「バイロイト辺境伯歌劇場」が今冬から改修工事へ
今年6月、第36回世界遺産委員会サンクトペテルブルク会議において、新たな世界文化遺産に登録されたバイロイトの「辺境伯歌劇場」。同歌劇場は、バイロイトに隆盛をもたらしたブランデンブルク・バイロイト辺境伯フリードリヒの妃で、音楽をこよなく愛したヴィルヘルミーネ(プロイセンのフリードリヒ大王の姉)によって、1745年から1750年にかけて建造された、現存する欧州最古の壮麗なバロック様式の歌劇場だ。
その辺境伯歌劇場が、この冬から改修工事のため一時的に閉鎖されることとなった。バイロイトなど様々な文化としを有するフランケン地方観光局の担当者の話によると、この改修工事には最低でも2年の月日を要するという。
ドイツは2013年、「ワーグナー生誕200年」を迎える。当然のことながら、ワーグナーファンにとっての聖地となっているバイロイトでも、この偉大なる記念の年にコンサートなどを初めとする様々な祝賀イベントの開催が決定しているわけだが、この辺境伯歌劇場では工事期間中は全面的に閉鎖となるため、ここでのオペラ鑑賞や歌劇場の見学は一切不可能ということになる。
2013年にバイロイトを訪れようと計画していたワーグナーファンにとっては、まさに晴天の霹靂ともいえる出来事だが、時間的な問題もあり工事を先延ばしするこは、どうしても出来ないのだそうだ。
商業を優先しがちな日本的な視線で見ると何とも「もっったいない話」ではあるのが、「目先の利益よりも歴史的建造物の保存を最優先に考える」というドイツ人には、「あっぱれ!」というしかない。
ということで、「現状の辺境伯歌劇場を目に焼き付けておきたい」という人はこの秋のうちにバイロイトへ行った方がよさそうだ。
Opernhaus Bayreuth
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