ドイツ観光局、バーチャルフォーマットを駆使して観光業界のプレゼンスを強化

2021年02月09日 掲載

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そのリカバリー戦略の中核となるのが、ブランド認知度の向上とインスピレーションの喚起。ドイツ観光局ではロックダウン期間中、世界市場で実施されているあらゆる「共感キャンペーン」で、チャットボットなどの人工知能や機械学習や予測分析といったデジタルコンテンツを一貫して利用し、ドイツ観光業界のデータ活用能力を向上させている。同プロジェクトは、ドイツ連邦政府の新たなデータ戦略を反映したものでもある。


DZT Recoversy strategie 2

画像提供:ドイツ観光局




オープンデータ / ナレッジグラフプロジェクトは実用化段階に

プラットフォーム経済のグローバル化により、そのニーズとハードルが高まっている技術的および商業的課題。それに応えるべくドイツ観光局は、「『観光の国ドイツ』として、ターゲットとなる顧客が観光商材や商品はあらゆるデジタルチャンネルで、しかも人工知能も活用できる形で存分に利用できるものでなくてはならない」としている。

これは、観光業価値創造チェーンに関与するすべてのデータコンテンツが網羅され、それぞれの意味に基づいた形で系統化、多彩なインターフェイスでアクセスできるようにするということで、「これによってスタートアップ段階で、新たなビジネスモデルが生まれる可能性も生じる」としている。



産業界との持続的なコンタクトを保証するバーチャルイベント

デジタルフォーマットは、2021年も世界中の旅行業者との対話で中心的役割を果たすことになることから、ドイツ観光局は3月9日から13日までバーチャル開催される観光見本市「ITB Berlin NOW」に世界中の支局と共に出展。ドイツに観光客を送り込んでいる市場国の主要観光業者をネットで繋ぎ、コロナ禍からのリカバリー戦略をはじめ、2021年の世界市場をみんなで協力しながらどうしていくのか、また将来的な展望をどう構築していくのかについても話し合うという。

また、「サスティナブルツーリズム戦略」との関連で、ドイツ観光局は「ITB NOW」と並行する形で3月12日にバリアフリー旅行デイというイベントを実施する。このイベントは今年で10年目を迎えるが、バーチャル形式で開催されるのは初めてのこととなる。

なお、「観光の国ドイツ」にとって最大のインバウンドワークショップとなる「ドイツトラベルマート(GTM)」は、コロナ感染の現状と昨年の前向きな経験に基づき、2021年も再びオンライン形式で開催。日時は2021年4月25日から27日まで予定されている。


DZT Recoversy strategie 1

画像提供:ドイツ観光局




デジタルの活用で顧客とのコンタクトを内容の濃いものに

ドイツ観光局はまた、バーチャルな空間でエンドユーザーと対話ができるフォーマットを追加し、顧客とのコンタクトを内容の濃いものにする考え。ソーシャルメディアマーケティングにおいては、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)や複合現実(MR)と並行し、若年層に「観光の国ドイツ」をアピールするとともに、共感してもらえるようゲーミフィケーションも採用する。なお、現在チャットボットによるB2C対話およびゲーミフィケーションの言語は、英語のみの対応となっている。


ドイツ観光局CEOのペトラ・へードルファー氏は、「分析によると、世界中の観光業のコロナ禍からの回復は概ね2021年から始まるという点で一致している。今すべきことは、『観光の国ドイツ』というブランド認知度を向上させ、現状に逆行するマーケティングで我々が提供するサービスへのニーズを高めることである。デジタルフォーマットとテクノロジーは、顧客との対話をピンポイントで的確なものにし、世界中の観光業者とのコンタクトをより充実したものにし、そこで得られた知識やノウハウをドイツ観光のパートナーと共有するための新たな見通しを切り開いてくれるものである。我々は、2020年の危機状態をデジタルプロファイル先鋭化のチャンスと捉え、これを実行してきた。我々はパートナーと協力しながら、ドイツのインバウンド観光をコロナ禍から1日も早く回復させていく」とコメントしている。


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