何度でも旅したくなるドイツ・ロマンチック街道の魅力とは? ドイツ観光局がプロダクトセミナーを開催
ドイツ観光局は先ごろ、都内で「ドイツ・ロマンチック街道」のプロダクトセミナーとミニ・ワークショップを開催。これは隔年で開催されている南ドイツワークショップに代わって行われたもので、今回はローテンブルク オプ デア タウバーのクルト・フェルスター副市長を筆頭に、街道を代表してローテンブルク オプ デア タウバーとフュッセンから観光ミッションが来日。最新のプロダクトを紹介するとともに、あらためてツアー造成を呼びかけた。会場には約60名の業界関係者が集まった。
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来場者に向けて挨拶をするローテンブルク オプ デア タウバーのクルト・フェルスター副市長
何度でも訪れたくなるドイツ・ロマンチック街道
「ドイツ・ロマンチック街道」は、1950年にヴュルツブルク、ローテンブルク、アウクスブルク、フュッセン市長の呼びかけにより設立された観光街道である。フュッセンからヴュルツブルクまでの南北およそ460キロに29の都市(2018年6月現在)が加盟し、街道沿いに3つの世界遺産がある。3000年におよぶヨーロッパ史が体験できるドイツの代名詞とも言える観光街道である。
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(c) Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR
豊かな歴史から田園風景、さらには文化・芸術など、ノスタルジックな景観が続くロマンチック街道には、4月から10月までは毎日、国際空港のあるフランクフルトとミュンヘンの2都市を結ぶ、乗り降り自由な「街道バス」が運行されており、個人旅行でも快適に移動できるのが大きな特徴。ジャーマンレイルパス、ユーレイルパス、インターレイルのパス保持者は、20%引きで乗車できる。
また、全長460キロの「ドライブルート」と、それぞれ全長500キロにおよぶ「サイクリングロード」や「ハイキングルート」もあり、特にレベルに応じてアレンジができるサイクリングロードは、自転車でアクティブな旅を楽しみたい層にも理想的な街道といえる。街道沿いには、いずれのルートも色で識別できる標識が分かり易く配置されている。
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乗り降り自由な「ロマンチック街道バス」
(c) Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR
今回のセミナーでは、70年代のレトロなクラシックカーに乗ってロマンチック街道沿いをドライブする新プロダクト「レトロなオープンカーで行く! ロマンチック街道ツアー」が紹介された。このツアーでは、レトロ感いっぱいのクラシックカーでドライブ(150キロ)を楽しみながら、途中でピクニックをしたり、地元の特産品が満喫できる。
中世の面影がそのまま残るローテンブルク
日本ではどこか甘美で空想的な響きを持つ『ロマンチック』という言葉だが、「ドイツ・ロマンチック街道」は時空を超えたような感覚が得られる「浪漫が感じられる場所」という意味合いが強い。
そんなロマンチック街道沿いには、まるで中世にタイムスリップしたかのような美しく小さな町が点在しているが、中でも絶大な人気を誇っているのが「ローテンブルク オプ デア タウバー」。今回のプロダクトセミナーには、このローテンブルクからフェルスター副市長を筆頭に3名が来日し、あらためてその魅力を訴求した。
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ローテンブルク観光局のヨルク・クリステフラー局長
来日したローテンブルク観光局のヨルク・クリステフラー局長は、「季節を問わずメルヘンの世界が広がるローテンブルク オプ デア タウバーは、年間を通して数多くのカルチャー・アクティビティが楽しめる町」と紹介。旧市街にある「マルクス門」は人気のフォトスポットで、夜間にランタンとホルンと槍を手に町の警護をする「夜警」や「マイスタートゥルンク」という民族祭でも知られる町である。
ローテンブルクではまた、民族衣装体験やタウバー渓谷へのエクスカーション、クライミング、ハイキング、サイクリングなどのアクティビティも多彩で、ショッピングでは「Made in Rothenburg」が豊富に揃っていると胸を張る。
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緑豊かな美しいタウバー渓谷
(c) Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR
「ケーテ・ウォルファルト」で一年中楽しめるドイツのクリスマス
そうしたローテンブルクで欠かせないのが、一度訪れたら誰もが魅了されてしまう「ケーテ・ウォルファルト」。ここはリモワ、マイセン、ゾーリンゲン、そしてビアマグ・カッコウ時計といったお土産からブランド品までもが揃う人気のショッピングスポットで、店内にはドイツのクリスマスカルチャーが一年中体験できる夢の世界「クリスマスビレッジ&ドイツ・クリスマスミュージアム」がある。
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「ケーテ・ウォルファルト」のクリスマスビレッジ
(c) Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR
2018年は日本でも良く知られる『きよしこの夜』の誕生から200周年にあたるが、「ケーテ・ウォルファルト」ではそれを記念したオリジナル商品の販売をスタートした。
『きよしこの夜』はオーストリアのザルツブルク郊外で生まれたクリスマス聖歌だが、第一次世界大戦の初めてのクリスマスにドイツ軍兵士がキャンドルを灯し、このクリスマスキャロルを歌ったことが世界に広まるきっかけとなった。
フォトジェニックなスポットが満載のドイツ・ロマンチック街道
一枚の写真が持つ訴求力。絶景ブームの現代においても、やはり外せないのがロマンチック街道である。街道沿いの町の中心から少し離れた場所にも、思わずカメラを向けて連写したくなるような、何度訪れても飽きることのない美しい風景が広がっている。
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何度訪れても飽きることのない風景が広がるロマンチック街道
(c) Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR
ロマンチック街道にある古城といえば、フュッセンにある「ノイシュヴァンシュタイン城」があまりにも有名だが、その他にも足を運びたくなるフォトジェニックな古城が点在している。
その一つがネルトリンゲン・イム・リースを一望するバロック様式の城「バルダーン城」。この城は観光スポットとしての認知度は低いが、ヨーロッパロマン主義が堪能できる隠れた名城で、アルプスの麓にある名だたる古城にも引けは取らない。この城の庭園にあるカフェでは、庭で採れた果物を使ったヘルシーなジュースや自家製ケーキも味わえる。
ロマンチック街道の美食を堪能する
2018年のドイツ観光局のイヤーテーマでもある「ドイツの食」。ドイツ中部のマイン河畔から南部のアルプスまでつながっているロマンチック街道は食の宝庫。この街道を旅する上でも、やはり堪能したいのがドイツの「美食」だ。
ロマンチック街道事務局のユルゲン・ヴュンシェンマイヤー局長も、「地域独特のこってりとした本物の郷土料理はもちろん、オシャレなグルメメニューやフランケンワイン、そしてバイエルンビールまで、壮大な自然と豊かな文化を楽しみながら美食の旅を堪能できるのはここ以外にない」と太鼓判を押す。
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ロマンチック街道事務局のユルゲン・ヴュンシェンマイヤー局長
フランケン地方では、豚の肩肉を使った「ショイフェレ」やマリネしたソーセージを焼いた「ザウレ・ツィプフェル」といった肉の郷土料理があるが、美味しい鯉の養殖も盛んで魚料理も味わえる。
ビールよりもワインが良く飲まれるヴュルツブルクからローテンブルクにかけては、ワインスープやマイン川で獲れた小魚のグリル「メーフィシュリー」というワインを使った郷土料理もある。
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ロマンチック街道はワインや郷土料理といったグルメの宝庫でもある
(c) BAYERN TOURISMUS Marketing GmbH
その他にもシュヴァーベン風のパスタ料理、パンケーキを刻んで入れる「ファンクーヘンズッペ」や「クラウトクラップフェン」、ひき肉とほうれん草を詰めた「マウルタッシェン」、乳製品やチーズを使った料理からデザートに至るまで、1回の旅では味わえないほどの郷土料理の数々が、ロマンチック街道沿いのレストランで堪能できる。
「日独ロマンチック街道」姉妹提携30周年
あまり広く認知されていないが、実は日本にもロマンチック街道がある。「日本ロマンチック街道」は、上田市(長野)から宇都宮市(栃木)までの350キロを結んだ観光街道で、1982年にドイツ・ロマンチック街道を手本に発足した。
その日本ロマンチック街道協会とドイツ・ロマンチック街道が今年、姉妹提携を結んで30周年の節目にあたることから、駐日ドイツ大使館にて日本ロマンチック協会会長である群馬県嬬恋村の熊川村長と、ドイツ・ロマンチック街道事務局のユルゲン・ヴュンシェンマイヤー局長が「両国の観光客と地元住民の繁栄のために」と記された共同文書への署名、および記念品の交換を行った。
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握手を交わす群馬県嬬恋村の熊川村長(左)と
独ロマンチック街道事務局のユルゲン・ヴュンシェンマイヤー局長(右)
ヴュンシェンマイヤー局長は「日本にもロマンチック街道があることは非常に栄誉なことで、非常に親近感を覚える」とコメント。オーバーバイエルンにあるパイティングの桜の木と嬬恋市役所にあるリンデンバウムは、そうした両国のロマンチック街道を通じた交流の証となっている。
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