どうなる?香港観光
この新国際空港の建設は21世紀に向けての香港の更なる繁栄の基盤を築くものである。アジアにおける貿易、金融の中心的役割を一層確固たるものにするのみならず、同時に、各種の国際会議やコンベンション、それに、中国貿易がらみの産業展示場などの理想的な開催地としての香港の強みをさらに有利に押し上げることは確実である。
また、この地域の観光開発の面での役割も大きい。この新空港は単に香港だけの空港ではなく、中国観光、特に次に述べる珠江デルタ観光の空からのゲートウェイとなるものであり、将来的には、同じ頃に完成する新広州国際空港や既に稼動しているマカオ国際空港、また、シンセン経済特区のシンセン空港などと競合しながら、遠からず海南島をも包含する華南観光園のハブ空港ともなるべき極めて重要な役割を持つことになるのである。
さて、最後に、カイタック空港の跡地はどうなるのか、ということに触れたい。
前項で述べた「香港プロモーション95・・香港・日本--未来へのきずな」キャンペーンの資料によると、今までの滑走路の周囲を埋立てて、中心街に近い香港最後の広大な敷地を造成し、香港の副都心ともいえる「香港の中の新しい都市」を建設する計画がある。
これも前述の港湾・空港開発戦略(PADS)の1つなのである。まだ細部にわたっては最終的に煮詰まっていないらしいが、そこには近代的なオフィス街、ホテル、ショッピング・センター、各種のビジネス・センター、それにプレイグランドなどもできることになっている。香港の新しい摩天楼街が出現するわけで、香港の夜景も更に一段と大きな輝きを増すことであろう。