ドイツ観光局、3年連続でトップイノベーターとして表彰
1993年にスタートした「TOP 100」認証は、中小企業の卓越したイノベーション能力と、その成功例を顕彰する証。コンペの中核を成しているのは学術的手法に基づく審査で、コンパメディア社から委託を受けたイノベーション研究の権威、ニコラウス・フランケ教授率いる審査チームが、「イノベーション推進に役立つトップマネージメント」「イノベーション環境」「斬新なプロセスと組織」「外部向けオープンイノベーションとイノベーション」、そして「達成度」 5つの分野で100を超える指標に基づいて審査を行っている。
審査員がとりわけ重視しているのは「企業内でイノベーションという目標が、どれだけの価値観をもって扱われているのか」という点。すなわち「ルーティンや習慣が浸透しているか」、それとも「従来のやり方を見直し、創造性のある新たな考え方を市場に定着させようとしているか」という点である。
今回ドイツ観光局がトップイノベーターとして表彰された背景には、学術的手法に基づいて評価を行う審査員をうならせた具体的なプロジェクト「インバウンドトラベルトレンド・ジャーマニー」というデータダッシュボードが挙げられる。これによりビジネスインテリジェンス分野のパートナー業者は、普通では全くアクセスすることができない、もしくは高額な対価を支払ってのみアクセスすることができるデジタルデータにへのアクセスが可能となった。
さらにドイツ観光局は、審査員に対し「ドイツの自然の景観」をバーチャルで体験できる最新のVR世界をプレゼンテーションを実施。最新世代の「Vゴーグル」の使用により、利用者は自由に3Dメタバースの疑似空間を移動できる。また、人工知能を駆使して持続可能性の高い包括的なコンテンツのマーケティングを可能にした「オープンデータ・ナレッジグラフプロジェクト」も評価の対象となった。
今回の受賞を受けドイツ観光局CEOのペトラ・へードルファー氏は「これまでのイノベーションコンペ『TOP 100』で表彰を受け続けてきたことにより、当局は最新技術を実用化したデジタルパイオニアであり、同時にまた『観光の国ドイツ』を持続可能性の高い旅先として全世界にアピールし続けたペースメーカーであることが明確になった。我々のイノベーション戦略の必須要素はトレンドを早期に認識し、その実用性を検証。そして、中小規模の業者が大半を占める旅行業社の経験値と、迅速に、うまくリンクさせることである」と述べている。
なお、イノベーションコンペ「TOP 100」の主宰者は、学術ジャーナリストのランガ・ヨゲシュワー氏で、フラウンホーファー応用研究所と中小企業連合会(BVMW)プロジェクトパートナーに、またマネジャー誌とインパルス誌とツァイト紙がメディアパートナーとなっている。詳細は、以下のウェブサイトを参照。
Die TOP 100
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