンネル(Old Vic Tunnels)の30,000平方フィートの一部を使い、撮影が行われた。
そこでは、ボンドが体力テストや心理検査で彼の能力を試している一方、現実の訪問者は今ではロンドン一の芸術と公演が楽しめる。また、ここではイベントやコンサートが頻繁に開催されていて、過去にはシークレット・シネマがこの場をアルジェリアンマーケットに一変させたほか、突如現れたミシュランの星のレストランもそその場所に2011年に店を構えた。
「時間の必然だと思いませんか?」
ボンドはQとしてよく知られる「クォーターマスター(兵器開発係)」と彼の研究室でよく会っていたが、時代は変わっていた。
ナショナル・ギャラリーのルーム34にあるターナー作「戦艦テメレール号」の前で、新人のQが彼の隣に座り銃とラジオを手渡すと、その若さにボンドは動揺する。この絵画は英国海軍力の衰退を象徴しており、喪失感を呼び起こすことを意図して描かれたと考えられている。ボンドが彼自身を年老いて感じているような映画の一場面にふさわしい絵画だ。
「地下鉄のラッシュアワーにようこそ」
ボンドがラウル・シルバを追跡して彼自身がメトロポリタンの線路の上にいると気づいた時、彼はロンドン最古の地下鉄道トンネルにいた。
2013年には築150年を迎えるロンドンの地下鉄は、メトロポリタン線に始まり、パディントン駅とファリンドン駅とを繋げた。地下鉄の特別な誕生日を記念して、2013年には廃駅のオルドウィッチでの劇場型イベント、ロンドン交通博物館 での象徴的なロンドン地下鉄ポスターの展示など、150周年記念行事が開催される。また、2013年1月13日には史上初となる地下鉄の旅のレクリエーションが催される予定だ。
ウエストミンスターの騒乱
ウエストミンスターでの興奮はたいてい、英国の政治が討論や議論を交わしてきた歴史的な議事堂の中で起こる。
「007スカイフォール」はドラマを通りで撮影し、撮影は歴史的なホワイトホールを閉鎖する必要があった。
ダニエル・クレイグはビデオブログで、「サム(メンデス監督)と私は映画を英国らしくしたいと思ってた。要するに、英国にボンドを溶け込ませるということです。」とコメントしている。
象徴的なウエストミンスターは、ボンドの自国と映画とのつながりを確実に強めて象徴的な首都での生活シーンを描いている。英国の核心をよく知るためにその中心である国会議事堂を訪れて、ロンドン最古のひとつである場所のざわめきを感じてみたい。
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「007スカイフォール」のワールドプレミアで最高のアストンマーチンが初めて公開されると、自然に拍手が沸き起こった。イアン・フレミングの原作の精神に忠実にスクリーン上のボンドは高速車に熱い情熱があり、アストンマーチンに特別な好みを持っている。展示のため新たに厳重な管理下にあるビューリーの「BOND IN MOTION」で、11月1日から映画で使われた車が展示される。
「スコットランドにようこそ」
映画の題名の裏に隠された理由がついに明らかにされる時、ボンドはMをロンドンの喧騒からスコットランドへ連れ去っていった。長いドライブの後、2人が車から降りるしばらくの間、雄大なグレン・エティブが彼らの芝居から観客の目を釘付けにする。そして、その起伏の激しい自然美は、緊張した状況から目をそらす気分転換となる。
英国では、都会と田舎の壮観なコントラストを楽しむができる。ヴィンテージカーをレンタルし、グレンコーやグレン・エティブなど、北方へ出かけてみるのも良いだろう。
イアン・フレミングの家族はかつて、冬にはスキーを、夏にはウォーキングが楽しめるこの辺りに家を所有していた。
その陰気な雰囲気にグレンコーの虐殺の場として暗い歴史が同じ印象的な景観に囲まれた、ボンドの家「スカイフォール」がセットされた。
ボンドがMを温かく保つために彼女に贈った心地よいカシミアのブランケットは「Johnstons of Elgin」で購入できる。
「景色に勝るものはない」
映画の最後にボンドが都市を見渡しながら家に電話をかけている時、ナショナル・ギャラリーとトラファルガー広場の屋根の上で国旗がはためく。最後のシーンが撮影されたエネルギー・気候変動省の屋上に上がることはできまないが、上からロンドンを眺められる場所は他にもたくさんある。
「007スカイフォール」の数々のドラマが展開したウエストミンスターの素晴らしい眺めを望みながら、ロンドン・アイで135メートル上空へ上がることもでき、また2013年2月1日からは超高層ビル「シャード」にもアクセスが可能に。高さ244メートルからロンドンの人々やMI6の建物がよく見え、晴れた日にはボンドの究極のボスである女王の2番目の家、ウィンザー城と同じくらい遠く離れたところまで見渡すことができる。