オーストリア「持続可能な観光国ランキング」で世界第3位に
この調査は「環境的持続性」「社会的持続性」「経済的安定性」「リスク」「持続可能な観光需要」「持続可能な移動手段」「持続可能な宿泊」の7つを柱とする「持続可能な観光インデックス」を指標とし、世界99ヶ国を対象に実施されたもので、その結果、第1位のスウェーデン、2位のフィンランドに続き、オーストリアが3位に選ばれ、以降にエストニア、ノルウェーと続いた。
以下は、上記7つの柱となる主な要素と、それぞれにおけるオーストリアの順位。「社会的持続性」と「持続可能な移動手段」では第1位に選出され、「環境的持続性」においては前回の調査時からもっとも改善した国との評価を受けている。
・環境的持続性(気候、自然資産、汚染、エネルギー、水) | 8位 |
・社会的持続性(リソース、食の安全、貧困、幸福、自由、公平性、教育) | 1位 |
・経済的安定性 (観光への依存度、債務レベル、ホスピタリティ業の雇用、強みと弱みを測定するためのビジネス準備度) | 7位 |
・リスク(安全性、ヘルスケア、危険にさらされている文化資産と種) | 10位圏外 |
・持続可能な観光需要(対応力、価値創造、オーバーツーリズムの度合い) | 10位圏外 |
・持続可能な移動手段 (航空便利用への依存度、鉄道・代替移動手段の利用、インフラの質、道路密度、CO2排出) | 1位 |
・持続可能な宿泊(施設による資源利用、宿泊施設の多様性とバランス) | 10位圏外 |
同じくユーロモニターが2021年1月に実施した消費者ライフスタイル調査によると、世界で66.4%の人が日常のアクションを通じて環境に良好な影響を及ぼしたいと考えているとの結果が得られた。自然・社会環境や経済状況に多大な影響を受け、それらに影響を及ぼす観光業界においても、持続可能性の実現は喫緊の課題となっている。
限られた資源を次世代につなぐため、オーストリアではEUの目標よりも10年早い2040年までに「クライメート・ニュートラル*」の実現を目指している。また、有機農業の推進や無料の公共交通機関の運行、歴史地区での車両通行禁止など、多くの場面で持続可能な社会に向けた取り組みを実践している。
* クライメート・ニュートラル:温室効果ガスの純排出総量をゼロにすることを目指す活動。排出量自体を可能な限り削減するほか、削減できない排出量についてはオフセットを行う。
Euromonitor International
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