ユングフラウ観光の拠点はインターラーケン

更新日 : 2015年11月18日

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Mini Train

インターラーケンの町中を走る観光用のミニトレイン「ベーデリ鉄道」
(5~8月のみ毎日運行/1周 約2時間/大人 19.00スイスフラン)


豪華な老舗ホテルで「スイス流おもてなし」を体験


ヴィクトリア・ユングフラウ・グランドホテル&スパの外観

老舗5ッ星ホテル
「ヴィクトリア・ユングフラウ
・グランドホテル&スパ」

ユングフラウ地方の玄関であるインターラーケンは、同地方最大のゲマインデ(地方自治体)だ。2014年末現在、人口はおよそ5,683人。一般的な「市」に匹敵する人口規模で、スイス全体では中規模のゲマインデとなっている。
この町がインターラーケンと呼ばれるようになってから、2016年でちょうど125年を迎える。

ここはかつて文豪ゲーテやバイロン、作曲家のメンデルスゾーンやブラームスをはじめ、王侯貴族や文化人たちもこぞって訪れた由緒ある町で、1912年から続く野外劇『ウィリアム・テル』が行われることでもよく知られている。
郊外の森では毎年夏、13世紀当時の町並みをリアルに再現した野外劇場が設営され、『ウィリアム・テル』の物語が上演されている。劇中には、本物の馬や牛が登場する。

「ホスピタリティ」という概念を生み出したスイスは、いわばホスピタリティ産業発祥の地。どんな小さなゲマインデにも、しっかりとしたサービスを提供する宿泊施設がある。これもスイスが「観光立国」と謳われる、一つの所以である。
ホスピタリティ教育の分野においても極めて高い水準を誇り、スイス政府公認のローザンヌホテルスクールを筆頭にグリオン大学やレ・ロッシュ大学など、世界に名だたるホテル学校が国内に点在し、世界各地で活躍する優れたホテリエを数多く輩出している。そんな「ホスピタリティの国」で時間を過ごすなら、やはり体験したいのが上質なホテルのサービスである。

しなやかな空気が漂うホテルのロビー

しなやかな空気が漂う
ホテルのロビー

インターラーケン・オストとヴェストのほぼ中間に位置する「ヴィクトリア・ユングフラウ・グランドホテル&スパ」は、19世紀創業の豪華な5ッ星ホテル。
正面に名峰ユングフラウを望むこの老舗ホテルの前には、かつて上流階級の馬車が停車し、テラスでその眺望を楽しみながら優雅にお茶を楽しむ紳士淑女らで華やいだという。約140年前には岩倉使節団が訪問している他、日本人としてユングフラウに初登頂した加賀正太郎が宿泊したりと、何かと日本人にも縁のあるホテルである。

ベル・エポック調の建物の内部は、「これぞヨーロッパのホテル!」と思わず頷いてしまう優美で洗練された、しなやかな空気が漂っている。
ゆったりとした客室からの眺望はもちろん、グルメレストランやバー、プレイルーム、プールや多彩なメニューが用意されたスパなど施設も充実している。何よりもスタッフの対応が一つ一つ丁寧で、実にスマートである。

真のホスピタリティを大切にするホテルは、テクノロジーが発達した現代においても、ウェイクアップコールなどのサービスを機械対応にはしない。このホテルも然り。限られた滞在日数ではあったが、翌朝のウェイクアップコールをお願いする時、朝電話で起こしてもらう時、一言二言加えて交わすホテルのスタッフとの何気ない会話を私は楽しみ、その中で家にいるような安らぎを感じた。申し分のない、快適な滞在となったことは言うまでもない。
この世界最高峰の「スイス流おもてなし」を、名峰とともにホスピタリティの本場で、一人でも多くの方にご堪能頂きたい。
 


フロント      ビリヤードルーム

格式と伝統を彷彿とさせるホテルのフロント(左)
ホテルのライブラリーとビリヤードルーム(右)



地元産にこだわったショッピングを楽しむ


「シェーレンシュニッテ」車両

伝統工芸の切り絵でラッピングされた
ヴェンゲルンアルプ鉄道の車両

インターラーケンのショッピングストリートは、上でご紹介しているヴィクトリア・ユングフラウ・グランドホテル&スパから、ヴェスト駅寄りのエリアに伸びている。
ここで時計など、お気に入りのスイス製のブランド品を探してみるのも良いが、せっかくインターラーケンにまで来たのであれば、やはりローカルの品にこだわったショッピングも楽しんでみたい。

スイスの伝統工芸というと、アルプスでの暮らしや詩情をモチーフにした「シェーレンシュニッテ」(フランス語で「デクパージュ」)と呼ばれる切り絵が有名である。ユングフラウ鉄道グループには、この切り絵でラッピングされた車両も走っている。

「シェーレンシュニッテ」の歴史は中世にまで遡り、19世紀初頭にペイダンオー地方で多くの作品を生み出した芸術家たちが登場したことで、スイス全土に広がった。現在は全国に、約1000人の切り絵アーティストがいるという。お土産にするには非常に高価だが、この切り絵をモチーフにしたマグカップや文房具、小物入れやTシャツなどのグッズは、手ごろな値段で入手できるので、旅のちょっとした記念にもお勧めしたい。
また、インターラーケンにほど近いブリエンツは古くから「木彫りの里」として知られ、伝統的な木彫りの工芸品はお土産として人気がある。


スイス・マウンテンマーケット

地元の有機食品などオリジナル商品を販売する
「スイス・マウンテンマーケット」

駅前通りにある「アルベルト・シルト」は、1898年創業の「スイス・メイド」に特化した老舗の土産店。木彫りの牛や人形など、他店では見られないアルプス地方のハンドメイド製品が豊富に揃っている。
フォンデュ鍋や子供用玩具なども取り扱っているので、通りすがりにでも足を止めて店内を覗いてみて欲しい。

もし、ローカルにトコトンこだわったお土産探しをするなら、お勧めしたいのがヴィクトリア・ユングフラウ・グランドホテル&スパから少しオスト駅側にある「スイス・マウンテンマーケット」。前に緑の牛が立っているので、店はすぐ見つかる。

ここは2012年にオープンした、地元でも評判の地産地消のお店。ここで取り扱っている商品はみな、地元で有機栽培・生産された食品や製品ばかり。ソーセージにチーズ、ハチミツ、アルプスの野草をミックスしたハーブティーからドライフルーツ、ジャム、チョコレート、ワイン、リキュール、おまけにコスメまで、健康的でオリジナリティ溢れる正真正銘の「メイド・イン・アルプス」製品が手に入る。
また、この店ではレンタサイクルもしており、ここで自転車を借りて街中や郊外までサイクリングを楽しむこともできる。

その他にも手掘りの木彫り製品を扱っている「ウッドペッカー」や、金細工・ジェリーデザイナーのマーティン・ブルナーのスタジオ「Zeitzone 35」で、お気に入りのアクセサリー探しなどを楽しんでみてはいかがだろうか。
 


Scherenschnitte      Interlaken-central

切り絵をモチーフにした小物(左)
ショップが軒を連ねる夜の駅前通り(右)

 
 

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