食通が集うオーストラリア屈指のプレミアムワイン産地「マーガレットリバー」
毎年、このエリアを中心に開催されているのが、世界の名だたるシェフらが集うフードとワインの祭典「西オーストラリア・グルメ・エスケープ」だ。2021年はコロナウィルス感染症拡大の影響により中止を余儀なくされたが、その代わりにマーガレットリバー地域のみで開催されたのが「ファイン・ヴァインズ・フェスティバル」である。
2021年10月15日から24日までの10日間にわたって開催された本イベントには、延べ3000名以上が参加。期間中はワインのテイスティングに加え、ダイニング体験、ガーデンパーティーなど、ワイン愛飲家や食通たちを唸らせる30以上のイベントが催された。通常は一般公開がされていない場所を見学したり、生産者との交流の場が持たれたのも、本イベントならではの特別な体験となった。
至福のペアリングが楽しめる一押しのワイナリー
日照時間が長く、雨が少ないマーガレットリバーは、ブドウ栽培に適した気候と土壌に恵まれたエリアである。最初の商業用ブドウ畑が植栽されたのは50年以上前のこと。現在は、オーストラリアのプレミアムワインの30%以上を占める上質なワインが造られている。
代表的なブドウ品種は、赤がカベルネ・ソーヴィニヨンで、白ワインはシャルドネ。レストランを併設するワイナリーも多く、自社が誇るワインと料理のペアリングも楽しめる。レベルが高く、世界の美食家たちが訪れるマーガレットリバーは、広大なブドウ畑を眺めながら、ゆったり楽しむロングランチがおすすめである。
ここではコロナ収束後にぜひ訪れてみたい、ワインと料理の至福のペアリングを楽しむのに打ってつけのワイナリーを厳選してご紹介しよう。
■ ヴァス・フェリックス
1967年にマーガレットリバーで初めてブドウ栽培を始めたワイナリー。現在は、すべてのワイン造りをオーガニックの工程で行う、地域のパイオニア的存在となっている。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネで有名なワイナリーで、地元の食材を使ったモダンな料理の数々が、極上のワインとともに堪能できる併設のレストランは数々の受賞歴を誇る。
ワインラウンジでのテイスティングも可能。また、ワイン造りの舞台裏を紹介するツアーなども実施されている。その他、ギャラリーや博物館も併設されている。
■ カレン・ワインズ
1971年創業のワイナリー。Aグレードのビオディナミ認証を受けたバイオダイナミック農法によるワイン造りで知られ、カーボンポジティブにも積極的に取り組むサステナブルな造り手である。
併設のダイニングでは、自家菜園で同じ農法で作られた新鮮な食材を提供。ブドウ畑を眺めながらワインとのペアリングはもちろん、戸建てタイプの宿泊施設もあり、非日常的な至福の時間が過ごせるワイナリーステイも満喫できる。
■ ルーウィン・エステート
1972年創業のワイナリー。1981年に発売した、オーストラリアのアート作品をワインラベルにした「アート・シリーズ」のシャルドネで世界的な脚光を浴びた。その後も高い評価を得ている。
上質なワインと料理、アート、音楽の融合を目指すこのワイナリーは、西オーストラリアの芸術家の絵画を集めた入場無料のアートギャラリーもある。併設のレストランでは、西オーストラリア産の食材を使い、「風味」「食感」「香り」に焦点を当てた料理が、ワインとともに楽しめます。毎年2月には、敷地内で屋外コンサートも開催されている。
■ ボエジャー・エステート
美しい建物とガーデンが印象的な、1978年創業の名門ワイナリー。樽からワインを試飲したり、ブドウ畑巡り、オーストラリア最大の地下セラーも見学できるプライベート・テイスティングなども提供している。西オーストラリア州で5本の指に入ると評されるレストランでは、地元の食材を使ったテロワール料理などが堪能できる。ワインをインタラクティブに学ぶにもおすすめだ。
【マーガレットリバーへのアクセス】
パースから車で3時間。長距離バスもあるが、現地で観光するための公共交通機関がないため、レンタカーもしくはツアーの利用が便利。パースから水上飛行機やヘリコプターを使えば、およそ1時間でアクセスできる。
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