エコと機能性を重視したジャーマン・デザインの妙

2014年06月20日 掲載

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シンクの無い手洗い


先日、ドイツでは空間にも哲学が感じられるというお話をしましたが、今度は機能性を兼ね備えたデザインについてです。
よく言えば「倹約家」、悪く言えば「ケチ」などと表現されるドイツの人々。そうした国民性は、ひょんな場所で目にすることができます。

この写真は、ドレスデンのとある観光施設にあったトイレの洗面台です。最初見た時に驚いたのですが、なんとこの洗面所にはシンクがないのです。
ちょうど周りに誰もいなかったので、「大丈夫かな~」って恐る恐る水を出してみたのですが、使ってあらびっくり! 台に少しだけ傾斜がついていて、手を洗った汚水は後ろ側に落ちて流れていくシステムになっているではありませんか (*☆∀☆*) 

しかも、この洗面台をじっくり観察してみると、実によく出来ているのです。
というのは、汚水が配水管までたどり着くまでに少し時間があるので、うっかり指輪とか物を落としても気付くのが早ければ自分で拾えますし、当然のことながら物を詰まらせる可能性も低くなります。

おまけに、水受けが一枚の板になっているので掃除も楽ちん。洗剤で洗うにしても最小限の洗剤と水で済みますので環境にも優しい! 一般的なシンクと直結しているような洗面台と違って、部分の配水管の掃除も不要なんですよね。デザイン的にも洒落てるし、水ハネもありません。

こうしたデザインの妙と合理性は、ドイツの他の町でもたくさん見ることができます。これもまた哲学なり。ドイツ旅行の際には、アンテナの向きを少しだけ動かして、皆さんもドイツの斬新なアイデア・デザインを探してみて下さいね。(取材協力:ドイツ観光局/ドレスデン観光局/レイルヨーロッパ・ジャパン)


(写真はイメージです)

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