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ポーランドのクリスマス・マーケットといえばクラクフ

 クラクフはポーランドの南、ワルシャワから特急電車で約3時間のところにある街。16世紀まで王都が置かれていた歴史都市だ。 戦争による破壊を免れたため、古い昔ながらの街並みがそのまま残る、ポーランドでは貴重な街のひとつでもある。

 そんなクラクフの冬の風物詩がクリスマス・マーケット。ポーランドは敬虔なカトリックの国だが、首都・ワルシャワにはクリスマス・マーケットは見当たらない。 それゆえ待降節(アドヴェント)期のクラクフは、ポーランドの中でも独特な風景といえる。

さて、ワルシャワから列車に乗ると、車窓は次第に雪景色。雪をかぶった広大な平原にポプラや白樺などの木立が見える。
一瞬北海道の風景を見ているような錯覚を起こすが、降り立った駅舎は確かにヨーロッパ。雪のせいか、空っ風の吹く雪のないワルシャワよりも暖かい感じがする。

 石畳を歩きながら中央広場(写真上)へ。ショーウインドウ(写真右)はクリスマス・デコレーションで、冬気分を盛り上げてくれる。

 クラクフのシンボルのひとつ・聖マリア教会の横道から中央広場に入ると、どこからともなく肉を焼くいい匂い。案の定、ソーセージ売りの屋台が目に飛び込んできた。
そして、隣にはクリスマス・マーケットには欠かせない飲み物、グリュー・ワインの屋台がある。

その向こうには明るいライトに照らされた、クリスマス・オーナメントやキャンドル、陶器(写真左)、クリスマスリースやお菓子の屋台がずらり。いよいよクリスマスらしくなってきた。(TN)



ポーランドならではのクリスマス・グッズ「ボンプキ」

 せっかくポーランドに来たのなら、ポーランドらしいクリスマス・グッズを探したいところ。その代表的なものが、クリスマス・オーナメント「ボンプキ」(写真右)だ。

 なんとなくその名がかわいらしいボンプキは、英語で「Polish Glass Ball/ポーリッシュ・グラス・ボール」。
ガラスの玉に赤や金色、ブルーなどいろいろな色で絵付けをしたガラスの玉飾りで、ポーランドの伝統的な工芸品のひとつだ。

 ボンプキには聖人や雪景色の風景、民族的な模様などを描いたものもあり、大きさも直径3センチ位のものから15センチ、20センチ位のものとさまざま。
形も球形、しずく型、家、天使、魚などバラエティ豊かで、色もカラフルで、見ているだけで何だか楽しくなる。

値段は小さいものは3ズロチからあり、3個セットは19ズロチ、4個セットのものは20ズロチ。大きく絵付けに手の込んだものだと50ズロチ以上するものもある。
ガラスボールゆえ、持って帰るのにはとても気を使うが、日本ではあまり手に入らないものであることを考えると、がんばる甲斐はありかも知れない。

 そのほか、キャンドルの屋台(写真左上)は近寄ると甘い蜜蝋の香りがってくる。陶器は小花模様や伝統的な模様が描かれ、セットで揃えたくなるかわいらしさ。マフラーや手袋、帽子を売る屋台もあるので、急な雨や寒さに耐えられなくなったときでも安心(?)だ。

 お腹がすいたら屋台でつまみ食いを。クラクフ特産の山羊のチーズ(写真右)は、ちょっとつまめる大きさで売っている。ちょっと塩っ気が強いが、甘いグリューワインのおつまみにちょうど良い。(TN)



クラクフの冬を彩る2つの風物詩:「ショプカ」とクリスマス・マーケット


 クラクフのクリスマス・マーケットは実は新しく、7年ほど前に町の実業家が始めたものだという。
だが、今やすっかりクラクフの冬の風物詩として定着しているようで、マーケットの屋台の前はカメラを向ける観光客や、お母さんにお菓子やボンプキをおねだりする子どもたちなど、大勢の人たちで賑わっている。
週末ともなれば町の市民団体もテントを出し、地元のお母さん達手作りのケーキやスープが売られる。特設ステージでは、上でも下でも民俗音楽や踊りが繰り広げられ、それは賑やかだ(写真左)。

 クリスマス・マーケットよりもっと歴史の長い、ポーランド中で有名なクラクフの冬の風物詩がある。「ショプカ・コンクール」だ。

 「ショプカ」(写真右)とは、ポーランドでクリスマス・ツリーの下に飾るキリスト生誕を模した人形のこと。このコンクールに出展されるショプカは、金紙や銀紙など、色とりどりの美しい紙で作られたペーパークラフトだ。
それぞれの細工は驚くほどに緻密かつ繊細で、折り、形、色など、本当にペーパークラフトなのかと驚く。
作られた城のデザインなどはどことなく東方風というか、スラブ風とでも言おうか。とてもエキゾチックでポーランド的な香りが感じられるものだ。

作品のモチーフは、馬小屋で生まれたキリスト生誕の様子や教会、ポーランドの伝統的な建物などが中心。主に一般市民が応募・製作し、モチーフに制作された作品のなかから、その年の優秀な作品が選ばれる。

 コンクールが行われるのは大体毎年12月7日頃で、当日は中央広場の中心にあるポーランドの国民詩人・ミツケヴィチの銅像の周りに、出展されたショプカがずらりと並べられ、コンクールを通して選ばれた優秀作品は、クリスマスのシーズン中、中央広場の北西角にある書店「CAMENA」に飾られるという。シーズンが終わっても、町中の書店ではショプカの絵葉書や冊子などが売られているので、訪れた時はぜひ足を運んでみて欲しい。

 ショプカ・コンクールが行われ、クラクフの待降節(アドヴェント)もいよいよ本格的になる。(TN)



12月。ワルシャワもクリスマスの装いに


 11月はまだ独立記念日(11月11日)のアーケード・バナーが主流だったが、12月に入ったとたん、ワルシャワの街にはクリスマスの飾りが増えてきた。

通りのアーケード・バナーや町のショーウィンドウ、看板やポスター、お菓子屋さんの商品など、町のあちこちでクリスマス関連のものが現れ、ワルシャワもいよいよ欧州の冬景色らしくなってくる。

世界遺産でもある旧市街市場広場には大きなクリスマスツリーが立ち(写真左)、周りの店もすっかりクリスマス化粧に。

「ワルシャワは古いけど、(復元された)新しい街だから…」という地元の人の話を時折聞くが、なかなかどうして、旧市街市場広場の建物などは壁の汚れ具合、古さなどまでが見事に復元されており、ワルシャワの人たちの愛国心、執念に頭が下がる思いだ。


 さて、今日のワルシャワは冬にしては時折陽が差す暖かい陽気で、さほど寒さも感じず、散策にはもってこいだ。


クラクフ郊外通りのクリスマス・ディスプレイを鑑賞しながら、旧市街の王宮広場に向かう途中でかわいらしい紅茶の店を見つけた。

「DEMMERS TEAHOUSE」だ。

赤を基調にしたかわいらしい店(写真右上)で、ドアを開けるとフルーティーな紅茶の香りが漂ってくる。

店に入って左がティー・ルームで、右側がショップ。
ショップのコーナーはクリスマスギフトのコーナーができており、ツリー型やモミの木、サンタの橇やクリスマスモードのテディベアなどを描いた紅茶用の缶、紅茶とチョコレート、ジャム、キャンディやボウルなどのセットが並んでいる(写真左上)。

ボウルや缶の絵柄などが、やはりポーランドらしいテイストで一層興味がそそられる。
クリスマス・ギフトと並んでショパンの描かれたお土産用の紅茶やマグカップなどがあるのも、ポーランドらしい。

 せっかくなのでオリジナル・ブレンドだという柑橘系のフレーバーティーを購入してみた。(写真右)
帰国後、ワルシャワの旧市街の街並みを思い出しながら、ゆっくり味わいたい。(TN)




体が温まるホットチョコレート


 ワルシャワに限らず、ヨーロッパは冬場になると観光客は少なくなる。
その分、この季節は町の人たちの普段の顔が一層近しく感じられてく。ヨーロッパの素顔を見るなら冬がいい。

 だが、そうは言っても、やはり寒いのは事実。
ウインドウショッピングや町歩き、史跡めぐりと夢中になって歩いているうちに、どんどん体が冷えてくる。
そんなとき体が温まり、意外とエネルギーチャージもできる飲み物がホット・チョコレートだ。

 訪れた店は、ワルシャワでも有名な「ヴェデル(E.Wedel Pijalnia Czekolady)」(写真右)。創業は19世紀末で、100年以上の歴史を持つ有名なチョコレート会社のショップ&サロンだ。

 店は、ダークレッドを基調にした19世紀末の上品なカフェ風。
暖かいサロン ―― 喫茶室には創業者やその関係者であろう人たちの大きな肖像画が何枚も飾られ、この店の伝統を感じさせる。

 メニューは大きく分けて、ダークチョコをそのまま溶かしたホットチョコレート、チョコレートをミルクでアレンジしたミルクチョコレート・ドリンク(写真左)がある。

 ホットチョコレートは本当に濃厚なチョコそのもので、コクがあり甘さ控えめでとても上品な味わいで、ミルク・チョコレートはダークチョコ&ミルクやミント、ヘーゼルナッツ、ローズなどのフレーバー系があり、その数は40種類以上という話も聞く。

 さっそくいただいてみると、体の中にゆっくりと温かさが広がっていく感じがして、ほっとするような元気が出てきそうだ。

 店内のお客はカップルや女性グループ、家族連れ、若い男性、シニアの男性などと、顔ぶれも幅広い。甘党の日本男性諸氏も、欧州では遠慮することはない。立ち寄ってみてはいかがだろうか。(TN)