どうなる?香港観光

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 次に、こんな問題もある。
 「ショッピング」と一口でいっても、さまざまなショッピングの楽しみが香港にはある。それこそ超高級品から超安物まで値段もさまざまなら、商品のバラエティも極めて幅広い。輸入品の衣類、皮製品や宝飾品などのデザインも日本では見掛けないようなものにしばしばでくわす。これが香港ならではの魅力になっている。
また、ありとあらゆる中国製品が手っ取り早く手に入るのはもちろんだが、特になじみの深い漢方薬や中国茶などは品揃えも豊富だし、しかもそれぞれ専門店街があって便利である。

 また、一口で中国料理といっても北京、上海、広東、潮洲、福建、四川など、それに日本人に人気の飲茶などもある。そればかりではない。中国料理以外のグルメの楽しみはこれまた大変な魅力になっている。

 フランス料理はもちろん、ドイツ料理、インド料理、ベトナム料理、タイ料理・・・と、香港に住んでいる人種の数ほど数多くの世界各地の本格的な味が楽しめて、しかも料理人のレベルが高い。「グルメ天国」といわれる所以である。

 ここで問題なのは、香港の伝統的な魅力であるこの「ショッピング」や「グルメ」に極めて幅広い『多様性』があるということである。多様な魅力があるから、売る側としては当然その奥深い魅力を強調する。

 しかし、強調すればするほど、皮肉にも、香港の売り物は、香港観光の主旋律として昔から多くの人々に受け入れられてきたこの2つの魅力だけにますます集約されていく。「ワンダーランド香港」を形成するその他もろもろの魅力は、それぞれを志向する市場が比較的小さいということもあって、結局は、売り物としての実在感がでてこないことになる。

 「ダイナミックな方向転換」は「何でもあることはいいことだ」と単純に片付けられない問題を抱えているといえよう。


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