ドイツのインバウンド観光が10年連続で記録更新
日本は対前年同期比1%増 12月は歴代最高記録を更新
ドイツにおける外国人宿泊数のおよそ4分の3が欧州各国からで占められ、2019年の成長を支えた欧州域内の主要市場はオランダ、スペイン、スイス、ポーランド。欧州外では、南北アメリカ大陸が平均2.6%増となり、この数年、増加を続けていたアジア諸国は2.2%の減少となった。
ドイツインバウンド上位3ヶ国は、オランダ(1170万泊/2.6%増)、スイス(710万泊/3.0%増)、アメリカ合衆国(700万泊/4.3%増)。日本は1,204,390泊で、対前年同期比1.0%のプラスで2019年を終えた。国別ランキングでは前年同様17位となり、上位20ヶ国のステータスを維持することに成功している。
日本の場合、年間通じた結果は微増に留まったものの、12月単月では初めて11万泊を超えて歴代最高記録を更新。具体的には110,512泊、対前年同期比7.6%増となり、2012年以来12月単月の記録を更新している。月別統計では、従来ハイシーズンであるはずの7月や8月を実数で上回った。
この結果を受けてドイツ観光局は「これはドイツのクリスマスマーケットが、日本市場において競争力のある観光テーマになっていることの表れで、またハイシーズンであるはずの夏の海外旅行において、ドイツの競争力が落ちていることもその要因のひとつになっている」と分析。さらに「月ごとの日本人旅客の数値が平準化してきており、ドイツは1年を通じてコンスタントに日本人旅客を獲得できるデスティネーションになっていると言えるが、その絶対数の底上げを図ることがドイツの観光業界が日本市場の重要性を再認識するために重要な鍵となる」としている。
ドイツ観光局のペトラ・へードルファーCEOは、2020年の展望について「2019年は観光業を取巻く不安材料は多々あったが、それでもドイツのインバウンド観光はサクセスストーリーを維持することができている。クオリティーの高い観光の国ドイツというブランド力を売りにした広報活動と一貫性のあるデジタル戦略と的確なターゲットに的を絞ったテーマ設定によって、我々はパートナーと協力しながら、より多くの観光客に感動を与えることができたのである。今後はユーロ圏の経済成長の鈍化、ブレクジット問題、貿易戦争のほか、気候変動やコロナウイルスによる観光業への影響などの諸問題へも対処していかなければならない」とコメントを発表している。
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