ドイツ観光局が恒例の「クリスマス懇話会」で2019年を総括 11月には LINE に業界初となる「BOTCHAN」を導入
西山氏によると、2018年にドイツを訪れた日本人の宿泊数は、全体の1.4%にあたる120万泊。欧州外マーケットとしては、アメリカ、中国・香港、アラブ諸国に次ぐ第4位となる。また、2019年1〜9月の累計では、日本は前年同期比で+0.1%。数字としては微増ではあるが、同じアジア地区の中国・香港、アラブ諸国や韓国がマイナス成長に転じる中でのプラスであることから、ある一定の手ごたえを感じてはいるものの、このままでは同期+2.3%増で勢いのあるインドに日本が抜かれてしまうとの危機感を表した。
■ 2020年は「ベートーヴェン生誕250年」
ドイツは今年「ベルリンの壁崩壊30周年」で世界中の注目を集めているが、ビッグイベントが続く2020年もドイツから目が離せない。
中でも注目は、ドイツが輩出した「3B」と呼ばれる偉大な作曲家のひとり、ベートーヴェンの生誕250年を祝う「ベートーヴェン・イヤー」。この祝賀年は、ベートーヴェンが生まれた2019年12月16日のオープニングコンサートで開幕し、2020年12月17日のファイナルコンサートで幕を閉じる。その間のハイライトとして、サイモン・ラトル指揮のロンドンシンフォニーオーケストラのコンサート(2月22日)や、ベートーヴェン週間(3月13日~23日)、第九コンサート(8月8日)などがされた。
2020年はまた、10年に一度オーバーアマガウ(バイエルン州)で開催されている「キリスト受難劇」の開催年にあたるほか、「ドイツ統一30周年」という節目の年でもある。こうした情報は、2020年を通じてドイツ観光局から配信されていく。
■ 業界初! 「チャットボット」を搭載したLINE公式アカウントを開設
近年、積極的なデジタル戦略に取り組んでいるドイツ観光局は11月、「チャットボット」を搭載したLINE公式アカウントを開設した。西山氏によると、これはドイツ観光案内機能を持つチャットボット「BOTCHAN」を搭載したLINEの対話型インターフェースで、業界初の試みであるという。
さらにドイツ観光局アカウントのメニューで表示される観光情報は、すべて LINEトラベルjp のサイトにリンクしており、ドイツ観光局と「ともだち」になると、自動対応の対話を楽しみながら利用者にあう観光スポットが提案される。
ドイツ観光局では、今後もさらにデジタルマーケティングを強化していく方針だ。
■ パートナー企業も最新情報をアップデート
今年のクリスマス懇話会には、ルフトハンザ・グループや、レイルヨーロッパジャパンもパートナーとして参加し、ともにプレゼンテーションを行った。
ルフトハンザグループは、2019年夏期の成田/ウィーン直行便の好評を受け、オーストリア航空は今期、2週間前倒となる2020年3月14日より同路線の運航を再開すると報告。冬期は週4便、夏期はデイリー運航となる。また、スイスインターナショナルエアラインズは、2020年2月に成田/チューリッヒ線にボーイング777-300ER型機を導入し、各フライトの座席数が現在の117席増になると発表した。
一方、レイルヨーロッパは、ドイツの鉄道商品として「ジャーマンレイルパス」を紹介。このレイルパスで、イタリアやベルギー、チェコ、ポーランド、デンマーク、スロヴェニア、英国など、ドイツ以外のヨーロッパ25都市へもアクセスできるほか、6歳から11歳までの子ども2名まで、無料で鉄道パスが追加できるとアピール。さらにドイツ国内のみならず、フランス、スイス、オーストリア、オランダ、ベルギーなどを結ぶ高速鉄道 ICE については「国内路線はWi-Fiが無料」であることや「⼀部の国際路線を除き、座席は任意予約制である」と、利便性の高さを強調した。