フェルメールの「小路」が、デルフトに320年ぶりの里帰り!
オランダのデルフトに生まれ、生涯のほとんどをこの町で過ごした画家フェルメール。だが、30点あまり現存するフェルメールの作品のうち、デルフトに残っているものはない。そんなフェルメール作品の一つ、アムステルダム国立美術館所蔵の「小路」が来春、故郷のデルフトに戻って来ることになった!
フェルメールの作品は、女性を主人公とするささやかな室内の風景を描いたものが多く、屋外の風景を描いた現存する作品はわずか2点しかない。その一つが「小路」である。先日、アムステルダム国立美術館で行われたアムステルダム大学美術史教授の最新の研究結果によると、本作品のモデルとなった通りはデルフトの「フラミング通り40-42番」で、絵画に描かれた家(右側)に叔母が住むなど、画家にとって縁の深い場所だったという。
デルフトの旧市街には、17世紀当時の建物が数多く現存し、フェルメールが生きた時代を彷彿とさせる風情がたっぷり残っている。フェルメールが歩いた道を気ままに歩き、その足で町並みを描いた作品が鑑賞できる絶好のチャンスとなっている。
本作品の展示が予定されているのは、デルフトの繁栄の歴史を紹介する絵画、陶器、タペストリーなどを常設展示する「プリンセンホフ博物館」。かつて修道院だった建物には、16世紀にオランダ建国の父ウィレム1世が暮らし、暗殺された場所としても知られている。
この特別展の会期は、2016年3月25日から7月17日まで(予定)。デルフトは、オランダ王家ともゆかりの深い古都。この機会にゆっくりと観光や散策を楽しんでみるのはいかがだろうか。なお、特別展の会期中は、「小路」はアムステルダム国立美術館に展示されないので注意しておこう。
'Straatje' van Johannes Vermeer na 320 jaar terug naar Delft
会期 |
2016年3月25日~7月17日(予定) |
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場所 |
プリンセンホフ博物館 (デルフト) |
ウェブサイト |
(写真はイメージです)
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