墺・ニーダーエステライヒ州「ハプスブルク家の帝室コレクション」を公開 ~ 2027年秋には日本限定の巡回展も

2025年06月06日 掲載

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Habsburg Collection

「ハプスブルク家の帝室コレクション」




2025年5月、オーストリアの連邦州ニーダーエステライヒからヨハンナ・ミクル=ライトナー州首相率いる大規模な経済、科学、文化代表団が来日。山梨県と水素関連やワイン産業などの幅広い分野で交流を行う覚書を交わした他、都内でプレスイベントを開催し、同州が所蔵する「ハプスブルク家の帝室コレクション」の一部を公開した。

冒頭で挨拶をした州首相は、同コレクションの公開について「ニーダーエステライヒ州が所蔵する『ハプスブルク家の帝室コレクション』を、日本で初めてご紹介できることを大変光栄に思う。これは、オーストリアと日本の文化交流における歴史的な節目となるものであると同時に、両国の友情と相互理解を深める国際的なパートナーシップの精神を称えるものである」と、その喜びを語った。



Landeshauptfrau Johanna Mikl-Leitner4

ニーダーエステライヒ州首相のヨハンナ・ミクル=ライトナー氏




ニーダーエステライヒ州が所蔵する『ハプスブルク家の帝室コレクション』は世界最大級を誇る。その数は2000点にもおよぶが、これらは貴重な文化財の流出を阻止するため2015年に同州が買い取ったもので、コレクションの一部は現在、ザンクト・ペルテン市にある「ニーダーエスタライヒ州立博物館」にて展示公開されている。

ヨハンナ・ミクル=ライトナー州首相の「子どもたちにベストな状態で文化財を残したい」という言葉が、深く心に突き刺さる。




日本初公開「ハプスブルク家の帝室コレクション」


今回、メディアに公開されたのは、たいへんな乗馬好きとして知られる《皇妃エリザベートの乗馬用帽子》と、《皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のモーニングガウン》、皇太子ルドルフの衝撃的な自殺と父カール・ルートヴィヒの死後、1896年から皇帝フランツ・ヨーゼフの皇位継承者となった《フランツ・フェルディナント大公の葉巻入れ》の3点。



Armin Laussegger

ニーダーエステライヒ州政府庁 文化・学術・教育局
兼ニーダーエステライヒ州コレクション主任アーミン・ラウセガー氏




ニーダーエステライヒ州政府庁文化・学術・教育局兼ニーダーエステライヒ州コレクション主任アーミン・ラウセガー氏は、「ニーダーエステライヒ州が誇る『ハプスブルク家の帝室コレクション』は、その幅広さと深さにおいて比類のないもの。皇族の衣装や装身具から、宮廷で使用されていた日用品に至るまで、ハプスブルク家の日常生活を垣間見ることができる貴重な品々が揃っている」と胸を張る。さらに「一連の品々には丁寧な修復や処理を施し、最良の状態での維持に努めている」と、説明した。



Habsburg Collection 2

皇妃エリザベートの乗馬用帽子(右)と
フランツ・フェルディナント大公の葉巻入れ(左)




ニーダーエステライヒ州は、これらのコレクションの中から100点ほどを国外に持ち出し、2027年秋に日本国内の5都市で巡回展を予定している。開催都市についてはまだ発表の段階にないが、現在、その準備が進行しているという。

ミクル=ライトナー州首相によると「これはオーストリア国内でも行われない、日本に限定した極めて特別な巡回展」で、「この貴重なコレクションを、より多くの方々にご覧いただけることを、心より楽しみにしています」と語った。

もちろん、その先には人と人との交流をより活発化させる「観光」も視野に含み、「これを機にひとりでも多くの日本の方々に、ニーダーエステライヒを訪れて欲しい」と手招きをする。



Habsburg Collection 1

皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のモーニングガウン






ウィーンから簡単アクセス! ニーダーエステライヒ州を旅しよう


首都ウィーンを囲むように広がるニーダーエステライヒは、ベートーヴェンが愛した「ウィーンの森」に代表される豊かな自然や世界遺産の「ヴァッハウ渓谷」「メルク修道院」、鉄道ファンを虜にする「ゼメリング鉄道」など、壮麗さと多様性に富んだ魅力あふれる連邦州。

広大な城の敷地内で開催される「グラーフェネック音楽祭」や、高品質なワインを生み出すオーストリア最大のワイン生産地としても良く知られ、歴史、文化、芸術、音楽、自然、そして美食がそろい踏みの、魅力的な旅のデスティネーションでもある。

ウィーンからのアクセスも良く、ほんの小一時間、列車で移動するだけで、ウィーンを起点とする旅の楽しみも、その深みも倍増する。



Grafenegg-Wolkenturm

音楽の聖地グラーフェネック城での音楽祭
Copyright: Klaus Vhynalek




ドナウ川沿い、デュルンシュタインやメルク修道院があるヴァッハウ渓谷(世界遺産)では、音楽家ブルックナーお気に入りのオルガンがある「クロースターノイブルク修道院」も必見。

ここはまた、EUの原産地呼称に認定されたアンズ(アプリコット)の名産地で、春になると1万本以上のアンズの木が一斉に花を咲かせる。風に揺れる、淡いピンク色の花びらが何とも愛らしく、どこか日本の桜を彷彿とさせる。
7月の収穫期を迎えると、道沿いには色とりどりの新鮮なアンズを売る露店が並び、目がより一層の食欲をそそる。

ヴァッハウ渓谷のアンズは、他の地域に比べて色鮮やかで肉厚。果汁をたっぷり含んだ、ふっくらとした食感が特徴で、小麦粉の生地に包んで蒸したアンズ団子(クネーデル)やアンズケーキ、薄いパイ生地でくるんだアンズ・シュトゥルーデル、アンズジャム、さらにアンズのシチューやブランデーと、その食し方も実に様々だ。



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ニーダーエステライヒ州では美食体験も外せない
Copyright: Weingut Holzapfel, Photographer: Herbert Lehmann




一方、州北西部のヴァルトフィアテル地方(森林地帯)には、タヤタール国立公園やハイデンライヒシュタイナー湿原が広がり、州南部のウィーン・アルプスには世界遺産の「ゼンメリング鉄道」、シュネーベルクへの「歯車式鉄道」、オーストリア初の旅客用ケーブルカーとして1926年に運行が始まったラックスのケーブルカーなど、鉄道マニア垂涎の観光スポットが集まる。

州都サンクト・ペルテンは、州西部のモストフィアテル地方にある。先にご紹介した「ハプスブルク家の帝室コレクション」は、モダニズムが調和するこのサンクト・ペルテンの「ニーダーエスタライヒ州立博物館」に展示されている。



Krems

風光明媚な景色が広がる世界遺産「ヴァッハウ渓谷」
Copyright: Österreich Werbung, Photographer: Harald Eisenberger




ウィーンの南西部に広がるウィーンの森には、ベートーヴェンゆかりの保養地バーデンをはじめ、ヨーロッパ最大の地底湖「ゼーグロッテ」「ハイリゲンクロイツ修道院」、皇太子ルドルフの悲劇の地となったマイヤーリンク、ハプスブルク家ゆかりの「ラクセンブルク城と風景式庭園」などの見どころが盛りだくさん。

日本での「ハプスブルク家の帝室コレクション」巡回展が予定されている2027年は、ベートーヴェンの没後200周年のメモリアルイヤーでもある。ウィーンから一歩奥のニーダーエステライヒ州で、「陽の沈まない帝国」を築いたハプスブルク家の歴史や、ベートーヴェンの生涯に触れてみる旅を、今から計画してみるのはいかがだろうか?



  アーカイブ記事:
 《鉄道で巡るドナウ世界遺産の旅》ウィーンを起点に楽しむ世界遺産 ヴァッハウ渓谷
 《鉄道で巡るドナウ世界遺産の旅》ウィーンを起点に楽しむ世界遺産 メルク修道院
 《鉄道で巡るドナウ世界遺産の旅》ウィーンを起点に楽しむ世界遺産 ゼメリング鉄道

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