ドレスデン観光局が「音楽の都」をアピール
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ドレスデンフィルハーモニー管弦楽団
来日公演ポスター(東京)
1870年に設立されたドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団(以下、ドレスデン・フィル)は、かつてブラームスやドヴォルザーク、チャイコフスキー、R. シュトラウスといった錚々たる作曲家たちが指揮台に立ち、興隆を極めた名門楽団。そのドレスデン・フィルが今年6月末から7月上旬にかけて来日し、各地で公演を行いました。
これを記念して、ドレスデン観光局からも局長のベティーナ・ブンゲ氏が来日。東京で「音楽の都 ドレスデンの集い」を開催し、日本の旅行業界関係者やメディアに、ドレスデンが”音楽の都”であることをアピールしました。
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プレゼンテーションを行うドレスデン観光局のベティーナ・ブンゲ局長
音楽、絵画など洗練された芸術が集まるドレスデンといえば、音楽ファンなら「ゼンパー・オーパー」の愛称で親しまれている世界屈指のオペラハウス「ザクセン州立歌劇場」を最初に思い浮かべる方が多いかと思いますが、この劇場ではオペラやコンサートだけでなく、バレエも鑑賞できます。また、年明けに華々しく開催される「オペルンバル」でも注目される劇場です。
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「ゼンパー・オーパー」の愛称で親しまれているザクセン州立歌劇場(内部)
当編集部撮影
「音楽の都!」と胸を張るドレスデンには、なんとオペレッタ専用の州立オペレッタ劇場もあります。
ブンゲ氏によると、2016年末にはドレスデンに新しい劇場「クラフトベルク・ミッテ」(Kraftwerk Mitte)が完成する予定で、こけら落としにはオペレッタが上演されるそうです。
ドレスデンで音楽と言えば、もう一つ忘れてはならないのが少年合唱団の存在です。ドレスデン聖十字架教会を拠点する「ドレスデン聖十字架合唱団」は、2016年に創立800周年を迎える名門の聖歌隊。9歳から19歳までの少年150人が在籍し、初期バロック作品からカンタータ、バッハの受難曲から現代まで、幅広いレパートリーを持っています。
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2016年に創立800周年を迎える「ドレスデン聖十字架教会合唱団」
画像提供:ドレスデン観光局
同少年合唱団は2015年も12月に来日し、都内のオペラシティ コンサートホールで「クリスマス・コンサート」が予定されていますが、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団や、先述のドレスデン・フィルとも定期的に共演しているので、ドレスデンを訪れた際には本場で楽しんでみましょう!
800周年に当たる2016年には、「ドレスデン・ミュージック・フェスティバル」(2016年4月15~24日予定)や、「第91回 国際バッハ・フェスティバル」(9月23日~10月3日予定)にも登場が予定されているとのことで、そこでもドレスデン聖十字架合唱団の美声に癒されそうです。ドレスデン聖十字架合唱団については、こちらもご参照ください。
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フラウエン教会でのクリスマスコンサート
当編集部撮影
上記でご紹介した以外にも、ドレスデンではフラウエン教会などでも、バロックマイスターによるコンサートやコラールが行われています。
やはり、イースターのシーズンならバッハの「マタイ受難曲」、アドヴェントの時期なら「クリスマスオラトリオ」でしょう!
世界最古の外輪船のパレード
配信元:Gerd Burckhardt
音楽から少し離れますが、お勧めしたいドレスデンの楽しみ方は、まだまだたくさんあります。せっかくですので、ベティーナ・ブンゲ局長からお話があったその他の見どころも含めて、もう少しドレスデンの魅力をご紹介することにしましょう。
バロックだけでなく、サクラの名所としても知られているドレスデン。毎年5月1日にエルベ川で行われる世界最古の「外輪船パレード」や、「ディキシーランドフェスティバル」など、春限定のイベントも要チェックです!
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ツヴィンガー宮殿にある「陶磁器コレクション」
当編集部撮影
もちろん、アウグスト強王とその息子アウグスト3世が収集した陶磁器やマイセンで研究されていた試作品、研究途上品、完成品が収められている「陶磁器コレクション」は、日本からの多くの観光客には外せないポイントの一つでしょう。
同じ建物内には、ラファエロやフェルメール、ルーベンス、レンブラントなどの名作を収蔵する「アルテマイスター絵画館」もあります。
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ハリウッド映画『シンデレラ』の舞台にもなったツヴィンガー宮殿
当編集部撮影
「陶磁器コレクション」と「アルテマイスター絵画館」が入っているツヴィンガー宮殿は、ディズニー映画『シンデレラ』(2015年公開)の中で、王子様が住むお城として登場しているのですが、皆さんご存じでしたか?
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ドレスデン近郊にある「バッカーバルト醸造所」
当編集部撮影
ドレスデン周辺は、ドイツ屈指のワインの産地としても有名。ドレスデンの中心部からトラムで簡単にアクセスできるラーデボイルには、一般に開放された欧州初の体験ワイナリー「シュロス・ヴァッカーバルト」があります。
敷地内では醸造所の見学だけではなく、レストランやショップなども併設されていますので、ローカル気分で半日から1日ここでゆっくり過ごしてみるのもお勧めです。(こちらは後日、特集記事『暮すように旅するドレスデン』の方で、ご紹介を予定しています。)
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ドレスデン城で行われる「中世のクリスマスマーケット」
当編集部撮影
最後にドレスデンの冬の風物詩といえば、やはりクリスマスマーケット!ドレスデンの「シュトリーツェルマルクト」の歴史は1434年にまで遡り、「世界一有名」と言われるニュルンベルクや、「世界最大」とのシュトゥットガルトと共に「世界最古」として世界の3大クリスマス・マーケットの1つに数えられています。
何でも話によると、このシュトリーツェルマルクトでは開催期間中の毎日、夕方4時になるとサンタクロースがやって来て、子供たちに小さなクリスマス・プレゼントをくれるのだとか。
「シュトリーツェルマルクト」だけでなく、(土日は有料となりますが)ドレスデン城の中庭で開かれている「中世のクリスマスマーケット」も個人的にお勧めです。
もちろん、このクリスマスの時期にドレスデンに行くなら、ゼンパー・オーパーでのバレエ『くるみ割り人形』もお忘れなく!