フランダースのラファエロ「ミヒール・コクシー」展
ミヒール・コクシーは、16世紀に活躍したフランダースのラファエロと称される画家。10年ほどローマで過ごし、同地で古典的な手法を学んだ。その時、ラファエロやミケランジェロ、ダ・ヴィンチといったルネッサンスの巨匠の作品から影響を受けた。
故郷に戻ったコクシーは、ブリュッセルやアントワープ、メッヘレンの顧客から、祭壇画やステンドグラス、タペストリーのデザイン絵などを依頼され制作に励み、その後、神聖ローマ皇帝カール5世とフェリペ2世により宮廷画家に任命され、画家としての成功の頂点を極めた。
コクシーの作品に影響を受けた同時代の画家は多く、その一人にルーベンスがいるが、コクシーの名は時代を経て徐々に忘れ去られてしまった。
そんなコクシーに焦点を当てた企画展「ミヒール・コクシー フランダースのラファエロ」が、ルーヴェンで開催されている。
会場となるミュージアムMは、同地の貴族ファン・デル・ケレン家の館を利用したルーヴェンを代表する美術館。
特にファン・デル・ウッェイデンの『トリニティ』や、ペルメークの『ランドスケープ』といった後期ゴシックと19世紀の作品を中心に、400点が常設展示されている。また、12世紀の木彫『上智の座の聖母』をはじめとする彫刻、陶磁器、金銀細工品、ステンドグラス、テキスタイルなどもコレクションされている。屋上のテラスからは、市街地が一望できる。
今回の企画展では、コクシーの作品とその才能に再び脚光をあて、絵画作品をはじめステンドグラスの窓、タペストリーのデザイン絵などが、ミュージアムの壁を覆い尽くしており、中にはゲントの大聖堂の祭壇画「神秘の子羊」の模写といったユニークな作品も観られる。
Michiel Coxcie in M
会期 |
2013年10月31日~2014年2月23日 |
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会場 |
ミュージアムM (ルーヴェン) |
ウェブサイト |
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アクセス |
ブリュッセル中央駅から直通列車で約25分 |
(写真はイメージです)
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