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大都市・ベルリンのクリスマス・マーケット 仕事帰りにポツダム広場で一杯
ワルシャワから「ベルリン・エクスプレス」に乗ること約6時間、ベルリン中央駅に到着する。
近代的に整備された駅にはアーケード街のショップの明かりが煌々と灯り、有名なクリスタルメーカー・スワロフスキーのツリーが立っている。
クリスタルのオーナメントで飾られたスワロフスキーのツリーはフロア3階分はあろうかという大きさで、駅の吹き抜けにそびえ、さすが大都市ベルリンという印象を与えてくれる。
さて、ベルリンのクリスマスマーケットはツォー駅前、アレクサンダー駅前広場、ポツダム広場、ウィルマースドルファー・ストラッセ駅前の広場など、さまざまなところで開かれており、それぞれに趣があって面白い。
ポツダム広場のクリスマス・マーケットはある意味、近代ベルリンの象徴ともいえる雰囲気だ。
背後にメルセデス・ベンツとソニービルがそびえる広場には氷の滑り台が設えられ、家族連れや若い学生カップルの歓声が響く。夕方ともなると仕事帰りの人たちが集まり、そこここでグリューワインを傾けソーセージをかじりつつ、談笑に花を咲かせている。
「ドイツの市場は食べ物の屋台が多い」という話を聞いたことがあったが、「なるほど」と妙に納得。
ビジネスマンたちにとって、クリスマス・マーケットは仕事が終わった後の、この時期ならではのお楽しみになっているのだろう。
なんだかちょっぴりうらやましい気がした。(TN)
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快適列車・ICEでハンブルグへ
ベルリンからのエクスカーションということで、ICE(写真左)の1等車でハンブルグへ出かけてみた。
ICEはいわゆるドイツの新幹線で、ベルリンからハンブルグまでは片道わずか1時間半ほど。日本の一般的な通勤時間とそう変わりはないから、十分に日帰りが可能だ。
しかも今回はフンパツして1等車に乗ってみる。いわゆる、日本で言うところのグリーン車に当たるだろうか。
日本ではグリーン車には乗ったことがないのだが、こういうゼイタクも旅の醍醐味かもしれない。
列車は出発の約10分前に駅に到着する。シートは広くゆったりとしており、座席はレザー貼り。テーブルはしっかり・どっしりした木製や、日本でも一般的な座席前の開閉式のものがあり、ビジネスマンがパソコンを広げて仕事をするには十分なスペースがある。
また、1等車専用に食事のサービスもあり、コーヒー、ビールなどのドリンクはもちろん、サンドイッチ、ソーセージ、スープ、朝食セット、スイーツのセットがある。カップ(写真右)のデザインがなかなかシンプルな洒落具合でドイツらしい。
オーダーは、1等車両専属のアテンダント(写真左)にお願いする。
もちろん英語も十分に通じるが、アテンダーの女性が知っている日本語で一生懸命説明しようとしてくれる、その気持ちがとて嬉しい。
ハンブルグにあと20〜30分ほどで到着しようかという頃には、クッキーやビスケットなどのサービスがある。総じて日本の国内線に乗っているような気分だ。
これはなかなか快適だと思っているうちに、ハンブルグに到着した。ドイツ第2の都市、ハンザの港町・ハンブルグのクリスマス・マーケットへいよいよ繰り出すことにする。(TN)
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港町・ハンブルグの“パーティー”
ドイツ第2の都市・ハンブルグ。クリスマス・マーケットは、市庁舎前、港、内海のアルスター湖の港などあちこちで開かれている。
一番ハンブルグらしいマーケットといえば、やはり港のマーケット(写真左)だろう。
だが、この日の天気は冬の寒さ+冷たい雨ゆえ、市内から近い内アルスター湖の港に向う。
が、港に近づくにつれ、海風も加わった横殴りの雨はまさに頬を刺すといった感じだ。
気分はまさに厳しい冬のバルト海に立ち向かう、古のハンザの商人たち……ではないが、しかし、内海に浮かぶクリスマスツリーは、ハンブルグらしい趣を感じさせてくれる。
また、市庁舎前広場で開かれているマーケットには、屋内のクリスマスグッズのショップ(写真右)もある。
屋台ブースではなく、温かい室内でゆっくり買い物ができるので、こういう天気の時はなおさらありがたい。
驚いたことは、悪天候にもかかわらずマーケットには観光客や、地元の人たちなどが大勢訪れていることだ。
雨露でにじんで見えるイルミネーションの中を、クリスマスソングが楽しそうに流れる。クレープやワッフルの甘い匂い、ソーセージやハンバーグを焼く肉の匂い、グリューワインの匂いなどが混ざり合う中を、傘をさしながら歩く人の多いこと。
「私たちのクリスマス・パーティーを楽しんで行ってね」とは、体を温めるために入ったカフェの女性スタッフの言葉。冬場は空も海も暗く重たくなる北ドイツ・ハンブルグで、クリスマス・マーケットがどのような存在であるのかがわかるような気がした。(TN)
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ドレスデンの待降節(アドヴェント)イベント「Der Musikalische Weihnachts kalender」
アドヴェント・カレンダーとは、待降節の日付――。大体は、12月1日から24日まで――が書かれた、この時期ならではの暦だ。
日付が小窓になっているものもあり、子どもたちは「もういくつ寝るとクリスマス」とワクワクしながら、毎日この小窓を開いていくと聞く。
ザクセン州の州都、ドレスデンで音楽とともにアドヴェント・カレンダーを開くお祝いしようというイベント「Der Musikalische Weihnachts kalender」に遭遇した。
今回の会場は、新市街の教会。教会の扉に今日の日付が飾られ、教会前広場にはイベントを待つ人たちが無料サービスのグリューワインで体を温めながら開始を待っている。
教会の鐘が7時を告げると、サンタクロースが登場。挨拶、そして今日の出演者の紹介を終えると教会の扉が開き、同時にミニコンサートが始まる。
公演は男女6人のアカペラグループが歌うクリスマスソングやアカペラの名曲など。
セミプログループなのか、市民グループなのかはよく分からないが、いわゆる町内会や商店会のイベントにある素人っぽさが感じられない、堂に入った歌いっぷりだ。途中雨が降り出したものの、十分楽しめた30分だった。
この12月1日から24日まで、19時から30分程度行われる。詳細は、Der Musikalische Weihnachts kalenderを参照。(TN)
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ゼンパーオーパーでバレエ「くるみ割り人形」を観る
ドレスデンのシンボルのひとつ、ゼンパーオパー(写真右)。1816年に建設された欧州屈指のオペラハウスだ。
ゼンパーオーパーの歌劇団は日本でも公演を行うなど日本人にも馴染み深い歌劇団だが、この劇場にはバレエ団もある。海外で活躍する日本人ダンサーのひとり、竹島由美子さんもゼンパーオーパー・バレエ団のプリンシパルとして活躍している。
加えて、欧州でクリスマス・シーズンを過ごすなら、やはりバレエ「くるみ割り人形」はやはり観ねばなるまい。
というわけで、今日はドレスアップしてゼンパーオーパーへ出かけた。
設計者ゼンパーの名を冠したこの劇場は1826年に完成するものの1度火災で焼失し再建されたが、さらに1945年の大空襲で焼失し、その後約40年をかけて建て直された。
青く輝く柱、大理石の床、淡い色使いながら奥ゆかしい壮麗さの天井画など、劇場内部を見ているだけでも溜息が出る(写真左)。
開演の鐘が鳴り、いよいよ舞台が始まる。このカンパニーの「くるみ割り人形」は、ジョン・ノイマイヤー版。
いわゆる日本で頻繁に演じられる“一般的な”プティパ・イワノフ版の「くるみ……」とは違い、振りやストーリーの筋、登場人物などに独特のアレンジがなされている。
残念ながらこの日は竹島由美子さんの出演はなかったが、日本では演じられる機会があまりないバージョンなのが嬉しい。
主人公マリーとともにドロッセルマイヤーに導かれて不思議な夢の世界へ。全2幕、約2時間の公演があっという間に終わった。(TN)
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ドレスデンの心(ハート)に響くトランペット 聖母教会でのクリスマス・コンサート
1945年、大空襲で完膚なきまでに破壊されたドレスデン。
2005年に再建された聖母教会(写真左)は、ドレスデン復興の、そして市民の心の象徴として、おそらくこの町で最も愛されている建物だという。
今回、その聖母教会でクリスマス・コンサートが開かれるので出かけてみる。
教会内部はわずか2年の年月しか過ぎていないゆえか、“真新しい”祭壇の白色が、ライトに照らされ淡く優しい神々しさを感じさせる。
しかし、教会内陣右手に飾られた黒く焼けただれた大きな十字架が、この教会の、またドレスデンが被った歴史を思わずにはいられないほどに、静かに語りかけてくるのである。
座席に着き、上を見ると教会の特徴「石の釣り鐘」型の天井の、さらに上の鐘楼までが見える。
鐘楼を通して夜空が見え、最上部に飾られたクリスマスのオブジェ「ベツレヘムの星」が静かに揺れている。(写真右)
ほどなくオーケストラが、次いで合唱隊、ソリストたち、マエストロが入場し、コンサートがスタートした(写真下)。
演奏者はゼンパーオパー所属の音楽団員、フリーランスのソリスト、はたまた観光局のスタッフなど、この聖母教会のコンサートのために集まったプロやセミプロの音楽家たちだという。
今回の演目は、バッハの「クリスマス・オラトリオ(Weihnachtsoratorium, BWV 248)」。合唱「喜びの声をあげよ、喜び躍れ!この日々をほめたたえよ!」で始まり、高らかなトランペットの澄んだ、透明な音色とともに合唱隊のコーラスが堂内に響き渡る。
身震いするような音響とエコー。コンサートホールでは決して味わうことのできない感慨が込み上げてくる。まるで、音楽が螺旋の渦のようなエネルギーとともに、鐘楼から天へと昇華していくようだ。
バッハの壮麗な教会音楽は、まさにこうした、神様に一番近いところで演奏され、また聴いてこそのものだと、心の底から実感する。
約3時間半のコンサートだが、あっという間に終わる。頭の中でいつまでも鳴り響き続ける「カンタータ」のトランペットとともに、教会を後にした。あとは静かに、ホテルへの帰途に着くだけでいい。
なお、聖母教会のコンサートは、クリスマスシーズンの他にも週末などに開催されている。詳細は、http://www.frauenkirche-dresden.de を参照。(TN)
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ドイツ中世風のクリスマス・マーケット 〜ドレスデン
世界最古のクリスマス・マーケットのある町、ドレスデン。ここでも中世風クリスマス・マーケットが行われている。
場所は、有名なマイセン・タイルの壁画「君主の行列」のそばにあるゲオルグ門をくぐった広場。
この中世風マーケットは数年ほど前から始まったもので、平日は無料だが土曜と日曜は3ユーロの入場料が必要となる。それにもかかわらず、週末は行列ができるほどの賑わいだ。
このマーケットには食べ物の屋台が多く、また売っているものも別段中世に限ったものではないが、市が城壁に囲まれた広場の建物内で行われているので、ワイマールとはまた一風違った中世らしい趣がある。何より店舗の数が非常に多く、階段と繋がれ2層になった城壁内にびっしりと並んでいる。
お祭りの時に出るという、白い粉が吹いたパンの上にサワークリームが乗った食べ物(写真左上)は、ひとつ3ユーロ。中に熱々のチーズやハムなどが入っていて、1個で十分お腹にたまる。
また、中には錫製の中世時騎士の人形やサーベル、斧、兜など中世グッズを売っている店(写真右)もある。
どれもこれも「やはり本場ヨーロッパ!」と思わせる作りで、ファンタジー小説やRPGゲームのファンなどは思わず手が出てしまいそうになる品揃えだ。ちなみに小型サーベルをはじめ小さめの中世グッズは20〜40ユーロほどで売られている。
刃物系はもちろん土産用の作り物でまったく切れそうにないが、帰りの飛行機でチェックが入ると面倒だと自分に言い聞かせて今回は大人しくあきらめた。
ひしめき合う人たちをかき分けてマーケット巡りをしていると、中世の活気のある市場はこんな感じだったのではないかと思えてくる。(TN)
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おじいちゃん、おばあちゃんが伝えるザクセンのクリスマス
ドレスデンの新市街に「ザクセン民芸博物館(Museum für Sächsische Volkskunst)」ある。
同館には昔ながらのツリーやピラミッド、クリッペなどが展示されているが、クリスマスの期間中はお年寄りたちによるガラスボールの絵付けやレース編み、オーナメント作りなどの実演が見られるほか、レース編みの体験といった特別展が行われている。
ここでワークショップを行っている人のほとんどは、すでにリタイアした方々。ガラスボールの絵付けをしているフランク・フォルカー・オルトナーさん(写真右)も「リタイアして、今はこれが楽しみ」と語ってくれた。
絵柄はオルトナーさんのオリジナルで、中には日本の着物の図案を元にした絵柄もあるとか。
ツリーに下がっているガラスボールを指差し、「キモノ、キモノ」と嬉しそうに教えてくれた。
クリッペやオーナメント用のセラミック人形を作っているエリザベス・ビッテルさん(写真左)は、カルチャースクールの先生。 「伝統を次世代に残すために、色々なところでセラミック人形の作り方を教えている」という。
「そういえば」とガイドさん。
旧東ドイツ時代には現在のようなクリスマス・マーケットは行われず、ショッピングセンターでクリスマス・グッズが販売されていたそうだ。当時、天使は「空飛ぶ人形/人間」と呼ばれていたのだという。
レース編みコーナーで、リボン作りに挑戦してみた(写真右)。
が、この糸のついたボビンを絡める順番を覚えるのが難しい。
おばあちゃんが「右、左、左を下に通して右を上に……」と丁寧に教えてくれるものの、なかなか組み方が複雑で、糸よりも頭の方がこんがらがってしまいそうだ。
これはマニュアルや理屈よりも、実際に見て、教えてもらわなければ覚えられないものだろうと実感する。
さまざまな時代の変遷を乗り越えてきたお年寄りたち。
伝統がいかにして守られ、伝えられていくのかという姿を身にしみて感じた。(TN)
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くるみ割り人形の故郷、ザイフェンの工房を訪れる
ドイツのクリスマス・マーケットを歩いていると、くるみ割り人形、ロイヒャーマン(スモーキング・マン)、クリスマス・ピラミッド、クリスマ・アーチといったクリスマスの装飾品を扱った屋台を目にする。これらの多くが、くるみ割り人形の故郷と言われる村、ザイフェンからやって来るのをご存知だろうか。
ザイフェンは、ドレスデンから南へ車で約1時間半、チェコとの国境に程近いエルツ山地村にある。15世紀後半から錫など鉱業で発展を遂げたが、19世紀中ごろに鉱脈が尽きたのを期に、鉱夫たちの副産業であった木工民芸品を主産業として発展するようになった。
ザイフェンを訪れたこの日は、クリスマスを間近に迎えてたこともあってか、村は多くの人でにぎわっていた。
村の入口にほど近い Hotel Restaurant Seiffener Hof でエルツ地方の郷土料理を堪能し、その後レストランのすぐ脇にある工房を見学させてもらえることになった。
そこで、ザイフェンにしかない有名な木工ろくろ細工の手法(写真左)を見せてもらったわけだが、一寸の狂いも許さないその緻密な作業に出てくるのはただただ驚嘆の声。
まさに「マイスターの国、ドイツ」を実感した瞬間だった。
その後、2階の1室で行われていた子供向けのワークショップを見学。この日集まっていたのは、インターナショナル・スクールに通う子供たちと、同伴の先生たちだった(写真右)。大人と子供が一緒になって、思い思いの作品を作る姿は何とも微笑ましかった。
このワークショップは月曜から金曜までの毎日行われており、事前に予約さえすれば誰でも参加可能で、食事や宿泊とセットになったプランもあるそうだ。
ワークショップには日本の子供たちでも参加できるそうなので、ザイフェンを訪れたら是非チャレンジしてみよう。
なお、ここで製作されている工芸品の一部はオンラインでも購入が可能で、日本へも郵送してもらえるそうだ。(MW)
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ザイフェンの工芸品を買う
■ ロイヒャーマン
ハンブルグで港のクリスマス・マーケットを歩いていたら、ザイフェンの木製人形を専門に扱ったテントを見つけた。壁一面に飾られた非売品の人形たちに導かれるように店内に足を踏み込むと、中には店番をする一人の女性がいて、彼女の前には販売用のロイヒャーマンがたくさん並んでいた。
この「ロイヒャーマン」とは、人形の中に香を置く台があり、そこに香を仕掛けると煙を口から吐く人形のことだ。
1体の値段は、50ユーロ前後から。私の目を引いたのは山登りの途中でホフブラウ(ビール)片手に座って一服している、バイエル伝統の帽子をかぶった1体の人形(写真左)だった。背中のリュックには、ザイフェン周辺の地図とストック・ステッキ。さすがドイツ、何とも芸が細かい。
あまりにもの愛くるし表情をしたその人形を買って帰りたいものの、その後の大荷物での移動を考えるとなかなか踏み切れないでいた私に、店員さんが『彼の名前は“スモーキング・マン”っていうのよ』と教えてくれた。
『どう、私と一緒に日本に行く?』私は、スモーキング・マンにこう尋ねてみる。
もちろん言葉こそ返しはしないが、彼はそっと微笑み返してくれた。もう迷いは無かった。
私は58ユーロを支払い、そのスモーキング・マンを新たな旅のパートナーに迎えた。
■ クリスマス・ピラミッド
ドイツのクリスマス・マーケットを訪れると、必ずと言っていいほど目にするのが「クリスマス・ピラミッド」だ。
世界最古のクリスマス・マーケットが開かれているドレスデンにも、ギネスブックに登録されている世界最大のクリスマス・ピラミッド(写真右)が立っていた。
ミニチュアのクリスマス・ピラミッドは、各地のマーケットでもよく目にする。もちろん、ザイフェンにある店舗でも数多く販売されている。
値段もピンキリで、手の込んだものはそれなりに値が張る。とは言っても手が届かないほど高いわけではないが、このユーロ高の折、決して安くはないというのも事実だ。
ザイフェンの工房直営店で、また私を迷わせる一品に出会った。
ドレスデンのフラウエン教会をモチーフにした、キャンドルスタンドが付いた1段のシンプルなピラミッド(写真左)だ。
値段は89ユーロ。ちょっと贅沢なディナーをしたと思えば済む金額ではあったが、クリスマス・マーケットを巡る度に増えていく荷物にほとほと頭を悩ませているのも事実だ。だが、見れば見るほど欲しくなってくる。
別送品でトラブった過去の出来事が頭を過ぎったが、店の人に相談したところ送料は39ユーロで、2週間程度で届くとのこと。
この伝統と技術が長く未来に引き継がれていくことを祈りつつ、自分へのクリスマス・プレゼントとして購入を決意した。日本での再会が、今から待ち遠しい・・・。(MW)
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ザクセンを潤した町・フライベルクのクリスマス
ドイツのクリスマス・モチーフの一つに、黒い帽子をかぶった鉱夫(写真左)がある。
これは「ザクセン・スイス」と呼ばれる標高1241メートルの「高地」で働いた鉱夫の姿だ。
フライベルクはザクセン・スイスにある小さな町で、先に紹介したザイフェンとともに、かつて鉱山で栄えた小さな町だ。
この「鉱山」こそが、華麗なザクセン王国の栄華を支えた富の源だった。
フライベルクは人口5万人にも満たない小さな町だが、税金徴収所や鉱夫養成学校が置かれたザクセン・スイスの中心地で、いわば“ザクセンの財布”ともいえる地なのである。
町を歩いていて、まず目を引くのは独特の建物。
雪が落ちやすいように、屋根は内側にカーブがついた尖った姿(写真右)になっている。
窓の上の庇も雪が落ちやすくなるよう工夫されていて、まるで屋根に目がついているかのようで、なかなかシュールな感じが面白い。
町には3つの教会があるが、必見は壮麗なゴシックの「聖マリーエン大聖堂(Dom St. Marien zu Freiberg)」だ。
ここのパイプオルガン(写真左)は、ドイツきってのパイプオルガン職人、シルバーマンによるもので、まさに天に向かって真っすぐに響いていくような音色を放つ。
パイプオルガンの音色は幾度となく耳にしたが、「本当に神は天にいるのではないか」と感じさせる音色というのは、こういうものではないかと思わせられる。このパイプオルガンはドイツ有数のオルガンの一つとして名高く、現在も“オルガンの女王”の愛称で親しまれている。
さらに驚いたのは、教会の祭壇画が16世紀に活躍したルーカス・クラナッハ(父)の作品であることだ。
ザクセンの宮廷画家として選帝侯や侯婦人など数々の肖像画を描いたクラナッハは、当時の人気画家の一人である。つまり、この小さな町は、ザクセンではそれほどまでに重要な、また力のあった町だったのかと改めて感服する。
また、現在は腐食を保護するため外壁に覆われているが、同大聖堂の金の正面玄関も見逃せない。
フライベルグのクリスマス・マーケットは、市庁舎の前の広場で開催されている。決して大都市のマーケットのような華やかさはないが、ほんわかとした雰囲気が不思議と和ませてくれる。大きな鉄板に並べられたザクセン・スイス名物のソーセージ(写真右)は、何ともダイナミックだ。
また、12月6日には、松明の明りで鉱山労働者のパレードと、クリスマス・オラトリオが行われる。
先の大戦による被害もなく、町はほぼ完全な形で残されているフライベルクの町。小さいながらも、鉱山博物館といった見どころも多い。フライベルグへは、ドレスデンから鉄道(Regional-Express)で40分ほど。IRE(Interregio-Express)を利用すれば、30分足らずでアクセスも可能だ。
クリスマス、そしてザクセンの“ふるさと”を、一度訪れてみてはどうだろうか。(TN)
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お持ち帰りOK! ドイツ・グリューワインのマグカップ
クリスマス・マーケットに入るとどこからともなく甘酸っぱいような匂いが漂ってくる。
クリスマス・マーケットに欠かせない飲み物、グリューワインの香りだ。
グリューワインとは、アニスやシナモン、オレンジピールなどさまざまなスパイスを赤ワインに入れて煮たいわゆるホットワインのこと。
熱い、甘い、程よくアルコールが効いているこのドリンク、煮えたアルコールのせいか体がほかほかと温まり、寒い夜は格別においしい。
さて、このグリューワンの屋台巡りで楽しいのが、ワインを注いでくれるマグカップのデザインである。
実はドイツでは各町、各市場ごとにそれぞれオリジナルのカップを作っており、デザインがそれぞれに違う。
例えば、ハンブルグは町の紋章入り(写真左下)。ドレスデンは聖母教会など(写真右)、町の名所がレリーフで描かれており、とてもかわいい。シュトゥットガルトはガラスのカップ。このほか年号が入った今年だけのオリジナル、長靴型などもあり実に様々だ。
このマグカップは、お土産に持ち帰ることができる。グリューワインを買う時に、ワインの値段平均約2〜3ユーロにデポジットとして2.5〜3.5ユーロをプラスして払い、カップが欲しければそのまま持ち帰って良い。
不要なら飲み終わった後にカップを返せば、デポジットしたカップ代を返金してもらえる。
さらに、ワインを飲まずとも、カップだけを買うこともできる。その場合の値段はデポジットの料金と同じで、一つの店に何種類かデザインがある場合は「取り替えて」と言えば、気軽に変えてもくれるのがう嬉しい。
そんな調子であちこちの町のカップを集めていたら、気がつけば結構な量になっていた。よくこれだけ持って移動したもびだ、と我ながら感心する一方、膨大になった帰国時の手荷物量が頭をよぎる。何せすべて割れ物だ。とはいっても、この時期ならではのお土産だ。がんばって持ち帰ろう。(TN)
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ドイツ中世風のクリスマス・マーケット 〜ワイマール
ワイマールでちょっと変わった、中世風のクリスマス・マーケットに出会った。
お店の人たち全員が中世の衣装を着てマーケットを楽しむという、いわゆるコスプレ・マーケットとでも言おうか。
中世の衣装はTVや映画などで見る機会はあっても、目の前でお目にかかる機会はあまりないので、観光客にもなかなか楽しい。
ワイマールの旧市街では3ヶ所でクリスマス・マーケットが開かれているが、市庁舎近くにあるネアンデルタール人の奇妙なオブジェがある一角がその中世風のマーケットのエリアだ。中世の音楽が響くマーケットの一角で、当時の鍛冶屋(写真左下)、石工、パン焼き職人(写真左)、画家などに扮してマーケットを開いている。
薪のパン焼き釜から香ばしい匂いが立ちのぼり、グリューワインの店には大勢の人が集まっている。ここのマグカップは中世時代の素焼のカップ(写真右)を使っているのも面白い。
店の品物は石細工、アイアンクラフト、CDなど特に中世に限ったものではないが、通常のクリスマス・マーケットとは一種趣の違うパーティーを楽しんでいるという雰囲気がいい。
このマーケットで中世の市を出している人たちは、いわゆるドイツでは有名な中世コスプレグループで、ドイツ中を回っているのだという。
クリスマスの時期は必ずワイマールに来て、市を開いているのだとか。 夜も電球が輝く一般的なマーケットとは違い、たい松の明かりだけでほの暗く、なかなか本格的だ。
ワイマールは、知的創造の町だという。
ワイマールを訪れたのを機に新たな作品やインスピレーションを得た創造者(クリエイター)は、バッハ、ゲーテ、シラー、プーシキン、リスト、カンディンスキー、パウル・クレーなど枚挙に暇がない。
たい松の明かりがパチパチと音を立てる暗がりに中世の音楽が流れ、市場を歩きまわる宮廷道化師の頭巾に着いている鈴の音がリズミカルに鳴る。鍛冶屋のつち音と石炭や薪が燃える音が響く。
創造力やインスピレーションを得られる……かどうかは分からないが、しばしアタマを空にして、この不思議な空間で一緒に遊んでみるのも楽しい。(TN)
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市庁舎の窓がアドヴェント・カレンダーに!ワイマールのクリスマス・マーケット
ワイマールは人口わずか6万人ほどの、ほんとうに小さな町。
だがゲーテ街道の主要都市として知られるように、ゲーテやシラー(写真左)など世界文学史上でその名を燦然と輝かせる人物達が活躍した学術都市である。
ワイマールのクリスマス・マーケットは、旧市街では先に紹介したドイツ中世風のクリスマス・マーケットを含め、市庁舎広場を中心に3ヶ所で開かれている。
どこもそれほど離れておらず、また旧市街部分はどんな方向音痴でも必ず市庁舎広場に戻って来られるほど小ぢんまりしているので、心の向くままに散策して楽しみたい。
さて、中心となる市庁舎広場のクリスマス・マーケット(写真右)では、「市庁舎丸ごとカレンダー作戦」とも言うべきか。市庁舎の窓そのものがアドヴェント・カレンダーとなっている。
建物の一番目立つ大きな建物の窓に数字が描かれており、何ともダイナミック。同時に、町を挙げて人々がクリスマスを心待ちにしているといった雰囲気が伝わってきて、なんだか心がほんわかと温まる。ちなみにドイツで初めて公共の場にクリスマス・ツリーが立てられたのは、1816年このワイマールだったと言われている。
加えてワイマールのクリスマス・マーケットを訪れたら是非試してほしいのが、屋台(写真左)で売られている「チューリンゲン・ソーセージ」だ。長さ25センチはあろうか。長く大きなポークソーセージで、チューリンゲン特産スタイルだと言う。値段は、店にもよるが2〜3ユーロほどが目安だ。
香ばしい匂いのする焼きたての熱々をパンに挟んでくれるのだが、あまりにもの長さゆえにソーセージの両端が7〜8センチははみ出してしまう。
ソーセージを2つに割って上手にパンに収めている人もいるが、ほとんどの人はそのままかぶりついている。
この「チューリンゲン・ソーセージ」をおいしく食べるコツは、マスタードだけをつけること。
実はこれが本場のスタイルで、屋台にはもちろんケチャップも置いてあるのだが、ケチャップをつけるというのは邪道だそうだ。
もう一つ、ワイマールのクリスマスで忘れてはならないのは、市庁舎から広場を挟んだ正面右横にある「ホテル・エレファント」のクリスマス・ツリーだ。
同ホテルは、300年以上の歴史を持つドイツ国内でも有名な老舗ラグジュアリーホテルだが、ここのロビーにあるクリスマス・ツリーのオーナメントは全部象(写真右)になっていて、これが結構カワイイ。
聞けばこの象ツリー、このシーズンのワイマールの知る人ぞ知る風物詩の一つだとか。
ツリーは正月6日頃まで飾られているので、年末年始をワイマールで過ごす人は足を運んでみよう。(TN)
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ドイツ中世風のクリスマス・マーケット 〜世界遺産ヴァルトブルグ城
中世風クリスマス・マーケットの真打登場!ともいうべきか。
チューリンゲン州アイゼナハにある中世の城・世界遺産ヴァルトブルグ城で、毎週末クリスマス・マーケットが行われている。
この城が建てられたのは1067年のこと。まさに本物の中世の城で行われるマーケットだ。城はアイゼナハ中心街から約3キロ、市内からその堅牢な城の雄姿が望める距離にある。小高い丘の上に建ち、ハイキングで登っても1時間半ほど。車なら15〜20分程度で到着する。
駐車場から坂道を登ると、眼下にアイゼナハの街が広がる。
強固な跳ね橋と鉄の扉が残る城門を抜けると、無骨な中世の城の中庭へと導かれる。
クリスマス・マーケットは、この中庭(写真上/右 © Wartburg-Stiftung)が中心に行われている。コスプレ…というよりは、まさに中世世界に溶け込んだかのような市が繰り広げられる。
クリスマス・マーケットはもとより、世界遺産であるこの城はドイツはもちろん、欧州の歴史にも関わる重要な舞台にもなってきた。
初代城主は、チューリンゲン伯ルードヴィッヒ・デア・シュプリンガー。今でもチューリンゲンの人々に慕われている人物で、神聖ローマ帝国の中でも有力な伯家の一つだったという。
キリスト教の聖人に列せられている聖エリザベート妃は、1211年から28年までをこの城で過ごし、城内には「聖エリザベートの間」(写真左)も残されている。
16世紀には、アイゼナハで育ったルターが新約聖書をこの城でドイツ語に翻訳した。
城内にはルターが新約聖書翻訳に没頭した部屋が再現され、また彼の親友であった宮廷画家、ルーカス・クラナッハ(父)によるルターやその両親の肖像画なども飾られている。
19世紀になって、アイゼナハ公により城は整備・再建され、当時の芸術の粋を集めた装飾がなされる。
ワーグナーは、歌合戦の間に飾られたヘルマン1世の「中世歌合戦」の様子が描かれた絵を見て、「タンホイザー」のインスピレーションを得たそうだ。
木造に赤や緑のあでやかな色彩が塗られ、黄金色に輝くようなまばゆい歴代城主の肖像画が飾られた「祝宴の間」(写真右)は、この城の目玉。
ルードヴィッヒ2世は、この城の「祝宴の間」を見て、同様のものを自身のノイシュバンシュタイン城に造らせた。
そして、中世から近世ドイツの建築・芸術・歴史などがつまったこの城の価値を認め、後世は博物館にするよう進言したのが、かのゲーテだという。
ワイマールやアイゼナハをはじめ、チューリンゲン州には精神(スピリット)に重きを置く伝統があるというが、この城はまさにそうしたチューリンゲン・スピリットの粋を集めたものの一つとも言える。
クリスマス・マーケットでは、大きなる歴史とともにアイゼナハ、チューリンゲンの人たちの素朴な温かさに触れられるはずだ。(TN)
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ドイツ最大のクリスマス・マーケットがある都市
シュトゥットガルトの教会オルガン・コンサート
黒い森―シュヴァルツヴァルトの広がるドイツ南西部。
ここの中心都市・シュトゥットガルトは、ドイツ最大規模のクリスマス・マーケットが開かれる町として有名だ。
また、ベンツの本拠地としてもよく知られている。
そして、ここでもアドヴェントの期間中、スティフツキルシェ・シュトゥットガルト教会(Stiftskirche Stuttgart)でパイプオルガンのコンサートが開かれている。
教会があるのは、市の中心である宮廷広場の南側にある旧宮殿(州立博物館)の裏手。
これまたドイツらしい、すっと空に伸びるゴシック教会であるが、中に入ると年代を感じさせる外観とは裏腹に、内部は新しい。
入口にある教会の歴史を展示したパネルで、この教会が第二次大戦中の1944年に爆撃を受け破壊され、その後再建されたものだと知る。
新しいというよりは、再建途中なのだ。
左右両陣のステンドグラスは至ってシンプルで、天井も教会特有の装飾はない。かろうじて正面祭壇と背後のステンドグラス、パイプオルガン部分をまずは復旧させた、という感じだ。
とはいえ、祭壇やオルガン部分は緻密で美しく、特にパイプオルガンの地面に平行のびるパイプがあるという珍しい形に目を惹かれる。
町や教会関係者が少しずつ、この教会を元の姿に復元しようという思いが伝わってくるようだ。
広場で賑々しく行われているマーケットとは別の、シュトゥットガルトのもう一つの側面を見たような複雑な、しかし同時に感慨のような不思議な気持ちが湧いてくる。
コンサートは、午後1時半から約30分。12時45分頃から教会入口に受付が出るので、そこで料金2.5ユーロを払い、コイン型の入場札を貰う。その受け取った入場札は、教会内部に入る際に係員に札を渡し、自由に席へ着く。
この日はオルガンとトランペットによる演奏で、曲目はバッハをはじめとするバロック教会音楽だ。
荘厳なパイプオルガンとともに、トランペットが高らかに鳴り響く。
教会関連の絵画や壁画ではよく天使などがラッパを吹く様子がよく描かれているが、教会に響くトランペットを聞いていると、神様を讃え、祈りや願いを届ける音色に、これ以上切にふさわしいものはないのではないかとさえ思えてくるのである。
2008年に予定されている同教会のコンサート・スケジュールは以下の通り。
ドイツ最大=世界最大のクリスマス・マーケットの都会的賑わいとともに、静かな感動を味わってみるのも良いだろう。なお、教会内部は撮影禁止となっている。(TN)
●スティフツキルシェ・シュトゥットガルト教会・オルガン・コンサート
(Stiftskirche Stuttgart Orgelmusik zum Weihnachtsmarkt Advent 2008)
日時:2008年12月1〜22日までの毎日
時間:13:15〜13:45
入場料:2.5ユーロ
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シュトゥットガルトでは“上を向いて歩こう”
ドイツ最大規模のクリスマス・マーケットが開かれるシュトゥットガルト。宮廷広場を中心に広がる屋台市の数は、270以上とも言う。
クリスマス・マーケットの本場、ドイツである。ドイツ最大規模=世界最大規模と言っても過言ではないだろう。
シュトゥットガルトのクリスマス・マーケットは、宮廷広場を中心に広がっている。
正直カメラでどこを中心にして狙えば良いのかわからないほど広大な上、あまりにもの人の多さで一体どこから見ればいいのか一瞬戸惑う。だが、それも杞憂に終わった。
ここのマーケットにある各屋台は、それぞれ屋根の飾り付けがとても楽しい。
各々の店舗が、創意工夫を凝らしているのだろう。年々飾り付け競争がエスカレートしているのではないか、と思うくらい大きな飾りがどーんと屋根の上に乗っている。
モチーフは、天使やサンタクロース(写真右)、キリスト生誕の様子を象った「クリッペ」と呼ばれる人形、雪だるまやシロクマ、ヘンデルとグレーテル(写真左上)など実に賑やか。中には屋根の上に森や雪山、ゲレンデができていたり、屋根事態がツリーになっているものもある。
また、ふんだんに電飾を使ったもの、シックに渋くまとめたもの、キッチュ&キュート系、素朴なドイツカントリー調などテイストもそれぞれで、眺め歩く様はまさに“上を向いて歩こう”といった感じだ。
ある屋台では、トナカイが何やらリアルに口をもごもごさせ、首を動かしながらしゃべっている(写真左)。
もちろんドイツ語でしゃべっているので、残念ながら何を言っているのかは意味不明だが、どうやらそのボヤキはオバサマ連中の笑いのツボに大ハマりしているらしく、まるで日本の某お昼番組の視聴者よろしく「ギャッハッハ」のように大笑いをしているご婦人方を見て、「世の東西、オバサマ方の生態って同じだなぁ」としみじみ思った。
余談だが、シュトゥットガルトのクリスマス・マーケットには、さすが最大規模を謳うだけあってかトイレの準備も万端だ。分かりやすく看板で案内が出ている上、0.5ユーロの利用料できちんと清掃された、きれいなトイレにお目にかかれる。ちなみに、料金後払いのところもあるようだ。
ここにもグリューワインの屋台はふんだんにあるし、テイストも店によって異なる。味付けもブルーベリー、シナモン、オリジナルフレーバーと様々だ。
たっぷり小銭を用意してから、安心して(?)シュトゥットガルトのクリスマス・マーケットに繰り出してみよう!(TN)
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バーゼルからドイツへ キャンドルライトに照らされたフライブルク
スイス・バーゼルから車で約1時間半の場所にあるドイツのフライブルグは、人口約16万人のうち10%が学生という学術都市だ。建築科以外は、全ての学部があるという。
町にはきちんと整備された石畳の歩道に小さな用水路がくまなく巡らされ、中世の趣が漂う。
ここでも赤い砂岩の商館などが見られ、今でこそバーゼルやミュルーズなどと国境を異にしていても、文化的に繋がりがあったことを思わせられる。
町のシンボルであるミュンスター(写真右)は、先の戦争で空爆をうけたもののファサードが彩色された形で再建されており、モノクロの石造りを見慣れた目にて新鮮に映る。
ここフライブルグのマーケット(写真左)は、ミュンスター付近の広場を中心に3ヶ所で開かれている。
大都市の一つというだけあり、その規模は決して小さくない。また、大勢の観光客も訪れている。
フランスのマーケットは眩いイルミネーションが印象的だったが、ドイツのマーケットは対照的にイルミネーションがシンプルな気がする。やはり、エコロジーな国だからだろうか。
とにかくキャンドルの屋台が必ずと言って良いほどあり、木のぬくもりが感じられるキャンドルライトがお店そのものを素朴な暖かく照らしているということもある。
今でこそ冬の重要な観光素材となっているが、お祭りであると同時に生活の中に根付いたイベントという雰囲気が強い。
マーケットにはいくつか体験施設がある。キャンドル作りの小屋では、家族連れやカップルが興味深そうにキャンドル作りを楽しんでいた(写真右)。
マーケットには伝統文化を伝える役目もある…という点だけを考えるのは早計かも知れないが、キリストのクリッペを見ながら子供にクリスマスの話をするおじいちゃんの姿を見ていると、こうしてクリスマスの文化が脈々と受け継がれていくのだということを感じる。(TN)
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