ラトビア国立オペラ座の新作初演 《2015》
90年以上の歴史を誇るラトビア国立オペラ座は今年、2つの初演を迎える。その1つが、2月20日に幕を開けたジャコモ・プッチーニの『マノン・レスコー』、もう1つが3月27日から始まるアイヴァルス・レイマニスバレエ団の『ライモンダ』である。
オペラ『マノン・レスコー』(原作:アベ・プレヴォー著『ある貴族の回想録』)は、プッチーニが初めて大成功をおさめた作品であるが、プッチーニ以前にフランス人ジュール・マスネがオペラとして上演。そのため、プッチーニによるオペラ化の試みを、その友人たちは何度も思いとどまらせようとしたという。
しかし、運命に翻弄される主人公マノンに夢中になったプッチーニは、自らも「彼女こそが、私が思い描いたとおりのヒロインだ。だが、今のままでは観衆の心をつかみ損ねている。なぜマノンのオペラが2つあってはいけない。マノンのような女性は、恋人が2人はいるだろう。」と、言い放ったそうだ。
今回、古代から現代ローマへと移すという斬新な切り口で迫る同オペラ座の『マノン・レスコー』に、ぜひご期待頂きたい。
一方、バレエ『ライモンダ』は、中世のフランスを舞台にした作品である。ストーリーは、ライモンダという美しい女性の恋人(騎士)が、十字軍遠征へと出かけていくことから始まる。全編にわたりヒロインの心の起伏や女性の持つ美しさ余すところなく表現したバレエ作品で、見どころはヒロインに横恋慕する王子の登場の場面。王子は東洋の国サラセンからの出であり、ゆえに彼の踊りは東洋のエキゾチックさと情熱が溢れている。
ロシアで生まれたこの作品は、マリウス・プティパ(振り付け師)の集大成といえるものであった。当時、80歳であった彼は、この作品で人生の黄昏にもう一輪花を咲かせた。アイヴァルス・レイマンスが振り付けを担当する本公演にも、是非ご注目頂きたい。
ラトビア国立オペラ座では毎年1シーズン(9月~翌年5月)に、平均6つの新しいバレエとオペラ作品が初演されている。1シーズンでの上演は200回を数え、交響曲や室内管弦楽のコンサートも催されている。
Latvijas Nacionālā Opera
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(写真はイメージです)
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