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はてなブックマーク - ムスティオン・リンナ
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Mustionlinna


ラトビアに始まった「バルト海沿岸の田園を巡る旅」は、いよいよバルト海を越えて旅の終着地フィンランドへ。<世界一幸せな国>で暮らす人々のライフスタイルの中に、田園ツーリズムの神髄を見る。



バルト海を越えて「森と湖の国フィンランド」へ


旅はいよいよ終盤へと差し掛かった。次なる目的地は、バルト海の先にある「森と湖の国フィンランド」。タリンから首都のヘルシンキへは、高速フェリーわずか2時間の<船旅>となる。



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出港するフェリーの中からタリンの街を眺める人々



今回利用したのは、タリン港のDターミナルから出港するタリンク&シリヤラインが運航する高速フェリーの「スター号」。船体の長さは186メートル。定員は2080名で、ヘルシンキとタリンを1日最大7便で結んでいる。


高速フェリーと言えども、船内には131のキャビンと⒒のデッキをはじめ、さまざまなタイプのレストランやバー、ショップなどの施設が充実するスター号は、もちろんWi-Fiも完備。乗船券に記されたコードを入力すれば、無料で利用できる。



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甲板での時間を楽しむ人々



この日は快晴。美しい青空に初夏を思わせる強い日差しが降り注いでいたが、やっぱりバルト海だ。風の冷たさは予想以上のもので、時折、身を切るような風が体温を奪う。


北へ北へと進むスター号。寒さ故か、いつしか目の前でジョッキ片手にビールとおしゃべりを楽しんでいたドイツ人観光客の数も少なくなっていた。それでも筆者は看板から離れられなかった。なぜなら、全身でバルト海を感じたかったからに他ならない。



感動のヘルシンキ入港


しばらくすると、遠くに陸地が見えて来た。すると、どこからともなく1羽のカモメが寄ってきて、船の後をつけてくる。いよいよ岸が近づて船のクラッチが切り替わり、フェリー内に留め置かれた車のセキュリティーシステムがその振動に反応して、あちこちでアラームが鳴り始めた。



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たくさんのカモメが出迎えるヘルシンキ港



そうこうしている間に、船は無数のカモメたちの熱烈な歓迎を受けていた。ここは映画『かもめ食堂』(2006年公開)の舞台。当時はなぜ食堂の名前が「カモメ」だったのか考えもしなかったが、何となくその理由がわかったような気がした。


そして、ついにヘルシンキ西港ターミナル2に着岸。車で乗り込んだ乗客たちが、まるでパレードにでも出発するかのように、次々に船を下りて行く。そんな何気ない光景に胸が高まる。



ヘルシンキ大聖堂

ヘルシンキ大聖堂



等身大で楽しめるヘルシンキ

洗練されたデザインに溢れるフィンランドの首都ヘルシンキは今、「暮らすような旅」を楽しみたいという日本人にも大人気のデスティネーション。その自由で開放的な雰囲気は、自分がよそ者であることを忘れさせ、等身大で肩の凝らないシティブレイクを楽しませてくれる。


次の移動までの空き時間に、街の中心部へと足を向けてみた。
ヘルシンキのシンボルである大聖堂からもほど近いマーケット広場は、2019年に公開された映画『雪の華』にも登場した野外市場。7月から8月にかけて旬を迎えるベリー類が、早くも市場の屋台に彩りを添えていた。



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ヘルシンキっ子にも愛されているマーケット広場の野外市場



ここは物価の高いフィンランドでも、比較的リーズナブルに買い物ができる市場で、地元の人たちはここで新鮮なベリーや野菜を買った足でフェリーに乗り込み、スオメンリンナ島などへピクニックに出かけるのだという。この市場は食材だけでなく、お土産品などを扱う屋台、地元の料理を提供するテントやフードトラックもある。



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デザイン都市ヘルシンキの中央駅



爽やかな早春の潮風に吹かれながら市場で軽く小腹を満たし、足早にヘルシンキ中央駅へと移動。「フィンランドの森と湖」を求め、次なる目的地を目指す。




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