4.地中海の恵みに舌鼓

掲載日 : 2016年02月10日

写真 : 筆者撮影

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イェミスタ

日本人の口にも合う「イェミスタ」
トマトやピーマンの中にライスが入っている



胃袋と心に優しく染みわたる癒やしのギリシャ料理


味の決め手はレモンとペッパー!
小魚のフライは開いてからフォークにのせて・・

ギリシャを代表する料理と言えば、ジャガイモとナスにミートとホワイトの2種類のソースを層にしてオーブンで焼き上げた「ムサカ」や、数種類の生野菜をオリーブオイルで和え、山羊の乳から作られたやや塩気の強いフェタチーズを添えたギリシャ風サラダ。だがギリシャには、その他にも目移りしてしまうほど、身体に優しく健康的な美味しい料理がたくさんある。

小魚はフォークの上で開いて・・・

ギリシャ流小魚のフライの食べ方

中でも日本人の口に合うのが、イカをフライにした「カラマリ」や、ヒコイワシをから揚げにした「ガブロ」といった魚介料理。海際のシーフード・レストランではよく、軒先に地元で水揚げされた新鮮な魚介類が並べられているのを目にする。

「ガブロ」のような小ぶりの魚は丸ごと油で揚げ、そのまま豪快に皿に並べて供される。骨まで軟らかくなっているので、そこにレモンをたっぷり絞りかけて、日本スタイルで頂くのも良いが、ちょっと魚が大きめの場合は少し食べ方が違うらしい・・・
親切で面倒見の良いドライバーのヤニスさんが、教えてくれた。

まず大皿から魚を1匹取って手元の小皿に移したら、頭と尾を落としてナイフとフォークで身を開き、フォークの上にセット。そこにレモン適量と胡椒、好みでオリーブオイルをかけてそのまま口へと運ぶのだという。
早速試してみると、確かにこの方が舌触りも良くて、白身の味も引き立ってずっと美味しい!

一方、肉料理といえば、ワイルドなグリルや煮込み料理が主流。他のバルカン諸国同様、ギリシャでも肉には調理の段階でしっかりと火を通すのが常識となっている。そのため料理方法により、多少のパサパサ感は否めないが、肉の味が凝縮していて味わいがある。
ミートボールのフライ「ケフテ」や、米の形をしたパスタにシチューをかけた料理も多い。意外にもパスタの種類が豊富で、ショッピングの時に食材店をちょっと覗いてみるのもお勧め。手ごろなお土産にもなる。

ギリシャの魚介のパスタは、イタリアのように後からソースを絡めるのではなく、ソースで煮込むスタイルのため「アルデンテ」には程遠いのだが、パスタ全体に旨みがしっかり染み込んいるので、麺の柔らかさにさえ慣れてしまえば病みつきになる美味しさ。胡麻がいっぱい付いたギリシャパンも、サンドウィッチにして食べると具材の味が際立ってなかなか。キリッと冷えたビールとの相性も抜群だ!

その他にもチーズのフライ「サガナキ」や野草とチーズを詰めた揚げパイ「ホルトピタキァ」、トマトやピーマンの中にライスが入っている「イェミスタ」、ブドウの葉でライスを包んだ「ドルマダキア」、塩漬けの魚卵を使った本場の「タラモサラタ」なども、ギリシャへ行ったら忘れずに味わっておきたい地中海の味覚である。
どの料理も胃袋と心に優しく染みわたる。ちょっと思い出しただけでも、お腹が鳴ってくる・・・
 


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