3名峰を正面に望む景勝地「シーニゲ・プラッテ」

更新日 : 2015年11月27日

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シーニゲ・プラッテ

可憐なアルプスの花々が咲き乱れる夏のシーニゲ・プラッテ



山岳ホテルに泊まって3名峰の雄姿を独り占め?!


高山植物園

高山植物園の世話をしているジャスミンさん

高山植物の宝庫としても有名なシーニゲ・プラッテ。山頂にはスイス屈指の高山植物園があり、見どころの一つとなっている。
敷地面積は、およそ8300平方メートル。ここは兵庫県の六甲高山植物園と姉妹提携を結んでいる1929年開園の高山植物園で、スイスを象徴する花エーデルワイスをはじめ、600種にもおよぶ高山植物が大切に育成されている。

この植物園には、春から秋にかけて5人のボランティア女性が入口脇のコテージに住み込み、一つ一つ丁寧に植物を世話し、園内の管理から窓口業務までの全てを、朝から晩まで当番制でこなしている。
植物の中には、この地で自生していなかった種もあるそうだが、それらについては元の場所から土を運んできて、それぞれの特性に合わせて世話をしている、というから頭が下がる。

冬には数メートルの雪に覆われるシーニゲ・プラッテ。晩夏に種の採取が終わり秋になると、今度は敷地内に設置されたベンチや案内版、埋め込んだおびただしい数のネームプレートまで、すべてを取り外して長い冬の訪れに備える。そうした植物のネームプレートも、彼女たちが一つ一つ手作りしたものだ。また、ここで採取された種は、一部を残しスイス各地の植物園へと配られる。そして、春が訪れると再び芽を吹き、可憐な花々を咲かせ、人々の目を和ませてくれる。そうしたアルプスの植物は、例年7月中旬に最盛期を迎える。

植物園を訪れたこの日も忙しい最中、時間を割いてわざわざ園内を案内してくれたジャスミンさん。彼女の話を聞いただけでも、彼女たちの目の回るような忙しさは想像できるが、彼女のキラキラとした表情からは疲労の濃さは全く感じられない。アルプスの植物は、ひたむきに自然を愛する彼女たちの情熱によって守られているのだ。


Schynige-Platte-cowbell-prinz

皇太子殿下の訪問を記念したカウベル(中央)

この植物園は上にも出口があり、そこからはハイキングコースや山岳ホテルへと道が続いている。
山岳ホテルへ向かう途中に、2014年の皇太子殿下訪問を記念した大きなカウベルも見られる。5つあるカウベルのど真ん中にある「2014 His Imperial Highness Crown Prince of Japan」と刻まれたものが、それである。

山頂駅のすぐ上に、1899年創業の シーニゲ・プラッテ山岳ホテル がある。2011年にノスタルジックな雰囲気そのままに改装され、現在はアルプスの温もりが感じられる2~3名用のベッドルームが21室ある。正面にアイガー、メンヒ、ユングフラウの名峰が並んだ大パノラマが眺望できる部屋もある。

ホテルは、鉄道の運行期間に合わせて営業。冬季は閉鎖となるが、営業期間内にここに1泊すれば、終電から始発までシーニゲ・プラッテは宿泊客の貸切状態に。終電から日没、日の出から始発列車が到着するまで、誰にも邪魔されることなく、思い存分ベルナーアルプスの眺望が堪能ができる。


 

Alpengarten      山岳ホテルの客室

高山植物園の入口(左)
ノスタルジックな山岳ホテルの客室(右)



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