イタリアから生産者が来日し「スローワイン」の魅力を訴求
本イベントではまた、日本におけるイタリアワインの第一人者の宮嶋勲氏を講師に招いた3つの試飲セミナーも実施。創刊10年目を迎えた「スローワイン・ガイドブック」の編集長を務めるジャンカルロ・ガリリオ氏も登壇し、「スローワインが考えるワインと環境の持続可能性」「ピエモンテの卓越したワイン」「イタリアの卓越したワイン 北から南まで」の3つをテーマに、選りすぐりのスローワインが紹介された。
イタリアで生まれた「スローフード運動」
1980年代には「美味しいこと」が重要視されていたイタリアワインは今、時代が求めるテロワールを反映したワインへと変化している。伝統食や農業の保護を考えるイタリア発祥の食文化運動「スローフード」が、イタリアで提唱されたは1986年のこと。以来、イタリアでは「持続可能」を模索するスローフードの意識が一層高まっている。
そうして誕生したのが、ガンベロロッソと一緒に発行された『スローフード・エディトーレ』。当初はその中にワインも含まれていたが、10年ほど前に『スローワイン・ガイドブック』として単独発行されるようになった。
『スローワイン・ガイドブック』では、持続可能な農法や産地の伝統に関連付けた編集が行われている。単純にBioワインを集めたガイドブックではなく、掲載したすべてのワイナリーを直接訪問し、ワインと合わせてワイナリーもチェック、特に栽培方法を重要視しており、有機栽培の認証を得ている+品質が高い+産地や土地の特徴(テロワール)を反映したスローワインが紹介されている。「製造背景を知ってもらうことで、ワインをより深く理解してもらいたい」と、ジャンカルロ氏は言う。
第1回目のセミナーでは、そうした中からアゾロ(ヴェネト州)の「CASE PAOLIN」、エトナ(シチリア州)の「I CUSTODI DELLE VIGNE DELL’ETNA」、ヴェルディッキオ(マルケ州)の「PIEVALTA」、D.O.C.Gに格上げされたニッツァ(ピエモンテ)のバルベーラを産み出す「TENUTA GARETTO」、ウンブリア州の「BUSSOLETTI」、ロマーニャ(エミリア・ロマーニャ州)の「VILLA VENTI」、キアンティ・クラシコ(トスカーナ州)の「FÈLSINA」とシエナ「CAMIGLIANO」のブルネロ・ディ・モンタルチーノの8本が選ばれた。
近年、日本でも広がりをみせる「ワインツーリズム」。イタリア全土にある約2,000軒のワイナリーを審査し、選定されたワイナリーが紹介された『スローワイン・ガイドブック』片手に、「イタリア・スローワイン・ツアー」を楽しんでみてはいかがだろうか。
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