イタリア政府観光局が設立100周年で祝賀レセプションを開催 次の100年に向け「Made in Italy」をアピール
1919年にローマで設立されたイタリア政府観光局(ENIT)が今年、100周年を迎えたことを受け、イタリア政府観光局日本支局が、都内で旅行業界およびメディア関係者を集めた記念祝賀会を開催した。会の冒頭でスタラーチェ大使は「日本でイタリア政府観光局の開設100周年を祝うことができて嬉しい」と挨拶。また「アグリツーリズモといった宿泊施設をはじめ、芸術施設、海や山、そしてウェルネスなど、100年の間にイタリアは観光の分野においても様々な進化を遂げてきた」ことを紹介した。
さらに「日本に赴任して3年、コミュニケーションを重要視している」というスタラーチェ大使は、日本が誇るアニメーションを活かした<未来を見据えたコミュニケーション>に取り組んでいるとし、先ごろ日本の KADOKAWA グループと共同で制作した『テルマエ・ロマエ』のキャラクターを起用したプロモーション動画を来場者に披露。「若い人たちにもイタリアの魅力を訴求していきたい」と、その意欲を語った。この動画は、イタリア大使館のSNSや在日イタリア商工会議所が展開する「イタリア料理週間」などを通じて配信された。
最後にスタラーチェ大使は、アリタリア・イタリア航空が羽田/ローマ線を開設することに言及。集まった旅行会社とメディア関係者に対して引き続きの送客と協力を求めるとともに、「今後も Made in Italy の素晴らしさや、イタリアのライフスタイルなどを広めていきたい」と結んだ。
また、来日が叶わず来場者に向けビデオメッセージを寄せたイタリア政府観光局(ENIT)のジョルジョ・パルムッチ会長によると、2018年にイタリアに滞在した日本人の合計宿泊数は400万泊で、旅行消費額は9億4900万ユーロ。2019年も確実にこれを上回ると見込まれ、同局では今後も日本を重要なマーケットと位置づけ、積極的な観光プロモーションを展開するとしている。
次いでイタリア政府観光局(ENIT)日本支局の三浦真紀子氏が「イタリアの観光100年史」を振り返り、本局が開設された1920年から30年代にかけてヴェネツィア、フィレンツェ、ローマが柱となっていたイタリア観光は、40年代から50年代になってトリノ、ミラノ、ヴェローナ、ヴェネツィア、ボローニャへと拡大。さらに映画『ローマの休日』の影響もあり、ローマ観光は不動の人気となったと紹介。さらに日本支局が開設された1960年代から70年代にかけては「バカンス」人気が高まり、サンレモやナポリ、ポンペイなども旅先として注目されるようになったと述べた。
そうした時代を経て、日本からも多くのリピーターを抱えるようになったイタリア観光。イタリア政府観光局では、2019年からは統一したテーマやキャンペーンなど、グローバルなブランディング戦略に基づいたプロモーション活動を展開しているが、2020年は「スポーツツーリズム」「ラグジュアリー」「ラファエロ没後500周年」などを強化素材。日本においても駐日イタリア大使館を筆頭にイタリアチーム「アズーリ」が一丸となり、次の100年に向けたさらなる「Made in Italy」の売り込みに挑む。