世界遺産「プランタン・モレトゥス博物館」が一時休館
アントワープにある「プランタン・モレトゥス印刷博物館」は、その歴史をルネッサンスおよびバロック時代にさかのぼる世界最古の産業印刷工房。16世紀以降、ヨーロッパで最も名声を馳せた印刷所で、現在は3万もの書物および写本や、1万5千の木版画、銅版画3千、インキュナブラ150、その他にも絵画やデッサンなど、世界最大のコレクションを誇る印刷博物館として知られている。
当時の印刷所は、単に印刷するだけでなく、出版所としての機能も持ち合わせていたため、非常に文化的な場所でもあった。世界一古い印刷機や、一見の価値のあるルーベンスの絵画などが並び、邸宅部分からは当時の富豪の暮らしぶりを垣間見ることができる。
印刷所として1867年まで使用されていた建物は、建築的な価値や、当時ヨーロッパ最大の印刷出版工房の生活と仕事の完全なる例証であることなどが評価され、2005年にユネスコの世界文化遺産に登録された。また、同博物館が所蔵する古文書は、2001年にユネスコの「世界の記憶」として認定を受けている。
そうした「プランタン・モレトゥス博物館」は2016年、4月4日から印刷機の部屋やルーベンスの絵の部屋、書店、中庭などがある1階部分のみが見学可能となる。また、7月4日から9月29日までは全館閉館となり、その後2016年秋にリニューアルオープンする。
改修後は、プランタン=モレトゥス一家が暮らし、働いた場所を、より豊かに体感できる映像や音声を使ったインタラクティブな展示となる他、皮の装丁本の金箔文字、タペストリー、羊皮紙に触れたり、読書室で古書を手に取ることもできるようになるという。
Museum Plantin-Moretus/Prentenkabinet
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(写真はイメージです)
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