ハノーバーを起点に鉄道で巡る北ドイツの旅
レイルヨーロッパジャパンが去る1月に行った読者プレゼントで、「今年行ってみたい旅行地」で一番多かったのが「ドイツ」。都市や地方、古城、街道などが声があった。
そこで、今回レイルヨーロッパジャパンがお勧めするのが、ハノーバーに4泊して、魔女が住むというブロッケン山のあるハルツ山地の小さな町をはじめ、エリカ街道沿いのリューネブルクやツェレといった世界遺産の町を訪れ、最後に首都のベルリンへと移動するルート。この旅程では何度も列車に乗るので、2015年3月27日まで20%割引キャンペーンが行われているジャーマンレイルパスを使用する。
列車で訪ねるハルツ山地の世界遺産の町
ゴスラーとクヴェトリンブルク
ハノーバー国際空港のターミナルCにある鉄道駅からSバーンに乗り、約17分でハノーバー中央駅に到着する。Sバーンは 30 分ごとに運行されており、とても便利。ハノーバー中央駅には荷物用のロッカーや、ドイツ鉄道インフォメーションブース、カフェやレストラン、キオスクなどさまざまな設備が整っている。このハノーバーでは、バロック様式のヘレンハウゼン王宮庭園、オペラハウスやマルクト教会、ライネ城や旧市街散策、緑豊かなライネ川沿いの散策など、ハノーバー王家ゆかりの町を楽しむ。
3日目は、ハルツ山地の世界遺産の町を探訪。午前中にハノーバーからERXに乗り約1時間6分のゴスラーへと出かける。ゴスラー駅には荷物用ロッカーの設備はあるが、ドイツ鉄道のインフォメーションブースやトイレの設備はない。
ハルツ山麓の小さな町ゴスラーは、10世紀頃にハルツ山脈の鉱山で金銀銅などの採掘が始まり、ハンザ同盟にも加入して栄えた場所。今も木組みの家がずらりと並び、シャッターチャンスの多い可愛らしい町である。ゴスラー駅から南へ10分も歩くと、観光案内所もあるマルクト(中央)広場に到着。細い路地など歴史ある町並み散策が楽しめる。
午後はHEXでクヴェトリンブルクへと移動する。所要時間は約1時間19分。クヴェトリンブルクも見事なまでの木組みの家がずらりと並ぶ魅力的な町だ。旧市街となるマルクト(中央)広場の近くには木組の家博物館もある。ロマネスク様式の聖セルヴァティウス教会と城博物館は必見。なお、クヴェトリンブルク駅には、ドイツ鉄道のインフォメーションブース、トイレ、荷物用ロッカーはない。
ハノーバーから列車で30分圏内の古都を訪ねる
鉄道でエリカ街道沿いの古都へ
4日目は、ヒルデスハイムとブラウンシュバイクを訪れる。古都ヒルデスハイムには、11世紀頃に建造された聖マリア大聖堂(現在改修工事中)と聖ミヒャエリス教会の2つの世界遺産がある。初期のロマネスク様式の代表的な建造物であると同時に、優れた美術作品の数々が残されている。また、旧市街のマルクト広場には木組みの美しい家が並んでいる。
午後は、ハンザ同盟都市であり、ライオンがシンボルの王都ブラウンシュバイクへと移動する。ヒルデスハイム駅からICE に乗ると、わずか20分余りでブラウンシュバイク中央駅に到着する。見どころは、ブルク広場のライオン像、その側にある聖ブラジイ大聖堂やダンクヴァルデローデ城などだが、この町で見逃せないのが、ドイツ屈指の古美術を集めたアントン・ウルリヒ公美術館(1700年代半ばオープン)である。
17世紀に活躍したオランダの画家フェルメールファンにはお馴染みの美術館で、ここにフェルメール作品『ワイングラスを持
つ娘』が収蔵されている。この他、レンブラントやルーベンスなどの作品も収蔵されている。同美術館は2015年まで改築工事が行われているが、フェルメール作品など収蔵美術品の一部は、ダンクヴァルデローデ城に展示されている。ブラウンシュヴァイク中央駅からハノーバー中央駅へは、ICで約32分、REで約45分でアクセスできる。
翌日は、ドイツ北部のエリカ街道沿いの2つの古都リューネブルクとツェレを訪れる。ハノーバー中央駅からICに乗って1時間足らずでリューネブルクへと到着。駅にはDBインフォメーションブースや、荷物用コインロッカー、トイレなどの設備が整っている。
リューネブルクは、かつて塩の産地として多いに栄え、バルト海沿いのリューベックまで良質なリューネブルク産の塩が運ばれた。マルクト広場にある観光案内所で見どころを教えてもらったら、早速地図片手に散策へ出かけてみよう。ドイツ塩博物館も見どころの一つ。オレンジ色の屋根が並び、メルヘンチックな町である。
午後はリューネブルクからハノーバーに向かう途中、ツェレで下車。ICまたはICEで40分足らずでツェレ駅に到着する。
ツェレ駅には荷物用コインロッカーや、DBインフォメーションブースはない。北ドイツの真珠と讃えられるツェレは、まるで絵本や童話に登場するような町。旧市街の家並みはカラフルな壁と木組みがとても印象的である。見どころは、市庁舎や城、この町で一番美しいといわれるホッペナーハウス、ボーマン民俗博物館などがある。
ハノーバー~ベルリン間はICEでわずか1時間40分
ベルリン中央駅はまるでショッピングモール!
ツェレ駅からハノーバー中央駅へは、ICで20分足らず。ハノーバー中央駅に預けておいた荷物を持って、高速列車ICEに乗ると、1時間40分ほどでベルリン中央駅に到着する。ガラス張りのモダンな外観が印象的なベルリン中央駅の構内には、ファッションや食料品関連のショップ、ドラッグストア、カフェやレストラン、フードコートなどの店舗がずらりと並ぶ。
夜遅くまで、さらに日曜も営業しており、列車に乗らない人にとっても利便性の高い駅となっている。グランドフロア(日本では1階)から1つ上の階、または1つ下の階にドイツ鉄道(DB)の窓口があり、荷物預かりコーナーも設置されている。
何度訪れても新たな発見がたくさんあるベルリンだが、美術に興味があるならシュプレー川の中洲にある博物館島へ行ってみよう。冷戦時代の東西ベルリンの歴史を垣間見るなら、チェックポイント・チャーリーや、残されているベルリンの壁がお勧めだ。ベルリン中央駅から空港へは、エクスプレスバスを利用すると便利だ。
旅程 (提供:Rail Europe Japan)
日 | スケジュール | 宿泊都市 |
1日目 | 日本から空路ハノーバーへ 着後、ホテルへ移動 |
ハノーバー泊 |
2日目 | 終日、ハノーバー市内散策 | ハノーバー泊 |
3日目 | 朝、ERXでゴスラーへ(約1時間6分) 散策後、HEXでクヴェトリンブルクへ(約1時間19分) 散策後、HEXとERXを乗り継いでハノーバーへ(約2時間37分) |
ハノーバー泊 |
4日目 | 朝、Sバーンでヒルデスハイムへ(所要時間約30分) 散策後、ICEでブラウンシュヴァイクへ(約23分) 市内散策後は、ブラウンシュヴァイクからハノーバーへはICで約32分 |
ハノーバー泊 |
5日目 | 朝、ICでリューネブルクへ(約56分) 市内散策後、ICまたはICEでツェレへ(約37分) 市内散策後は、ツェレからハノーバーへはICで約18分 ハノーバーからICEでベルリンへ(約1時間39分) |
ベルリン泊 |
6日目 | 終日、ベルリン市内散策。 | ベルリン泊 |
7日目 | ベルリン・テーゲル空港から、欧州内の都市を経由するなどして日本へ | 機内泊 |
8日目 | 日本着 | - |
Rail Europe Japan
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(写真はイメージです)