ベルギーにある世界遺産の町でカリヨンの音色を楽しむ
ベルギー独特の文化を伝える楽器といえば「カリヨン」。古都に住む人々にとってその音色は、単に時を告げたり、町のシンボルというだけではなく、生まれた時から心に馴染む<音の景色>として愛されている。
フランダースの主要都市ではプロの演奏家が鐘楼を鳴らし、複雑で美しい音楽を奏でるコンサートが開催されている。演奏会を聴くのに準備は不要。ゆったりと街の空気を味わいながら、空間を漂う調べに耳を澄ませてみよう。
アントワープのカリヨン・コンサート
毎週月曜、火曜、水曜は、欧州随一の港町として知られるアントワープに、カリヨンの調べを探しに出かけてみよう。
物語『フランダースの犬』にも登場するルーベンスの祭壇画で有名な聖母大聖堂では、正午から午後1時まで演奏会が開かれている。5月から9月までは、日曜の午後3時からと、7月と8月は月曜の夜8時からも演奏会が行われている。
かつて大聖堂で鐘を鳴らす仕事をしていた人たちが暮らしていたアウデ・コールンマルクト(Oude Koornmarkt)通り16番地には、カリヨンが全盛期を迎えた16世紀当時の雰囲気が残っている。現在はアンティークショップやアートギャラリーが集まっている。画家アンソニー・ヴァン・ダイクの名を冠したお洒落なレストランは、カリヨンを聴くにもお勧めの場所である。
ブルージュのカリヨン・コンサート
ブルージュ中心部、マルクト広場にある高さ83メートルのベルフォルト(鐘楼)は、世界遺産の古都ブルージュのシンボル。13世紀から15世紀にかけて造られた上部の鐘楼には、大小合わせて47個もの鐘が付いている。
ここでも通年、毎週水曜と土曜、そして日曜日の午前11時から正午まで演奏会が行われている。6月下旬から9月上旬には週2回、イブニング・コンサートも開かれている。
鐘楼は展望室にもなっていて、300段以上ある階段を上ると、そこからブルージュの街並が見渡せる他、晴れた日には北海やフランダース地方の森も一望できる。
(写真はイメージです)
関連記事
- None Found