IT先進国の公共交通事情
2026年の開通を目指し、フィンランドからポーランドまで標準ゲージ鉄道をリンクさせる鉄道インフラプロジェクト「Rail Baltica」が進行中の北欧。そこに含まれるエストニアにも鉄道は走っているが、今現在は隣国も含めネットワークが発達した中・長距離移動の利用が便利。ここではエストニアの中・長距離バス事情を簡単にご紹介しよう。
スマホで簡単予約
行政サービスの99%がオンラインで完結するというエストニアは、世界をリードするIT先進国。キャッシュレス化も含め日本でもIT化が徐々に進められているが、その何歩も先を行くエストニアではすでに日常生活に関わる多くのことがネット上で行われ、パーキングの清算さえスマホで完了する。
当然のことながら、中・長距離バスの利用に際してもすべてネットでOK。ひとたび要領さえ得てしまえば、外国語での会話に不自由のあるツーリストも簡単に利用ができる。バスに乗車する際も、オンラインチケットの画面をスマホなどで提示すれば大丈夫だが、旅にハプニングは付きもの。バッテリーの残量や通信に不安があるような場合は、乗車券をプリントして持っておくと安心できる。
Wi-Fiも無料! 飛行機並みに快適なエストニアの中・長距離バス
今回利用したのは、国際路線バスも運行している「LUX Express」とうバス会社。タルトゥのバスターミナルで予約したバスを確認したら、まずはスーツケースなどの大きな荷物をバスの前に立っている係員に預け、乗車券を提示してバスに乗り込んだら、指定された席へ。
座席には、電源はもちろん、タッチパネル式のモニターが設置されていて、インターネットからゲームまで利用できるほか、Wi-Fiも無料。座席もゆったりしていて、座り心地も良い。
バスを降りても安心で便利なサービス
エストニアの中・長距離バスには、もう一つ便利なサービスがある。それはバス会社とタクシー会社が協力したサービスで、中・長距離バスの利用者があらかじめモバイルで申し込んでおくと、到着したバスターミナルから市街地の中心部まで、一律の料金で利用できるというもの。運賃が一律のため、あらかじめモバイルで決済することもできる。もちろん、利用時に現金やクレジットカードで支払うこともできる。
「LUX Express」の場合、「TAKSO 24」というタクシー会社と提携をしいて、乗車時にタクシー用のバウチャーを提示するだけで、タリンのバスターミナルから中心部(ゾーン1)まで5.50ユーロで利用できる。ただし、メーターに表示される実際の運賃がそれを下回った場合にも、この一律料金を支払わなければならない。
エストニアのタクシーは、運転席にあるメーターが大きく後部座席からもハッキリ見える上、国が税金等もすべてITで管理していることから、細かな利用状況はすべてデジタルで記録され、手渡される領収書にもそうしたデータがしっかりと印字されている。そのため、ごまかしの効かないタクシーは、必ずしも100%と言い切れないにしても、外国人ツーリストが直接利用しても安心して利用できる移動手段ともいえる。
とはいえ、ターミナルからホテルまでの距離や道路状況によって若干多めに払う結果になったとしても、こうしたバス会社とタイアップした一律のサービスを使うことで、あらかじめ料金も把握でき、エストニアに到着したばかりでも、より安心してタクシーが利用できるのではないだろうか。この「TAKSO 24」では、バス会社の他にも、船会社と提携したフェリーターミナルへの送迎サービスも行っている。
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