どうなる?香港観光

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香港の新国際空港


 香港カイタック(啓徳)国際空港の旅客処理能力が遂に限界にきたため、ランタオ島(大嶼山)北部のチェックラップコック(赤立角)島に1248ヘクタールの敷地をもつ新国際空港が建設中である。

新空港完成予想図

 島を削り大掛かりな埋め立てによって空港用地を造成する大工事である。この新空港建設はビクトリア・ハーバー沿いの港湾開発や道路建設、さらには新たな市街地造成をも含む世界最大規模のインフラ整備プロジェクト(港湾・空港開発戦略-PADS)の一環なのである。

 当初、この新空港の完成は1997年の返還に間に合わせる筈であったが、英国と中国との思惑の違いにより話し合いが長引き、相当な時間的なロスがあったため、目下急ピッチで工事が進められているものの、残念ながら返還までには間に合わず、完成予定は1998年の4月からさらに延びてどうやら8月になるらしい。

 新空港事業総務局発行(1995年8月)の『未来に向けた建設』と題された資料によれば、新国際空港は2本の滑走路をもつが、一期工事で先ず3800メートルの滑走路を完成させ、その1本でとりあえず開港することになっている。それでも60機分の駐機スペースをもち、年間3500万人の旅客対応能力と約300万トンの貨物処理能力をもつとされている。

 香港観光協会の「香港ニュース」、『新空港建設について』によれば、2本の滑走路が完成すると年間8000万人の旅客と400万トンの貨物に対応できるようになるらしい。さらに、前述の『未来に向けた建設』によれば、全長約1キロの巨大な旅客ターミナル・ビルには数々の近代的な付帯設備に加え、無人軌道車(オートマチック・トレイン)や動く歩道も設置される。24時間稼動することは勿論である。

 この新空港は高速空港鉄道と高速道路によってマ・ワン(馬湾)島、チン・イ(青衣)島を経由して九龍や香港島と結ばれる。そのために鉄道と高速道路両用の3本の橋梁が建設されるが、中でも、ランタオ島とチン・イ島を結ぶランタオ固定横断橋は青馬大橋と呼ばれ、橋を支える橋塔の高さは206メートル、橋の全長は2032メートルもあり、世界第2の吊橋となる(前記「香港ニュース」による)。空港鉄道と高速道路が通る九龍西部の沿線は334ヘクタールの土地が埋め立てられ様相が一変している。

 この高速空港鉄道は全長34キロだが、香港島・九龍と空港とを結ぶ最も速く、かつ、最も便利な交通手段となろう。所用時間は香港島から23分、九龍側から18分である。九龍と香港島セントラルは全長2キロ、片側3車線の大海底トンネルで結ばれる。香港第3の海底トンネルとなる訳だが、この海底トンネルの開通時の予想交通量は1日約75,000台(以上)である。しかし、将来の交通量の増大を見込み、1日最大18万台まで対応できるようにかなり余裕をもたせてあるとのことである(前記『未来に向けた建設』による)。


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