ドイツ観光局、2016年の観光テーマは「ドイツ都市体験と自然探訪」
2015年にドイツを訪れた外国人の宿泊総数は、前年比5.4%増となる7,970万泊。アジアやアメリカを中心に、世界の主要5地域すべてからの渡航者数が増加しているドイツは今、インバウンドが絶好調。そんな中、先月26日にドイツ観光局が都内でプレス発表会を開催し、同局の2016年の観光テーマをはじめ、パートナー(ルフトハンザ・ドイツ航空等)によるプレス発表が行われた。
会場となったのは、ドイツを代表する自動車部品および電動工具メーカーであるボッシュ社の日本法人が、ブランド戦略の一環として2015年に渋谷にオープンさせた「Café 1886 at Bosch」。すでにクリエーターやビジネスパーソン、学生の間で話題になっている人気のカフェで、外部の企業や組織がここを貸し切ってイベントを開催するのは、ドイツ観光局が初めてだったという。これはドイツの政府機関と、同国の企業との協力体制の強さの象徴とも言える。
説明会では、冒頭のドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長のレイカート・ケッテルハーケ氏による挨拶に続き、マーケティング・ディレクターの西山晃氏から、同局の2016年の観光テーマである「ドイツ都市体験と自然探訪」と「音楽の国ドイツ」、そして「ドイツビール純粋令500年」の3つについて説明が行われた。
メインテーマは「ドイツ都市体験と自然探訪」
国土の約48%が自然景観保護の対象(出典:Statistical Yearbook 2015)となっており、およそ35%が130以上の自然保護地域となっているドイツでは、宿泊統計によると訪独旅行全体の22%が、10,000人以下の田舎を訪れている。
ドイツ本国では、この「自然」のみを一つの観光テーマとしているが、日本では観光に歴史や文化を求める人が多いため、その先で自然が楽しめるよう「都市体験と自然探訪」にしたという。
今回はザクセンアンハルト州の「ハルツ国立公園」を筆頭に、ラインラント・プファルツ州の「フンスリュック・ホッホヴァルト国立公園」、バイエルン州の「ベルヒテスガーデン国立公園」、ノルトライン・ヴェストファーレン州の「ホーエス・ヴェン アイフェル自然公園」、メクレンブルク・フォアポメルン州の「ヤスムント国立公園」、チューリンゲン州の「ハイニヒ国立公園」、そしてヘッセン州の「ケラーヴァルト・エーダーゼー湖国立公園」などの国立公園や景観地を挙げ、それらと文化を組み合わせたコースなどが提案された。
■ あなたにぴったりのデスティネーションはどこ?
ドイツ観光局はこの程、新たに「Destination finder」を開設。これはドイツにある約130の自然景観保護地域の中から、5項目の条件設定や12項目の観光テーマに基づいて、あなたにピッタリのお薦めデスティネーションを検索できるという画期的なシステム。項目をちょっとボタン操作するだけで、あれよあれよという間にデスティネーションが絞られてくるので、是非お試しあれ!Destination finder
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音楽の国ドイツ
2つ目の観光テーマは「音楽」。著名な作曲家をたくさん輩出しているドイツでは、やはり音楽は外せない重要なテーマ。特に今年は、ドイツ名門の少年合唱団「聖十字架教会合唱団」が、創立800周年を迎える。
■ 創立800周年を迎えるドレスデンの「聖十字架教会合唱団」
このテーマの中で紹介されたのが、ドレスデンクロイツだ。ドレスデンクロイツこと「ドレスデン聖十字架教会合唱団」は、2016年に800年周年を迎えるドイツ名門の少年合唱団。約3年おきに来日してクリスマス・コンサートが行われるほど、日本でも安定した人気がある。昨年の冬にも来日し、東京オペラシティでコンサートが行われたが、しばらくは来日の予定はなし。ということで、この記念すべき年に彼らのコーラスを聴くなら、こちらがドイツへ行くしかない!
ドレスデン聖十字架教会合唱団は2016年、6月から7月にかけてハンブルク、フランクフルト、アイスレーベンやマイセンで、ドイツ国内ツアーが予定されている他、10月から12月にかけてはボン、デュッセルドルフ、ミュンヘン、シュトゥットガルトなどで、ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団とのコラボ公演が予定されている。
チケットに関する詳細は、ドレスデン聖十字架教会合唱団の公式ウェブサイトを参照。
800 Jahre Dresdner Kreuzchor – Ticket Information
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■ 2016年の主な音楽フェスティバル
ドイツ観光局は、ドイツらしい音楽フェスティバルや屋外コンサートでも、デスティネーションとしての魅力を訴求する。ドレスデン聖十字架教会合唱団の他にも、今年はドイツ各地で様々な音楽関連イベントが開催される。ドイツビール純粋令500年
音楽ももちろんだが、ドイツと言えばもう一つ忘れてはならないのが、3つ目のテーマにもなっている「ビール」だ。
今年は1516年4月23日にバイエルン公国のヴェルヘルム4世が、「ビールの醸造には、大麦、ホップ、水以外の成分を用いてはならない」というビール純粋令を、インゴルシュタットで定めたて発布をしてから500周年に当たる。
ドイツビールの祭典と言えば、9月にミュンヘンで開催される「オクトーバーフェスト」が有名だが、ドイツビール純粋令から500年周年の今年は、7月22日から24日までの3日限定で「ビール純粋令500年記念まつり」が開催されるという。
当然のことながら、これは今年だけのプレミアム・ビール祭りということになる。
プレス発表会では、この「ビール純粋令500年記念まつり」と合わせ、以下のようなビール祭りも紹介されている。
この夏はドイツへ行って、地元の人たちと一緒に「ビール純粋令500周年」をお祝いしてみよう!
■ 2016年夏、注目のドイツ・ビール祭り
フランケン・ビアフェスト
開催日 | 2016年5月25~29日 |
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開催地 | ニュルンベルク |
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ビール純粋令500年記念まつり
開催日 | 2016年7月22~24日 |
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開催地 | ミュンヘン |
ウェブサイト |
ベルリン・ビア・ウィーク
開催日 | 2016年7月22~30日 |
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開催地 | ベルリン |
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第20回 ベルリン国際ビアフェスティバル
開催日 | 2016年8月5~7日 |
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開催地 | ベルリン |
ウェブサイト |