ドイツ観光局、コロナからのリカバリー予測と新キャンペーンを発表
今回のプレス発表会で登壇したのは、ドイツ観光局広報マネージャーの大畑悟氏。同氏は、プレス担当としてだけでなく、オンラインマーケティングやソーシャルメディアも担当をしており、プレス発表会ではこの3分野についての報告と発表を行った。
2021年1月時点での国際観光客到着者数は87%減(出典:国連世界観光機関)。ドイツのインバウンドも例外なく新型コロナウィルス感染症拡大による大打撃を受けた国の一つだ。大陸別に比較すると、前年比59.2%減に止まった欧州に対し、アフリカは68.2%減、アメリカは78.9%減、アジアはさらに落ち込んだ81,6%減で、最も大きな落ち幅を示したオセアニアは85.5%減という結果になった。
日本政府観光局(JNTO)が今年1月に発表した2020年の日本人出国数は、前年比で84.2%の減少。そうした中、ドイツにおける2020年1月から今年1月までの日本人宿泊者数は月平均にすると5,000泊程度を数え、ドイツへの旅客は完全に止まっていないことがデータで示された。
新型コロナ感染症によるパンデミックからのリカバリー予測について、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は昨年10月に「新型コロナウイルス感染症のパンデミックからのリカバリーには、予想以上の期間を擁する」との見通しを発表し、概ねその予測通りの結果となっているが、大畑氏によるとドイツ国内でのワクチン接種は順調に進んでおり、現時点で国民のほぼ半数が第1回目の接種を終えていることから、状況的な難しさを理解しつつも「希望を持って臨みたい」と語った。
NBI 国家ブランド指数は総合第1位。特に健康衛生面やインフラにおいて高い信頼性を獲得しているドイツ。日本人観光客の渡独予測としては、ドイツ観光局としては希望的な推測ではあるものの、2023年には2019年比のプラス4%の125万泊程度までの回復に期待しており、その実現に向けた日本の旅行業界関係者への協力を仰いだ。
2021年は「German Local Culture.」でドイツ中小都市の魅力を訴求
毎年異なるテーマを設定し、様々な側面からドイツ観光の魅力を訴求しているドイツ観光局。昨年春、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による渡航制限措置を受け、ドイツ観光局では同局のSNSをプラットフォームにして、日本にいながらにしてドイツを体験できる様々なコンテンツを提供する #DiscoverGermanyFromHome を展開してきたが、この6月からはこれに代わり、ドイツの中小都市と文化に焦点を当てた「German Local Culture.」を、新たなハッシュタグ #YoursTrulyGermany とともにスタートさせた。
これはドイツの中小都市とその町の観光素材に焦点を当てたグローバルキャンペーンで、2021年12月まで実施予定。「Flair:粋」「Craft:匠」「Taste:食」「Green:緑」の4つをサブテーマとし、ドイツ各地の風習、伝統的な職人技や工房、文化、建築物、郊外に広がる豊かな自然といった「ドイツの町の多様性」を魅力的にアピールする。
このVIPパートナーには、ドイツ・ワインインスティトゥート(Wines of Germany)およびロマンティック・ライン観光局、ザクセン=アンハルト州観光局、シュトゥットガルト観光局、ブレーメン観光局が名を連ねている。
本キャンペーンを通じサステナブルツーリズムの促進、および地方観光のマーケティングに繋げるとともに、欧州旅行委員会(ETC)がコロナに関係なく、パンデミック後の観光も「都市観光」が優位になるとの分析していることから、2021年はドイツのさらなるイメージアップのチャンスと捉え、安全・安心な旅のデスティネーションとしてのドイツをアピールする方針だ。
また、7月から10月にかけては #FeelGood も展開。「SDGs」指標 でトップを獲得しているドイツは、Anholt Ipsos Nation Brands Index 2020においても「気候変動問題に最も取り組む国」として評されている。
この #FeelGood は マイクロサイト(英語)上で展開。主として専門家に向け、サステナブルなドイツをアピールする。その他、2021年は「クナイプ 200周年」にあたることから、「German.Spa.Tradition.」(英語のみ)として専門家向けにドイツの温泉地を紹介する。
世界的にワクチン接種が進み、旅行緩和が進む欧州。ドイツも2021年6月6日に日本人渡航者に対する入国制限を解除し、入国の際には48時間以内の抗原検査、あるいは72時間前のPCR検査の陰性証明書を提出すれば、観光目的でも例外なく日本人のドイツ入国は可能となっている。
ただし、日本政府が水際対策として規制している帰国後の自主隔離期間が足枷となり、ドイツ旅行はまだ現実的な状態になっていない。
いつ頃、どの程度までこの措置が緩和されるのか?
観光再開の見通しについてドイツ観光局アジア・オースラリア地区統括局長の西山晃氏は、「ボールは日本が握っている状況」と述べ、プレス発表会を締めくくった。
German Local Culture.
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